将来、カメラ業界を率いる企業はキヤノンと富士フイルムとシグマ?

EOS HDに、カメラメーカー各社の現状の分析と今後の予想が掲載されています。

Camera industry is in crisis. What happens next?

  • キヤノン:産業用の部品供給や技術供与、CMOSセンサーの販売など、カメラ以外の多くの分野でビジネスを行っており、ミラーレスカメラはサイドビジネスだ。キヤノンのビジネスは多様で、2021年は、ニコンほど心配することはないだろう。
  • 富士フイルム:GFXシリーズのハイエンドプロフェッショナル市場に力を入れているのは、賢いやり方だ。
  • ニコン:ニコンはカメラが本業で、危機的状況にある。デジタル一眼レフ事業はほとんど過去のものとなってしまい、ミラーレスカメラだけでは会社を維持していくのに十分ではないと思う。ニコンは、もっとずっと小さな事業になるかもしれない。
  • リコー/ペンタックス:4月にカメラ事業の見直し、廃止する権利を留保すると述べていた。それ以来、静かな状態が続いており、親会社のリコーから大きな投資が行われる気配はない。ペンタックスを救う可能性があるとしたら、別の買収だろう。大手が一眼レフから撤退することは、光学ファインダーユーザーにアピールするペンタックスの希望の光となりそうだ。

  • ソニー:一番早くフルサイズミラーレスに移行したのはよい判断だった。ソニーのカメラ事業は他のどのメーカーよりも強固な地盤があると思うが、カメラはPS5と比べてソニーの大きな収益源となっているのだろうか?
  • パナソニック:Lマウントアライアンスは、順風ではないスタートとなった。カメラチームはハード面では良い仕事をしているが、ソニーから遅れること5年、キヤノンやニコンと同時期にフルサイズミラーレスに参入して、マウントをLマウントに変更してもらうのは難しいことだ。パナソニックはAFが弱点だ。
  • シグマ:大企業の傘下ではなく、情熱と先見性を持った人たちによって運営されている家族企業で、カメラ業界の未来に希望を与えてくれる存在だ。フルサイズのLマウントで十分なレンズをラインナップしているのはシグマだけなので、シグマは間違いなく成功すると思う。
  • ライカ:ラグジュアリー市場での地位確立のために、正しいことをやっているように見える。最近のライカのカメラは実にエキサイティングだ。AFはソニーに比べると弱い。

今後の予想

  • パナソニック:Lマウントカメラの販売が上向かない限り、厳しい状況に陥るだろう。マイクロフォーサーズ市場を無視してフルサイズに向かったのは間違いではないが、ソニーより5年遅くフルサイズミラーレスに参入したことと、コントラストAFを使用したのは間違っていた。
  • リコー/ペンタックス:オリンパスと同じようなことになってしまうかもしれない。光学ファインダー愛好家向けの一眼レフ界のライカになることができれば、採算が取れるかもしれない。
  • ニコン:生き残れるかどうか、フィフティーフィフティー(50%)だと思う。ニコンは2025年にはカメラ市場で遥かに小さなメーカーになっていることを90%確信している。

  • ソニー:ミラーレスカメラはソニーの株主にとってそれほど重要ではないと思う。この市場には大きな将来性がないので、Eマウントシステムの売上が落ち始めたとしても、ソニーが顧客にそれほど誠実であることは期待できない。サムスンのように、(カメラを事業をやめて)より収益性の高いビジネスに鞍替えする可能性もあるだろう。
  • まとめ:私の意見としては、上記のことから、長期的にはキヤノン、富士フイルム、シグマがカメラ市場のリーダーになり、ライカは現状維持になると思う。

 

EOS HDは、ニコンに対してかなり厳しい見方をしていて、数年後にはニコンのカメラ事業が大幅に縮小していると予測していますが、実際、どうなることでしょうかね。

ソニーに関しては収益性の低さから、サムスンのようにカメラ事業から撤退する可能性を予測していますが、ソニーが撤退するような状況になったら、他のメーカーもカメラでは商売にならないような状況に陥ってそうです。

Lマウントについては、パナソニックにはかなり厳しい見方をしていますが、一方で、シグマは間違いなく成功すると述べられていて、同じマウントでもかなり評価が異なっているのが面白いところですね。