ニコン「Z 50mm f/1.2 S」は驚くべき性能の標準レンズ

ePHOTOzineに、ニコンの大口径標準単焦点レンズ「Z 50mm f/1.2 S」のレビューが掲載されています。

Nikon Nikkor Z 50mm f/1.2 S Review

  • このレンズは1090グラムとかなり重いが、Z7とのバランスは良好で、実際の使用で重すぎるということはない。全体的にハイクオリティな造りが印象的だ。
  • フォーカスリングは電子式で、非常に滑らかに動く。最短撮影距離は0.45m、最大撮影倍率0.15倍で、かなり寄れるが、マクロのような倍率ではない。
  • 鏡筒には有機ELのディスプレイがあり、絞り値か撮影距離を表示でき、被写界深度も表示されるが、表示が小さく情報が少ないので実用的ではない。実用的なものにするには、ディスプレイをずっと大きくする必要があるだろう。

  • 大きく重く高価なのは許容する必要があるが、このレンズはハンドリングが素晴らしく、使っていて楽しめるレンズだ。
  • 解像力は、中央はF1.2からF8まで際立った値(outstanding)で、F11からF16では素晴らしい値(excellent)だ。隅はF1.2からF2で素晴らしい値(excellent)で、F2.8からF8では際立った値(outstanding)、F11では素晴らしい値(excellent)だ。このレンズは驚くべき解像力だ。

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  • 倍率色収差は、自動補正をOFFにして測定したが、測定結果はほとんどゼロだった。後処理での補正は必要ないだろう。
  • 歪曲は+0.16%の糸巻き型で、ほぼ真っすぐだ。建築物が画面の隅にあっても、真っ直ぐに写る。
  • ボケは実に滑らかだ。画面の隅では玉ボケの変形が目に付くことがあるが、グラデーションは常に滑らかだ。
  • 逆光耐性は素晴らしく、かなり厳しい状況でも、ほとんどの場合、フレアは見られない。
  • 周辺光量落ちは開放では-2.4EVと立つが、絞るとすぐに改善して妥当なレベルに抑えられる(F1.4で-2EV、F2で-1EV、F2.8で-0.8EV)。

  • F1.2のレンズで正確にピントを合わせるのは難しいことだが、このレンズは極めてAFが正確で、常にガチピンだった。
  • Z50mm f/1.2Sは、性能面ではZ58mm f/0.95 S Noctと非常に似通っている。開放ではわずかに58mm f/0.95が優っているが、outstanding(際立った性能)の中での程度の差なので、実写画像で違いが見られるかどうかは疑わしい。Z50mm f/1.2 S は驚くべき性能の標準レンズで、その価格を正当化するのに十分な性能を備えたレンズだ。大いに推薦する。
  • 良い点:際立った解像力、色収差がほとんどゼロ、見事なフレア耐性、素晴らしいハンドリング、鏡筒の造りの品質、L-Fnボタンによるカスタム機能、歪曲がほとんど無い、美しいボケ。
  • 悪い点:高い価格、大きくかさばる。

 

Z50mm f/1.2 S はf/1.2の大口径レンズにもかかわらず、開放から画面の隅まで驚きの高解像力で、実に見事な性能ですね。色収差も極めて少なく、非常にシャープでヌケの良い描写という印象です。ボケもとても綺麗で、逆光耐性も優れているので、大きさ重さを除けばウィークポイントの見当たらないすごいレンズですね。