ニコン「Z 50mm f/1.2 S」は開放から驚くほどの解像力とコントラスト

DigitalCameraWorldに、ニコンの大口径標準単焦点レンズ「Z 50mm f/1.2 S」のレビューが掲載されています。

Nikon Z 50mm f/1.2 S review

  • 鏡筒の金属製ではなくプラスチック製だが非常にしっかりした造りだ。コントロールリングとフォーカスリングはいずれも滑らかに動作する。
  • このレンズは開放から、このような大口径レンズとしては信じられないほどの解像力とコントラストで、ほとんどの絞り値でZ 50 f/1.8Sに優っている。隅の解像力はわずかに低下するが、F2.8で大きく改善しF16までずっと優れた解像力を維持している。
  • 大口径レンズで問題になることが多い、軸上色収差と倍率色収差も非常によく補正されており、高コントラストの被写体の輪郭部分の色ズレもわずかだ。

  • 歪曲はわずかな糸巻き型だが、心配はいらない。周辺光量落ちは開放付近では、比較的目立つ。
  • ボケは美しく滑らかで、ピントが合っている部分からボケている部分への移り変わりはとても自然に見える。玉ボケの形状が、画面の周辺部で大きく崩れるのが唯一の問題だ。また、F1.8以上に絞ると絞り羽根の形状が9角形に変わるので、玉ボケの円形が維持されない。良い点としては、年輪ボケがほとんど見られないことだ。全体としては、ボケは美しくクリーミーだ。
  • AF精度は優れており、一貫している。

  • 解像力テスト:大口径レンズとしては、中央の開放時の解像力とコントラストは見事だ。F2からF5.6の解像力は、これまでのテストの中で屈指の高さだ。中間部は開放では平均的だがF2に絞ると極めてシャープになる。隅はF4まで絞ると極めてシャープになる。

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  • 色収差のテスト:倍率色収差は基本的に問題はない。このような大口径レンズとしては、軸上色収差も開放から非常に少ない。
  • 歪曲のテスト:歪曲はわずかな糸巻き型だが、自動補正をOFFにしている場合でも、実写ではほとんど分からない。

  • Z 50mm f/1.2 S は静止画と動画の双方で、素晴らしく機能するプロ用のレンズだが、多くの人には遥かに軽量コンパクトで安価なZ 50mm f/1.8 S の方がより賢明な選択肢だ。被写界深度の浅さやより速いシャッターが必要なら、Z 50mm f/1.8 Sよりも高価であることを正当化できるだろう。
  • 良い点:明るさ、プレミアムな造りとハンドリング、見事な画質。
  • 悪い点:Z 50mm f/1.8 Sよりも遥かに大きく高価、少し絞ると玉ボケが9角形になる。

 

Z 50mm f/1.2 S は、F1.2の大口径にもかかわらず開放から高画質で、各収差も非常に良く抑えられていて、Zレンズらしい現代的なとても高性能なレンズという印象です。ボケも滑らかで非常に美しいですね。

玉ボケの口径食の大きさが指摘されていますが、F1.2のレンズなので、実用的なサイズに収めるには、これは仕方のないところかもしれません。ただ、絞りの形がF1.8で見えてしまうのは少々残念ですね。