ニコン「Z 6II」は多目的に使用できる非常に高性能なカメラ

DPReviewに、ニコンのフルサイズミラーレスカメラ「Z 6II」のレビューが掲載されています。

Nikon Z6 II review

  • AFは最も注目すべき変更点は、以前はオートエリアAFでのみ使用可能だった顔認識/瞳認識がワイドエリアAFで可能になったことだ。これでAFエリアを狭くしておくことで、ピントを合わせたい人の顔を選択することができるようになった。
  • エルゴノミクスはZ6と同じで、使い勝手は基本的に変わらない。グリップは快適でボディは頑丈だ。
  • 画質はZ6と見分けがつかない。RAWには十分なディテールがあり、ノイズレベルはライバルと同等だ。JPEGのシャープネスのかけかたは粗っぽく、EOS R6の方が画素数が少ないにもかかわらずディテールは豊富だ。また、α7 IIIはZ6IIと同類のセンサーから、より微細なディテールを引き出している。ノイズリダクションは良好だが、ライバルと比べると輪郭が少しにじみ、見かけのディテールが少なくなっている。

  • Z6で見られた、暗部のAFセンサーによるバンディングノイズは見られない。
  • Z6IIのAFは、性能と使い勝手の両面で優れているが、それでもなお、このクラスでトップのカメラより少し遅れを取っている。
  • AFの動体追尾は、ソニーやキヤノン機のように被写体によって自動的にカメラのAF機能を切り替えて自動的に適用する機能はないので、被写体に合わせてAFモードを変更するのが重要だ。

  • AFのテストは、自転車で接近する被写体をZ70-200mm f/2.8 Sを使用して撮影した。動体追尾性能はZ6と同じに見えるが、Z6は時どき意図した被写体からAFがはずれてしまうことがあったが、Z6IIは、フォーカス対象にフレーミングし直すと、被写体により上手く追尾するようになったようだ。
  • Z6 II の人物の追尾は、被写体が目をそらしていてもピントを合わせ続けることができて優れているが、人物の検出と動体追尾が連携できないので、目的の被写体が認識できないと、オートエリアAFが意図していない被写体にピントを合わせることがある。
  • 瞳AFは時折、瞳ではなくまつ毛にピントが合うことがあり、また他社機と同様にメガネをかけているとピントが合わないことがあるが、全体として(ポートレートでは)1点AFやMFよりも瞳AFが最もよい結果が得られる。

  • 動画のAFは非常に信頼性が高く、Z6よりも信頼性できる。Zレンズのステッピングモーターのカタカタ音が若干入る可能性があり、また、ピントを合わせ直す時のオーバーシュートとが起きることがあるが、要求のシビアな撮影以外では、非常に信頼できるAFシステムだ。しかし、動画AFではライバル機により信頼性の高いものがある。
  • Z6IIは動画モードとスチルモードで、同じ設定を使用するか別々の設定を使用するかを選択でき、動画とスチルの設定を分離できる点ではライバルより有利だ。
  • 動画の品質はZ6と同等で、4Kは非常にディテールに富んでいるが、フルHD120pはモアレが多く感心しない。
  • ローリングシャッターの速度は4K30pで22msで、EOS R6よりもずっと優れており、S5に近いが、動画に焦点を合わせたGH5やα7 III(10-15ms)よりは大きく後れを取っている。

  • Z6IIはほぼ全ての状況に対応する非常に高性能なカメラだ。Z6から大きな進化ではないが、操作部のあるバッテリーグリップや、2つ目のカードスロットの追加などの変更と、さまざまな小さな改善によって、あらゆる用途に勧められるカメラだ。
  • 良い点:優れた画質、エルゴノミクスに基づいたボディと豊富な操作系、強力な動画機能、安定したAF性能、一貫している動画AF性能、良好な造り、シャッターショックを回避できる自動シャッターモード、USB充電、バッテリチャージャー付属。
  • 悪い点:ライバル機ほどAFのユーザーインターフェースがまとまっていない、撮影距離を大きく変えるとAFが迷う、バッテリー寿命が並、10bitLOGやHLG記録にレコーダーが必要、RAW動画出力はサブサンプリングなので画質が低下する。

 

Z6IIは派手な新機能はありませんが、デュアルカードスロットの採用や、細かい部分の改善の積み重ねで非常に使い勝手のよいカメラに仕上がっているようですね。

AFに関してはZ6から改善はしているようですが、大幅な改善ではなく、まだ一部のライバルには追いついていないようです。画質はRAWは申し分のない評価ですが、JPEGは少しシャープニングやノイズリダクションに注文が付いているようですね。