ニコン「Z 7II」は非常に優れたカメラだが動体のAFはライバルに及ばない

Photography Blog に、ニコンのデュアルプロセッサを採用した高画素機「Z 7II」のレビューが掲載されています。

Nikon Z7 II Review

  • Z7II には2つのExpeed6が搭載され、これにより動画機能や連写速度が改善され、バッファクリアも速くなっている。Z7で最も批判の多かったシングルスロットも、SDカードスロット追加で対処された。
  • ボディデザインはZ7とほぼ同じで、エルゴノミクスに基づくデザインのおかげで、手に持った感触は非常に快適だ。大部分の操作は右手で行うことができ、軽いレンズを使用している場合は、片手でもかなり快適に使用することができる。
  • モニタはZ7と同じチルト式で、ビデオグラファーはバリアングルでないことにがっかりするかもしれない。
  • EVFはZ7と同じままの369万ドットだが、明るくクリアだ。市場にはより優れたEVFが出回っているが、Z7のEVFは今でもなお優れたオールラウンドパフォーマーで、ほとんどの状況で上手く機能する。
  • 新機能の給電しながらの撮影は、ビデオグラファーにとって非常に便利な機能だ。

  • ビーチを走る犬の撮影では、AFの追尾性能はZ7IIの方がZ6IIよりも優れていた。これはZ7IIの方が測距点が多いためだと思われる。しかし、Z7IIもZ6IIもEOS R6などの他のカメラと同レベルのAF性能ではない。全体としてZ6IIのAF同様に、(動体に)ピントが合う場合もあれば、合わない場合もある。的中したものもいくつかあったが、あまりピントが合っていないものもかなりあった。
  • 動物の瞳AFは有用だが、このモードも確実なものではない。被写体の犬は黒い色で目も黒いので、特に難しい条件のテストだが、EOS R6などの他のカメラはこの被写体に上手く対応している。
  • 動体以外の分野では、Z7IIはほとんどの状況で素早く正確に合焦した。AFはオリジナルのZ7と比べて改善していると言われているが、両機を並べて使っても大きな違いは見られないので、Z7のユーザーなら大きな改善に驚くことはないだろう。

  • Z7IIのセンサーはZ7と同じで、画質はZ7同様に優れている。Z7IIの45.7MPセンサーは、ピクセル等倍で見ても非常に細かいディテールまで解像している。色再現は撮って出しでもとても優れており、リアルな色でありながらある程度の鮮やかさも併せ持っている。
  • RAWのレタッチ耐性は非常に高く、多くのディテールを抽出して必要に応じて加工することができる。
  • 露出はバランスが取れており、オートホワイトバランスも上手く機能する。
  • 高感度性能は、高画素センサーなので問題になる可能性はあるが、それでもなお高感度で実用的な画像が得られる。小さいサイズで使用する場合は、最高ISO25600までは推奨できるが、ISO51200はノイズが多すぎて勧められない。

  • Z7IIの問題点は、Z7が非常に優秀だったため、Z7IIが優れていても旧型から大きく進化したわけではないということだ。AF機能に関しては、他社機の性能を考えると、もう少し大きな進化があれば良かった。静的な写真がメインの人なら問題になる可能性は低いが、スポーツやアクション用にはニコンのミラーレスカメラはまだ十分な性能ではなく、ソニーやキヤノンに追いついていないと感じる。
  • Z7のユーザーは、デュアルカードスロットや4K60pがどうしても必要でなければ、買い換える価値はないだろう。ただし、最初のミラーレス機としてZマウント機を検討しているなら、予算があればZ7IIを購入するのが理に適っている。
  • 全体としてZ7IIは、旧型のZ7同様に優れたカメラで、プロやハイアマに魅力的な機能を備えている。デュアルカードスロットは、ウェディング等の写真が失われてはならない特別なイベントで撮影する人にとって大きな贈り物だ。

 

Z7IIはデュアルカードスロットや、操作部のあるバッテリーグリップの採用、連写速度やバッファーの改善、USB給電など、非常に有用な改良がなされていて完成度の高い機種に仕上がっているという印象です。

ただ、動体のAFに関してはそれほど大きな改善は見られないようで、この部分ではまだライバルに少し後れを取っているようですね。