タムロン「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD」は全体的に優れた性能だが小さなAPS-C機との組み合わせでは使い勝手がよくない

ePHOTOzine に、タムロンのEマウント用のAPS-Cの大口径標準ズーム「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD」のレビューが掲載されています。

Tamron 17-70mm f/2.8 Di III-A VC RXD Lens Review

  • 鏡筒はプラスチックが多用されており、非常に出来は良い。重さは525グラムで妥当なものだ。小型のボディとの組み合わせだとレンズが大きく扱いにくいが、これはレンズ側の問題ではない。
  • ズームリングの動きは滑らかで、ズーミングでレンズは伸びる。フォーカスリングも滑らかに動く。
  • 解像力は17mmでは中央はF2.8からF8まで素晴らしい値(excellent)で、F11とF16ではとても良好な値(very good)だ。隅はF2.8からF5.6で素晴らしい値で、F8とF11ではとても良好な値だ。

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  • 24mmの解像力は中央はF2.8からF8まで素晴らしい値で、F11とF16ではとても良好な値だ。隅はF2.8からF5.6で素晴らしい値で、F8からF16ではとても良好な値だ。

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  • 35mmの解像力は中央はF2.8からF8まで素晴らしい値で、F11とF16ではとても良好な値だ。隅はF2.8ではとても良好な値で、F4からF8で素晴らしい値、F11からF16ではとても良好な値だ。

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  • 70mmの解像力は中央はF2.8ではとても良好な値、F4からF8では素晴らしい値で、F11とF16ではとても良好な値だ。隅はF2.8では甘く(soft)、F4からF16ではとても良好な値だ。このレンズの解像力はハイレベルで、望遠端でも良く維持されている。

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  • 倍率色収差は中央は良く補正されているが、隅ではやや目立ち、ズーム域によって変化する。色収差の問題が見られるのは明るい空を背景にした木の枝などの、条件の厳しい被写体だけだろう。
  • 歪曲は自動補正OFFで、17mmで-3.05%のタル型、24mmで+1.12%、35mmで+2.62%、70mmで+2.79%の糸巻き型になる。近接撮影のサンプルを見れば分かるように、このレンズは近距離では歪曲が非常に大きくなる。
  • ボケは滑らかでとても素敵だ。70mm開放付近の柔らかさもポートレートには有用だ。

  • 逆光耐性は一般的な使用では全く問題ないが、厳しい状況では、複数のゴーストが現れることがあり、コントラストも若干低下する。
  • 周辺光量落ちは、17mm開放で-2.1EV、24mm開放で-1.1EV、35mm開放で-0.8EV、70mm開放で-2.1EVで、ズームの両端を除けばズームとしてはかなり低い値だ。
  • 手ブレ補正は非常に有用で、4段分の効果を確認した。

  • タムロン17-70mm F/2.8の解像力は模範的で、通常ズームレンズが弱い望遠端でも解像力がよく維持されている。歪曲や色収差は、最良の結果を得るためには自動補正が必要だが、このレンズは全体的に優れた性能だ。APS-C用の小さなカメラとの組み合わせではハンドリングがよくないが、これはレンズの問題ではない。
  • 良い点:中央の素晴らしい解像力、隅の素晴らしい解像力、素敵なボケ、中央の色収差の補正、速く正確で静かなAF、防滴仕様、効果的な手ブレ補正。
  • 悪い点:カメラに比べてレンズが巨大、隅の色収差が目立つ(補正可能)、歪曲が目立つ(補正可能)。

 

タムロンの17-70mm F/2.8 は、望遠端の開放時だけは甘くなりますが、それ以外は高解像力で、F2.8通しで望遠端が70mmというスペックを考えると上手くまとまっているという印象です。望遠端でも1段絞れば解像力はピークに達するので、大きな問題はなさそうですね。

このレンズは他のサイトのレビューでボケのうるささが指摘されていましたが、ここではボケはかなりの高評価で、実際、ここのサンプルではボケはとても綺麗という印象です。

レンズのサイズに関しては小さなAPS-C機だとバランスが悪いようですが、これはレンズのスペックを考えると仕方のないところですね。