富士フイルム「GFX100S」は使いやすさの点で大きく前進

DPREVIEWに、富士フイルムのIBIS搭載のコンパクトな中判カメラ「GFX100S」の初期レビューが掲載されています。

Fujifilm GFX 100S initial review

  • 富士フイルムによると、IBISの追加はGFX 50Rのようなレンジファインダースタイルよりも一眼レフスタイルのボディの方が現実的だったとのことだ。しかし50Rに採用された多くの小型化の成果が100Sにも適用され、GFX 50Sよりもずっと小さいカメラになった。
  • GFX100Sの操作系のレイアウトはGFX 100と非常によく似ていて、肩液晶とGFX 100と同じ数のカスタムボタンを搭載している。
  • IBISは小型化されたにもかかわらず、最大6EVと従来のものよりも高性能だ。更に新しいIBISはレンズ内手ブレ補正と協調して、焦点距離が長いレンズでも同レベルの補正を維持可能だ。サンプルギャラリーで、実写でも比較的遅いシャッター速度で、一貫して高い解像力が得られているのが分かるだろう。

  • ピクセルシフトマルチショットは色再現と解像度の両方が向上するが、動体補正機能が無いので、完全な静物でしか使用できない。
  • 従来の4方向ジョイスティックに変わり、斜め方向の入力も可能な平らなコントロールナブが採用されている。ナブは出っ張っていないので誤操作の危険がなく、簡単にAF測距点の移動やメニューの操作ができる。
  • 新しいフィルムシミュレーション「ノスタルジックネガ」は、ハイライトが少し琥珀色になり、空がシアンがかり、赤が飽和し、影が濃くなるもう一つのレトロ画像の選択肢を提供している。効果は比較的軽いもので、過激な効果のインスタグラムフィルターとは棲み分けがされている。

  • バッテリーはX-T4と同じ小型のものだが、CIPA規格で460枚とかなり持つ。バッテリーライフを延ばすためのグリップは用意されない。
  • グリップは手にピタリとフィットするが、手が大きい人には、中指部分のくぼみが小さすぎるかもしれない。
  • GFX100からの小型化によって失われたものもあるが、大きな影響のあるものはない。たとえばバッテリーは大幅に小型化されたが、バッテリーライフはしっかりしていて、省電力モードを多用したり、パフォーマンスが落ちるなどということもない。

  • EVFはGFX100からのもう1つの主要なスペックダウンで、369万ドットの解像度はS1Rやα7R IVよりも少ないが、50MPのGFXシリーズのカメラと同じだ。しかし、富士フイルムは、他社のいくつかのカメラのように再生時にだけEVFの最高解像度を利用している(撮影時はEVFが低解像度モードになっている)のではなく、369万ドットの解像度を最大限に活用している。
  • GFX100Sには像面位相差AFが採用されているが、AFが速いレンズばかりではないので、フルサイズミラーレスレベルのAFレスポンスではない。しかし、AFのレスポンスの差はわずかだ。また、GFX100Sは撮って出しのJPEGの画質に優れ、IBISも搭載されているので使いやすさの点で大きく前進し、以前の中判カメラよりも幅広い状況に対応できるようになった。
  • GFX100では画質の恩恵だけでなく、最新のミラーレスカメラが提供する画質以外の全てのものが提供されているようだ。

fuji_gfx100s_50s_comp_001.jpg上の画像は左がGFX100、右がGFX 50Sで、GFX100はIBISを搭載しながら、ここまでボディを小型化しているのはすごいですね。バッテリーの小型化やEVFのグレードダウンの影響も大きくないようなので、GFX100Sは中判としてはかなり使い勝手の良さそうなカメラに仕上がっているという印象です。