ソニー「FE 35mm F1.4 GM」は解像力に全く弱点の無いレンズ

LensTipに、ソニーの新しい広角単焦点レンズ「FE 35mm F1.4 GM」のレビューが掲載されています。

Sony FE 35 mm f/1.4 GM

  • フォーカスリングはバイワイヤ(モーター駆動)で、回転角は回転の速さによって約120~150度だ。
  • 中央の解像力は、これまでの最高記録に近い結果で、とにかく見事だ。開放では66lmppを超えており、FE35mm F2.8は絞ってもそのレベルに到達しなかった。絞るとF2.8で78.9lpmmの達しF4で更に改善される。これはシグマ105mm F2.8 DG DNの持つ最高記録に迫る値だ。

  • 隅の解像力は開放で43.6lpmmと、良像の基準値(39-41lpmm)を超えており、文句はない。絞ると素早く改善し、F2.8からF5.6では56lpmmの非常に優れた解像力になる。解像力に関しては、このレンズは非常に素晴らしく全く弱点がない。拍手!

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  • 軸上色収差の補正は完全ではないが、それほど深刻なものではない。興味深いことに大きくボケている部分には概ね色は付かないが、焦点の近くではいくらか色が付く。1段絞れば軸上色収差は改善するが、目に見える状態のままだ。
  • 倍率色収差は0.02%前後で驚くほど良く補正されており、実写ではピクセル等倍で見ても全く分からないレベルだ。

  • 球面収差の補正には問題はなく、フォーカスシフトも見られない。
  • 歪曲は0.73%の非常に小さな値で、FE35mm F1.8の0.39%よりは少し悪いが、実写では気付かないはずだ。
  • コマ収差の補正はとにかく素晴らしく、開放でも画面隅のダイオードは円形をた維持している。拍手!
  • 非点収差はわずか1.4%で、無視できるレベルだ。

  • 玉ボケは非球面レンズを使用しているにもかかわらず、それを感じさせないもので、滑らかで非常に優れている。絞った時に輪郭が付くが、それほど強いものではない。口径食は目立つが、それは開放時のみで、F2では改善され、F2.8に完全に解消する。
  • 周辺光量落ちは、開放では66%(-3.08EV)の非常に大きな値で、F2でも50%(-2.00EV)と目立ち、F2.8で43%(-1.63EV)、F4で37%(-1.34EV)、F5.6以上はF4と同じで、絞ってもあまり改善しない。周辺光量落ちには、文句を言わざるを得ない。
  • 逆光耐性は比較的複雑な広角系にもかかわらず非常に優れており、ソニーの技術者はよい仕事をしている。逆光でもゴーストはほとんど見られず、コントラストの大きな低下も見られない。

  • AFはα7R II との組み合わせでは最短から無限遠まで0.8-0.9秒と速くないが、α7R IVとの組み合わせでは最短から無限遠まで0.5秒もかからず、非常に速くなる。これはFE35mm F1.8より少し速い結果だ。AF精度は、スタジオでも屋外でも問題はなかった。
  • このレンズについて多くを述べる必要はないと思う。レコードに迫る解像力など、多くの優れた点があり、欠点は1つ(周辺光量落ち)しかない。このレンズがエディターズチョイス賞に相応しい優れたレンズなのは間違いない。
  • 良い点:しっかりした防塵防滴の鏡筒、中央の驚きの画質、隅の良好な画質、倍率色収差が無視できる、球面収差の問題が見られない、歪曲が穏やか、コマ収差が非常に少ない、非点収差がほとんどゼロ、逆光耐性が優れている、ボケが非常に良好、静かで速いAF。
  • 悪い点:絞っても改善の少ない激しい周辺光量落ち。

 

ソニーの新しい35mmレンズは、F1.4の大口径にもかかわらず開放から画面全域で高画質で、絞ると驚くほどの高解像力ですね。ボケも非常に美しく、全体的に申し分のない性能という印象です。

また、コマ収差や非点収差が極めてよく抑えられているので、天体撮影にも良さそうなレンズですね。周辺光量落ちに関しては比較的コンパクトなレンズなので、ある程度妥協が必要かもしれません。

あと、DPReveiwで「リニア」と述べられていたフォーカスリングが、ここでは回す速さで回転角が変わると述べれているのが少々気になるところです。