Sony Alpha Blog に、ViltroxのAPS-Cミラーレス用の大口径標準単焦点レンズ「AF 33mm F1.4 STM」とシグマ「30mm F1.4 DC DN Contemporary」の比較レビューが掲載されています。
- 鏡筒は総金属製で、造りの品質は非常に良好だ。
- AFは速く性能は良好だ。作動音は小さいが、無音ではなく、動画に記録される場合もある。瞳AFとトラッキングは完璧に機能するが、全体的にAFはViltrox 56mm F1.4 STMよりも少し劣っている。フォーカスブリージングは見られないので動画に向いている。
- フォーカスリングは大きく、十分な重さがあり、とても使いやすい。
- 解像力は中央はF1.4だけは「良い(good)」だが、F2では「素晴らしい(excellent)」になる。隅はF1.4から既に「良い(good)」で、F4で「素晴らしい(excellent)」になる(※下記の表では、隅はF2.8からexcellentになっています)。開放時の解像力は若干期待はずれだが、それ以外は優れた性能で均一性も高い。
- ポートレートでは、肌の階調表現が非常に優れている。開放から良好な結果だが、F2に絞ると大きく改善する。
- 周辺光量落ちはF1.4では目立つが、F2.8前後で解消する。
- 歪曲は中程度の大きさの糸巻き型だ。
- 色収差は非常に目立つが、これは後処理で容易に修正できる。
- フレア耐性は平均的で、絞った時の光芒は良好だ。
- 玉ボケは良好で、F1.4では円形だが、F2では9角形になる。等倍で見ると玉ボケの境界に色収差が見られる場合がある。後ボケは非常に優れていて、煩雑な背景でもボケは柔らかい。
- 色再現は自然で非常に良好だ。少し暖色系でポートレートに向いている。
- 動画にはクリックレスの絞りリングが便利に使える。
シグマ 30mm F1.4 DC DN Contemporaryとの比較
- Viltroxはシグマより10%安価で、鏡筒の造りの品質が高く、クリックレスの絞りリングを搭載しているが、防塵防滴ではなく、最短撮影距離は40cmでシグマ(30cm)よりもずっと長い。
- 解像力はF1.4ではシグマがワンランク上で、それ以降はどちらのレンズもほぼ同じだ。F8とF11に絞り込んだ時の回折の影響はシグマの方が少ない。Viltroxとシグマの解像力は、いずれもツァイスTouit 32mm F1.8よりも遥かに優れている。
- 玉ボケと後ボケはどちらもほとんど同じだが、最短撮影距離が短い分、シグマの方がずっと大きなボケが得られる。
- 色再現はViltroxが優れており、暖色系でコントラストも適度だ。シグマが少し寒色で、コントラストが高すぎるので暗部を持ち上げないと暗部のディテールが見えない。
- ポートレートはViltroxがより自然な描写だ。シグマは開放では間違いなくシャープさで優っているが、F2に絞るとその差はわずかだ。どちらのレンズもポートレートのAFではいくらか問題があり、10~15%の画像は、わずかにピントを外していた。
- 歪曲はViltroxがシグマより少ない。
- 色収差はViltroxの弱点で、色収差が抑えられているシグマと比べると目立つ。
- 逆光耐性はシグマが少し優れている。
- AFはどちらも完璧ではなく精度は85%程度だ。AF速度は非常に速く、暗い場所でも機能する。どちらも少しAFを外したが、Viltroxの方が少しAFを外すことが多かった。
- 動画では、クリックレスの絞りリングを備えたViltroxが、絞りを変更する際にずっと滑らかだ。
- 結論:Viltrox 33mm F1.4 STMは画面全域で優れた解像力で、後ボケも非常に柔らかく、発色の優れており肌の階調も気持ちの良いものだ。このレンズはポートレートやストリートスナップに最適で、動画を良く撮るなら、クリックレスの絞りリングを使うのを楽しめる。
- どちらかを選択するなら、動画の撮影が多く暖色系の発色を重視するならViltrox、開放時の解像力重視でスチルメインならシグマだ。
Viltroxの33mm F1.4は開放ではシグマより少しソフトですが、絞ると申し分の無い高い解像力になりますね。ボケは柔らかく、温かみのある発色で、なかなか雰囲気のある描写をするレンズという印象です。
リーズナブルな価格で鏡筒のクオリティも高いので、コストパフォーマンスは抜群と言っていいかもしれません。ただ、最短撮影距離が長いのが少々残念ですね。
日陰坂45
56mmに続いて、こちらも良さげですね。
弱点は最短撮影距離と防塵防滴って所でしょうか。
アフターサービスがどうなの?とかの問題は有りますが、利点と欠点を天秤にかけると、自分はやっぱりViltroxかな?
自分はF2.8付近で性格が変わるこの種のレンズが好きですので、性能が安定していて個体差が少ないようでしたら、購入検討します(初期のSAMYANで酷い目にあっているので・・・)
英國紳士
Viltroxは注目に値するメーカーだと私も思います。
最初はマウントアダプターのメーカーとして参入し、まだ初期の頃はシグマのMC-11と比べてお世辞にもよいとは言えなかったが、4代目のEF-NEX IVくらいから遜色ないくらいの性能となり、それどころかMC-11では使えないレンズも使えたりしていた。
Eマウントは長い時間を費やして解析してきた自信があるのでしょう。それから満を持してAFレンズに参入してきたメーカーでした。
私もこの記事と同じ事をViltroxのレンズには感じており、実際にAF性能はスチルに関していえば純正よりも歩留まりが少し悪いものの充分に実用レベルであり、逆に動画に関しては純正を凌駕してるのでは?と感じます(FE 85mm f/1.8とViltrox 85mm f/1.8の比較)
ただ、Fuji用を見ると今現在の段階では特にスチルがもう一歩純正のAFについていけてないかな?という印象があります。
レンズ自体の性能も悪くない、むしろ良いと感じます。
私の様な一利用者としてはリーズナブルかつ性能もそこそこ良いというのは嬉しいですが、レンズメーカーからすると…うーん、あまり嬉しくないでしょうねぇ…
電卓
こうなってくると、今後出ると言われるフルサイズのレンズも気になってしまいますね。
味付け的には、技術的にそうなのか、それとも意図的なのかは分かりませんが、開放のシャープネスよりもボケを重視している設計を好んで採用している雰囲気ですね。
中国人はボケを好むようですし、収差を残して意図的にそうしているのであれば、末恐ろしいものを感じますね。