ソニー「α1」の動体AFは見事な性能だが鳥の追尾は苦手

Tnoy Northrup氏が、ソニー「α1」のレビュー動画を公開しています。

Sony a1 Hands-on Review: 30 FPS failure, 8k overheating & banding tested

  • EVFはタイムラグがほとんど無く、これまで使った中でベストのEVFだ。このEVFでは、速い動きの鳥を見失うことなく、連写しながら10秒以上追いかけることができた。このファインダーはα9やα9 II からでもアップグレードの価値がある。
  • グリップは良好な感触でα9よりも少し深く、小さすぎることはない。
  • モニタはチルト式で、横方向に動かないのは大きな欠点だ。
  • メニューはα7S III で改善されているが、それでもキヤノンほど良くはなく、あまり好みではない。

  • AFの動体追尾は、これまでのどのソニーのカメラよりも顕著に優れており、α7R IVやα9 II よりも被写体にずっと良く張り付く。キヤノンのEOS R5 / R6 のAFとは互角で、D500やD850の3Dトラッキングよりも優れている。動体追尾は見事だ。
  • 人間の瞳AFは他のソニー機も優れていたが、このカメラも優れている。動物の瞳AFは良好だが、鳥の瞳AFはあまり芳しく無く、鳥のサイズや色、背景の状況などによって瞳を認識したりしなかったりで信頼できない。EOS R5 / R6はサイキックパワー(超能力)で鳥の瞳に合焦するが、α1はそれほど優れていない。600mm F4での撮影ではミスショットが多かった。

  • 600mm F4と1.4倍、2倍のテレコンとの組み合わせでの鳥の撮影では、AFが迷うことが多かった。
  • 連写は確かに止まっている被写体では29~30コマ/秒の速さが得られた。これはどのカメラよりも速く、50MPであることを考えると驚異的だ。しかし、600mm F4とテレコンでの動体撮影では大幅に減少し、最高で19コマ/秒だった。EOS R5は2倍のテレコン使用時でも常に公証値の20コマ/秒で連写できる。また、α1は他社製のレンズでは連写速度が最高で15コマ/秒に下がるようにプログラムされている。

  • スチルのローリングシャッター効果は、高速でパンして撮影してもほとんど見られなかった(動画のローリングシャッターはまだテストしていない)。
  • これまでのソニー機のようにバッファーが一杯になって書き込みに時間がかかってしまうことはなく、バッファクリアは素早く、実に速いペースで高速連写の撮影を続けられる。
  • バッテリーライフは良好で、-7度の環境で数時間に渡って5500枚の撮影をしたが、終了後のバッテリーは69%で、スチル撮影時のバッテリーライフは抜群に優れている。8K動画では23分の撮影でバッテリーは17%で、少々バッテリーの減りが早い。
  • 8K動画はスタンダードモードで、警告が出るまでに15分で、16分でオーバーヒートした。ハイモードにすると、より高熱までシャットダウンしなくなり、バッテリーを3回取り替えながら、1時間20分撮影できた。

 

ソニーα1の動体追尾AFは驚くほどの性能のようですが、鳥の瞳AFは苦手のようで、被写体によって結構得手不得手があるようです。

また、連写は超望遠レンズとテレコンを使った動体撮影では、19コマ/秒まで低下するということなので、常に30コマ/秒出るわけではないようですね。サードパーティー製のレンズでは最高で15コマ/秒に抑えられるという仕様も気になるところです。

一方で、ローリングシャッター効果の少なさや、バッファクリアーの速さなどは大きく進化しているようで、動きモノ中心の人には、かなり魅力的なカメラになりそうです。