タムロン「17-28mm F/2.8 Di III RXD」は安価なレンズだが納得のいく性能

OpticalLimitsに、タムロンのEマウント用の広角ズーム「17-28mm F/2.8 Di III RXD」のレビューが掲載されています。

Tamron 17-28mm F/2.8 Di III RXD - Review / Test Report

  • 鏡筒はプラスチック製で、造りは28-75mm F/2.8と類似点が多く、プロ向けと言うよりコンシューマー向けのような感じがする。
  • 鏡筒の組み立ては高精度で、ガタツキは見られず、操作部も滑らかに動く。レンズの全長は一定だが、内側の鏡筒が少し動く。
  • AFはそれほど高速ではなくが、この種のレンズには十分な速さだ。フォーカシングはバイワイヤ(モーター駆動)で、かなり正確に動く。近接性能はこのクラスの多くのレンズよりも優れている。

  • 歪曲は自動補正有効時は、ほぼゼロだ。RAWでもミラーレス用のレンズとしては予想ほど悪くはなく、ズームの両端で歪曲は少し大きくなる(17mmで-1.82%のタル型、28mmで1.53%の糸巻き型)ものの穏やかなままだ。
  • 周辺光量落ちは、自動補正有効時は多くのケースで1EV前後と控えめで、よく補正されている。RAWでは17mm開放で3EVを超える値で、絞ると改善はするがF8でも1.7EVで素晴らしいとは言えない。望遠側では周辺光量落ちは改善するが、開放では引き続き大きい値だ(21mm開放で2.4EV、28mm開放で1.99EV)。

  • 解像力は広角端から中間域までは優れた性能で、28mm目当てでこのレンズを購入することは恐らくないので、これは良いことだ。17mmは開放から中央の解像力は素晴らしく、周辺部も非常に良好で称賛に値する。隅も許容範囲内だ。21mmの開放でも弱点はなく17mmよりも少し改善している。しかし、28mmでは状況が変わり、中央の解像力は高いまま維持されているが、周辺部はF2.8とF4では甘い。このレンズの像面の湾曲は極めて小さい。

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  • 倍率色収差は自動補正を使用すれば心配いらないが、RAWの開放時はピークで1.7ピクセルを超え、それほど良好ではない。絞ると倍率色収差はF4で改善が見られ、中程度の絞りで良好な結果が得られる。
  • 玉ボケは超広角ズームとしては、意外にもとても素敵な描写だ。玉ボケは画面周辺部でも円形を保っていて輪郭も弱いが、内部は若干うるさい。後ボケはコントラストの強い部分にハロが見られ、あまり感心しないが、多くの広角レンズはこの点で苦戦していることを念頭に置いて欲しい。

  • 17-28mm F/2.8 は若干の但し書きが付くものの、とても納得のいく性能だ。多くの広角ズーム同様に望遠端の画質で苦戦しているが、絞れば良好になる。歪曲は非常に良く補正されており、周辺光量落ちはこのクラスの他のレンズと同程度だ。造りは価格の割りにとても優れている。どのカテゴリでも際立った部分はないが、全体として堅実な性能のレンズで、重要なことは価格が安いことだ。

 

このレンズの光学性能の評価は3.3点(5点満点中)で、純正のFE16-35mm F2.8 GMが3点だったことを考えると、比較的安価なレンズにもかかわらず、非常に高い評価ですね。

解像力は広角端から中間域までは優秀で、望遠端は甘くなるものの、F5.6まで絞れば十分高い値になるので、問題はなさそうです。望遠端が28mmまででOKという人なら、このレンズが広角ズームの有力候補になりそうですね。