シグマ「24mm F3.5 DG DN Contemporary」は開放からほとんど完璧な性能

DUSTIN ABBOTTに、シグマの I series の広角単焦点レンズ「24mm F3.5 DG DN Contemporary」のレビューが掲載されています。

Sigma 24mm F3.5 DN Review

  • このレンズは全長50.8mm、重さ230gと非常に軽量コンパクトだ。このレンズはコンパクトでありながらプレミアムなレンズで、私はツァイスLoxiaシリーズのAF版だと考えている。
  • 鏡筒は総金属製で細部の造りにこだわっており、プレミアム感がある。また、ハンドリングも素晴らしい。I series のレンズの造りはArtシリーズよりも優れている。
  • このレンズは描写の良さと解像力のバランスを上手くとっていて、よく補正されているにもかかわらず、冷たく無味乾燥なレンズではなく、キャラクターを持ったレンズだ。少し期待はずれだった45mm f2.8 DG DNと同じような描写を予想していたので、このレンズの光学性能は嬉しい驚きだった。

  • フォーカスリングはバイワイヤ(電子式)だが、非常に良い感触で、シグマは昔ながらのフォーカスリングを上手くエミュレートしている。
  • 磁気式のレンズキャップはフードを付けた状態では、着脱が少々難しいので、フードなしで使っている人向きだ。
  • このレンズの強みの1つは、近接性能が1/2倍と信じられないほど高いことだが、最短ではセンサーから10.8cmの近さになり、フードすら使用できない。また、近接撮影時の焦点面は明らかに平面ではない(周囲がボケる)ので用途は制限される。それでもこの高倍率は非常に有用だ。

  • AFモーターはステッピングモーターで、静かで滑らかに動き、精度も高い。AFの迷いはほとんど見られず、フォーカスブリージングも最小限に抑えられている。瞳AFも問題なく機能する。
  • 歪曲は驚いたことに糸巻き型で、これは広角レンズでは珍しいことだ。歪曲は直線的なので、Lightroomの歪曲補正で完璧ではないが上手く補正できる。レンズプロファイルが登場すれば間違いなく更に上手く補正できるだろう。カメラ内補正は、現時点でも使用できる。
  • 周辺光量落ちは、開放で3~3.5EV程度で非常に強い。これは口径の小ささを考えると意外だが、鏡筒の小ささを考えれば驚くようなことではない。このレンズは歪曲は標準ズームよりもはるかに優秀だが、それは周辺光量落ちには当てはまらない。

  • このレンズは開放から画面全域でほぼ完璧な性能を発揮する。解像力とコントラストは画面全域で優れており、隅の倍率色収差も見られない。これは多くの標準ズームよりもシャープだが、シグマの24-70mm F2.8 DG DNと比べるとほとんど同じだ。
  • F4ではコントラストが向上し、F5.6では非常に豊富なディテールと高いコントラストを示している。F5.6とF8では、実に素晴らしい風景用レンズだ。
  • 軸上色収差は実写では高コントラストの被写体でも見られない。

  • 逆光では、どのテストでもゴーストは最小限で、コントラストの低下も見られず、とても感心した。
  • 暗いレンズなので天体写真に最高のレンズではないが、コマ収差は非常に良く抑えられている。
  • 24mm F3.5 DG DNは予想を上回る性能で、残念なのは強い周辺光量落ちだけだ。小口径のレンズは廉価レンズとして認識されることが多いが、このレンズは造りの品質と性能の両面でプレミアムレンズだ。小さい単焦点が必要で24mmが好みなら、このレンズが最適だろう。

  • よい点:美しく機能が豊富な鏡筒、防塵防滴構造、速く静かなAF、滑らかで静かな動画AF、近接性能が高い、優れた逆光耐性、色収差が適切に補正されている、コマ収差が少ない、開放から全域で優れた解像力とコントラスト、非常にコンパクト。
  • 悪い点:周辺光量落ちが非常に強い、開放が暗い、価格が少し高く思えるかもしれない。

 

シグマの24mm F3.5 DG DN は開放からシャープでコントラストが高く、逆光耐性にも優れていて申し分のない性能のレンズという印象です。この光学性能の高さに加えて、1/2倍まで寄れるので、かなり訴求力は高そうです。

ただ、周辺光量落ちはかなり目立つようで、唯一のウィークポイントと述べられていますが、これは鏡筒のサイズを考えると仕方ないところかもしれませんね。