キヤノンの積層型DPAF SPADセンサーの特許

Canon News で、キヤノンの積層型のDPAF SPAD(シングルフォトンアバランシェダイオード)センサーの特許が紹介されています。

Canon Patent Application: Stacked DPAF SPAD sensor

  • キヤノンはSPAD(シングルフォトンアバランシェダイオード)ピクセルを使った興味深いセンサーのいくつかの特許出願を公開している。

    通常のフォトダイオードのセンサーは光子を蓄えるのに対し、SPADは光子の数をカウントするのが両者の違いだ。光子の数のカウントによって、常軌を逸した低い光量での写真撮影が可能になる。

    SPADセンサーは、主にLiDARとTOFで使用され、スマートフォンのAFで活用されているが、スーマトフォン用のセンサーはAFに特化したセンサーで、通常、解像度がかなり低い。

    キヤノンの特許出願(特開2021-013147)では、積層型のDPAF SPADセンサーについて述べられている。このセンサーは(DPAFが搭載されているので)LiDIRまたはTOF目的ではない用途で使用されることを意味している。

    SPADでは各ピクセルに光子のカウンターが必要で、効率の悪い構造になってしまうので、キヤノンは積層化によって、下層にピクセルごとに比較器とカウンタを配置している。

    キヤノンがこのセンサーをどのような用途を考えているのか分からないが、DPAFを搭載したセンサーで、暗闇でも撮影できるようになれば、面白い応用ができるかもしれない。

    特許では、キヤノンはこのセンサーを搭載したデジタルカメラの実施例を記載しており、デュアルピクセルAFを搭載しているので、これはLiDIRではなく確かに撮像を目的としている。いずれにせよ、EOS R1へのこのセンサーの搭載は期待しない方がよい。

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特許では、このセンサーを撮像に使う方法が記載されているので、キヤノンはSPADセンサーをデジカメで使用することを考えているようです。この技術をデュアルピクセルAFと組み合わせているということは、レンズ交換式への応用もあるのでしょうか。将来、この技術によって、高感度性能が飛躍的に向上する可能性があるかもしれませんね。