LensTipに、ニコンのF4通しの広角ズーム「Z 14-30mm f/4 S」のレビューが掲載されています。
・Nikon Nikkor Z 14-30 mm f/4 S - Lens review
- フォーカスリングはバイワイヤ(モーター駆動)で、回転角はリングを回す速度に依存する。最短から無限遠までにリングを速く回すと回転角は180度を超え、ゆっくり回すと90度以下になるが、どちらの場合でも非常に正確なピント合わせができる。
- 中央の解像力は広角端では非常に高く(F4で約59lpmm、良像の基準は42~44lpmm)、F5.6に絞ると60lpmmを明確に超える。ズーム中間域でも開放で50lpmmを超える良好なレベルで、絞ると60lpmmに迫る文句のない性能だ。望遠端は開放では良像の基準ギリギリにしかならないが、幸いなことに絞ると急速に改善し、60lpmmに近い値になる。中央の解像力は非常に満足だ。
- 隅の解像力も広角端が最も高いが、良像を得るには少し絞る必要がある。F5.6では50lpmmに達しかなり良好になる。F5.6~F11で使えば画面全域で高画質が得られる。中間域は若干広角端より弱いが、同じ傾向だ。望遠端は最も弱いが、F11に絞れば全域で鮮明な画質が得られるのが救いだ。30mmは一種のおまけであると覚えておいた方がよい。
- 軸上色収差は、ボケの部分の色付きはごくわずかで、実写ではほとんど分からない。
- 倍率色収差は、望遠端では問題は全くないが、中間域では中程度の値になり、広角端ではあまり芳しくない結果だ。広角端の開放付近では色収差は高いレベルで、絞り込むと「高い」と「中程度」の境界線上になる。
- フォーカスシフトは、軸上色収差のテスト画像でF4からF5.6に絞ると、わずかに遠方にピントが動くことがわかるが、フォーカスシフトに気付くのは、深度の浅い望遠端で近距離で撮影したときだけだ。
- 歪曲の補正はカメラ側でOFFにできず、これはレンズ設計者が歪曲の光学補正をあきらめていることを示唆している。自動補正有効時の歪曲は14mmでは-2.84%のタル型で比較的目立ち、30mmでは+1.60%の糸巻き型になる。未補正のRAWでは14mmで-7.04%の大きなタル型で、16mmでも-3.61%だ。20mmでは+1.22%の糸巻き型で、24mmでは+3.00%、30mmでは+3.72%に達する。
- コマ収差は広角端でわずかに見られ、中間域から望遠側では少し大きくなるが、深刻な問題ではない。
- 非点収差は平均で19.3%の大きな値で、望遠端では24.5%の非常に高い値になる。このレンズの望遠端の画質に関する問題は、大きな非点収差に関連している。
- 玉ボケはパーフェクトではないが、この種のレンズに完璧な玉ボケを期待するのはバカげているだろう。玉ボケには少し年輪ボケが見られる。興味深いことに、望遠端では開放から口径食が発生しない。
- 周辺光量落ちは、自動補正有効時は14mm開放では51%(-2.06EV)、30mm開放では34%(-1.21EV)だ。未補正では14mm開放で70%(-3.48EV)の巨大な値で、F16まで絞っても50%(-2.01EV)でかなり目立つ。望遠端の開放では38%(-1.39EV)だ。
- 逆光耐性は非常に優秀で、フレアを出すことはできるが、そのような状況になることはほとんどない。ゴーストが現れても面積は小さく、強烈なものではない。ここでは良い仕事をした!
- AFはほとんど無音で、速度も最短から無限遠まで0.3秒と非常に速い。AF精度はスタジオでも屋外でもミスはなく問題はないが、望遠端の近距離ではわずかに後ピンの傾向があった(被写界深度内には収まっていた)。
- このレンズは際立ったテスト結果ではないが、レンズのサイズや画角を考えると、記録を破るような性能を出すのは不可能だ。このレンズの全体的な評価は肯定的なもので、14mm~22mmの範囲では画面全域で鮮明だ。隅の画質と非点収差と倍率色収差はもう少し良好な性能を期待していた。それでも、このレンズは使って楽しめるレンズで、非常に好ましい旅の友であるという事実は変わらない。
- 良い点:均整の取れた使い勝手の良い鏡筒、中央の良好な画質、軸上色収差が穏やか、コマ収差に大きな問題がない、逆光耐性が優れている、静かで速く正確なAF。
- 悪い点:未補正では歪曲に大きな問題あり、周辺光量落ちが極めて大きい、望遠端の隅の画質が弱い、非点収差が非常に大きい、14mmの倍率色収差が少々大きすぎる。
14-30mm f/4 S は望遠端の隅の解像力や、周辺光量落ちなどいくつかのウィークポイントはあるようですが、14mmスタートにもかかわらずコンパクトなサイズで、フィルターも装着できることを考えると、十分以上の性能という印象です。
歪曲の大きさに関しては、自動補正を前提にしないとこのサイズは実現できないと思うので、仕方がないところかもしれません。逆光に非常に強いのは、ポイントが高いですね。
たいたー
nikonのZレンズは巨大なイメージですが、ズームレンズはどれも一眼レフ時代より小さくて高性能ですね。
このレンズは広角好きにはたまらないレンズです。
treaty
未補正の歪曲収差が14mmで-7.04%なのは驚きですが、あのサイズであの解像感、そして便利な焦点距離のことを考えると、デジタル補正をうまく使ったレンズだと思います。さすがニコン。
しの
この14-30/4 Sも含めて、Zマウントレンズは性能も取り回しもFマウントレンズより相当に進化してるんですけどね…なぜボディは…
ノラ
今のニコンに大事なのは、こういう買いやすくて使いやすい商品と思います。
S
Sigma 14-24mm dg dnと同一価格帯で歪み、解像感やf値含む明るさはSigmaが優位にいますが、サイズ感や円形フィルターをつけられる点はかなりすごいですよね。
超広角って事を考えると記事通りなら十分な性能ですね。
星を撮るには物足りないですけどZ使いなら14-24mmを買えない人には良い選択ですね。
simok
Z6を1年ほど使って、1月からZ6Ⅱを使い始めました。
変わった部分、変わらなかった部分の差が楽しい。 全体的に確実に良くなっていますね。
ヒコーキ撮っていますが、このカメラのメリットは大きいので、その力を引き出すのに注力しています。
広角気味は高画素機の方がいいと思ってD850を使っていましたが、このZ14-30を手に入れてからは、Z6であってもこちらの方が撮れる絵が楽しいです。 歪みも逆光も色合いも全て上質です。
この軽さ、小ささも相当メリットですね。 PLフィルターが普通に使えるのも凄く助かります。
ただし星を撮る方は、露光時間の関係でf4はキツイと思います。 Z20f1.8か、Z14-24f2.8ですね。
Zは未だ望遠系ラインナップが揃っていませんが、100-400、200-600で早く撮りたくてたまらないです。
広角の凄さも味わったから、望遠が待ち遠しい。
次のボディも開発中と聞いていますし、Zワールド応援しています。
め
このレンズかなりAF速いんですよね。
Nikon ZはイメージでAFが遅いと言われがちですが。
ちばちゃん
Zレンズはどれもいいですね。
ボディは・・・と言われますが、素人が使う分には困ることはないです。野鳥も撮れてますし(Zの超望遠が出るとAF良くなるのでは?)超望遠、マクロ、DXレンズ辺りが出てくるとそこそこ売れるんじゃないですかね。頑張って欲しいです。