ソニー「FE 40mm F2.5 G」はまとまりの良い高性能なレンズだが価格が高すぎる

LensTipに、ソニーの新しいコンパクトな準広角単焦点レンズ「FE 40mm F2.5 G」のレビューが掲載されています。

Lens review Sony FE 40 mm f/2.5 G

  • 40mm F2.5 はコンパクトで持ち運びしやすいレンズであると宣伝されているが、サイズはAマウントの古い50mm F1.4とほぼ同じサイズで、最近のミラーレス用の巨大レンズと比較すればコンパクトなのは事実だが、それほど小さいレンズではない。
  • フォーカスリングは電子式で、最短から無限遠までの回転角は回す速さにもよるが140度前後で、正確なピント合わせが可能だ。

  • 中央の解像力は開放で既に65lpmmに達し、絞ると75lpmmを超える値で称賛に値する(良像の基準値は39~41lpmm)。この性能はBatis 2/40やシグマ35mm F2 DG DN(いずれもピークで77lpmmを少し超える)には及ばないが、それでも非常に良好だ。
  • 隅の解像力は小型化による妥協が見られ、F2.5からF2.8では良像の基準値を少し下回るが、F3.5まで絞れば問題はなくなり、F5からF9までは非常に良好なレベルになる。このレンズはほぼ画面全域でシャープだが、開放時の隅にわずかに妥協が見られる。しかし、それは小型化のための価値のある代償だ。

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  • 軸上色収差は問題があり、低分散レンズが使用されていないことが感じ取れる。
  • 倍率色収差は開放で最も大きくなるが、それでも「低い」レベルのままだ。F4以上に絞ると倍率色収差は無視できるレベルまで減少し、実写で色ズレに気付く可能性はほぼゼロだ。
  • 球面収差は、前ボケと後ボケはわずかに異なるが、違いは大きくはなく、球面収差の補正に大きな問題はない。フォーカスシフトも見られない。

  • 歪曲は自動補正有効時には-0.03%で実質的にゼロだ。未補正では-1.44%のタル型で、歪みには気付くものの大きな値ではない。これは一昔前の一眼レフ用の35~50mmレンズで一般的な値だ。
  • このレンズは歪曲がそれほど大きくないにもかかわらず、歪曲の自動補正を無効に設定しても自動補正がかかったままで、これは許容できない。これは個人的に残念な仕様だ。
  • コマ収差の補正は、妥協が見られると予想していたが、非常に良く補正されており、嬉しい驚きだ。画面の隅でも、ダイオードの点の変形には気付かないだろう。
  • 非点収差は6.0%の小さな値で、ここでも妥協は見られない。

  • 玉ボケは良好だが、年輪ボケは目につく。口径食はF2.5では非常に目立つが、2段絞れば完全に解消する。
  • 周辺光量落ちは、歪曲と異なり自動補正を無効にできる。周辺光量落ちは開放で55%(-2.32EV)でかなり大きい値だが、正直言ってもっと大きいと予想していた。ツァイス35mm F2.8は58%、サムヤン35mm F2.8は63%で、ソニー40mm F2.5はこれらより少し良好だ。
  • 逆光耐性は優れていて、フレアやゴーストを出すのは難しく、逆光でもコントラストは適切に維持されている。しかし、50mm F1.2 GM同様に隅のすぐ外側に太陽があると、非常に明るい白いゴーストが現れることがある。しかし、幸いゴーストのサイズは小さい。
  • AFは作動音は無く非常に高速で、最短から無限遠までは0.4~0.5秒だ。AFはスタジオでも屋外でも良好に機能し、フォーカスミスは2~3%以下とわずかだった。

  • 良い点と悪い点のリストを見れば、よくまとまったしっかりした造りの高性能なレンズであることが分かる。光学性能やメカの造りで大きな問題はなく、このレンズを購入して、がっかりすることはないだろう。
  • 適度の明るさでコンパクトなレンズが成功する条件は手頃な価格で、700ユーロの価格は高すぎる。このレンズが人気レンズになるかどうかに関して言えば、価格が大きなウィークポイントになる可能性があるだろう。

  • 良い点:しっかりとした防塵防滴構造、中央の優れた画質、倍率色収差がわずか、球面収差の問題が見られない、歪曲が穏やか、適切に補正されたコマ収差、非点収差がわずか、優れた逆光耐性、速く静かで正確なAF。
  • 悪い点:軸上色収差に少し問題あり、フルサイズの周辺光量落ち、法外な価格。

 

FE 40mm F2.5 G は開放では隅は若干甘いようですが、コンパクトな設計のレンズとしては妥協点が目立たないように上手くまとまっているという印象です。各種収差も良く補正されていますが、EDレンズが使用されていないためか、軸上色収差が少し気になりますね。

価格に関しては「法外」というかなり厳しい評価ですが、実際の市場の反応がどうなのか興味深いところです。