パナソニックはフルサイズとm4/3の両方の製品ラインナップを強化していく

DPReview に、パナソニックのイメージングビジネスユニット長の山根洋介氏のインタビューが掲載されています。

Panasonic Interview: 'We will strengthen both full frame and M43'

  • (最近はフルサイズに注力しているがm4/3の将来は?)
    フルサイズとm4/3の両方の製品ラインナップを強化する。m4/3には幅広い用途があり、多くのクリエイターが新しいm4/3製品に大きな期待を寄せているので、今後もm4/3のラインナップを充実させていく。

  • (レンズ開発でフルサイズとm4/3のリソースの割当は?)
    Sシリーズ発売以降、レンズラインナップの早期の充実を最優先にフルサイズのレンズの開発に注力してきた。今後は、m4/3もフルサイズも、クリエイターのニーズにあった更なるレンズを開発していく予定だ。

  • (他社の像面位相差AFとの競争力を高めるためにDFDの改善を行っているか?)
    S5ではニーズとフィードバックを基にDFDを更に進化させ、市場から好評を得ているが、AFに関しては改善が必要な課題がまだあることを認識している。現在、新しいハードによる処理能力の向上や、新しいソフトウェアアルゴリズムによる精度向上など、更なるAFの改善を検討している。

  • (m4/3はセンサーの読み出し速度でフルサイズに対してアドバンテージはあるのか?)
    m4/3はフルサイズセンサーと比べて、読み出しが速く消費電力が少ない。これがm4/3が動画機能で一歩先に行くことができた理由の一つだ。読み出し速度が速いほど、連写性能、ローリンがシャッター歪、AF性能が改善する可能性が高くなる。今後もm4/3の高速読み出しを活用し、ユーザーに喜ばれる魅力的な製品を造りたい。

  • (動画の記録でCFexpressと外部デバイスのSSDへの記録ではどちらが理に適っているか?)
    機動性では内部収録のCFexpressだが、CFexpressは書き込み時の消費電力が大きく、スチルでは問題ないが、動画では発熱で撮影時間の制限が懸念される。外部SSDへの記録は内部収録で発生する熱問題への解決策の一つだ。ただ、外部収録は機材が大掛かりになるので、CFexpressのようなカメラ内ストレージが理想的だと考えている。将来的にはCFexpresの低消費電力化の革新が起きることに期待している。

  • (最近のカメラ市場の動向は?)
    コンパクトカメラ市場は縮小しているが、一方で、ミラーレスカメラ市場は、特に動画やライブ配信を中心に着実に拡大している。これに対応するため、フルサイズとm4/3の両方を強化していく。

  • (スマートフォンユーザーの若い顧客にカメラをどのように届けるのか?)
    カメラとスマートフォンの親和性を高めることで、若い人にもカメラを手にとってもらいたいと考えている。将来のカメラ市場存続の秘訣は、多様化するニーズに迅速に対応することだ。

  • (S1とS1Rはどのように受け入れられた?)
    市場では性能、操作性、堅牢性がプロのツールとして高く評価されている。画質では色再現が特に高く評価されている。一方で、AF性能の改善を求める声も多くよせられた。AFトラッキングに関しては、新ファームで改善した。

  • (パナソニック機は市場で最も大きく頑丈なミラーレスカメラを造ってるが、これがライバルとの主要な差別化要因になっていると思うか?)
    プロ向けのSシリーズと他社機との大きな違いの一つは、動画の連続撮影などに代表される堅牢性と耐久性だ。また、手ブレ補正の精度やシャッターの精度にも力を入れている。更に、ユーザーインターフェースは多くのプロへの聞き取りを経て作成されたため、使い勝手に優れている。

 

ここ最近は、パナソニックはフルサイズに注力してきましたが、今後はフルサイズとm4/3の両方に力を入れていくということなので、m4/3の新製品の登場にも期待できそうです。

パナソニックの現時点の最大の課題はAFのようですが、これは引き続きDFD改善する方向で進めていくことになりそうですね。

ミラーレスカメラ市場の動向に関しては、特に動画やライブ配信の需要が拡大しているということなので、引き続き動画機能重視の傾向が続きそうです。