シグマ「fp L」はクロップ倍率でAFやダイナミックレンジなどの性能が変化

CineDの、シグマ「fp L」のレビューに動画のクロップ倍率による性能の変化や、外付けEVFのインプレなどのいくつかの興味深い情報が掲載されています。

シグマfp Lレビュー

クロップファクターについて

  • テストを実施する前に、シグマの若松氏に連絡して、カメラの最適な設定(ISO、フレームレート、解像度など)を尋ねた。そしてx1.24クロップに設定するようにという返答だった。 (これにより、APS-Hセンサーサイズに近くなる)。

    若松氏との会話の中で、このカメラの画像パイプラインはかなり複雑だということが分かった。つまり、次のようなことだ。

    「ハイブリッドAF」は、クロップファクターに応じて、カメラはコントラストベースまたは位相検出AFモードで動作するかどうかを「決定」する。解像度もクロップ値により異なる。さらにクロップファクターはダイナミックレンジにも影響を与える。今のところ、各条件でのクロップファクターを以下に示す。

    - 最高の解像度を得るには、x1.3 - 2.48
    - 位相差AFの場合、x1.0とx1.53
    - 最高のダイナミックレンジを得るには、x1.24

EVF-11について

  • 優位点:高い解像度、ゴーストなし、視度調整可能、ヘッドホン出力(HDMI経由の音声を3.5mmジャックから出力)、USB-C出力(SSDも直接記録する機能を確保)。

  • 改善が望まれる点:
    - EVFにHDMI出力がなく、EVF装着時にProRes RAWやBRAWを外部モニターレコーダーに記録できない。Cinema DNGでのみ内部記録できる。
    - アイセンサーがなく、ボタンで切り替えるが、場合によっては「カチッ」という音が記録されてしまう。
    - EVF使用時に、コールドシューアタッチメントなどの追加のアクセサリーの取り付けができなくなる。
    - EVFを回転させるときの動きが柔らかすぎて、目を当てると動いてしまう場合がある。

まとめ

  • 推奨されるクロップファクターでのAFパフォーマンスはかなり良くなっているが、改善を望まれるところもある。
  • オーディオは非常にクリーンで、Cinema DNGで撮影すると、8ビットでも非常に美しい映像が記録できる。
  • 次期モデルではIBISの搭載を検討してほしい。
  • EVFに関して言えば、安価ではなく、RAW出力ができなくなるデメリットはあるが、非常に有用なものであることは疑いない。

 

シグマfp Lは、動画撮影時のクロップ倍率で、AF性能(位相差AFの有無)や解像力、ダイナミックレンジなどの特性が変化するようなので、どのクロップ倍率の動画モードを選択するかで結果がかなり変わってきそうですね。

外付けEVFに関しては、HDMI経由で外部レコーダーが接続できなくなってしまうことや、切り替えのスイッチ音が入ってしまうなどの欠点があるようですが、スチルメインで使用する場合は問題はなさそうです。