Viltrox「AF 24mm F1.8 STM FE」は妥協点もあるが非常に優れたレンズ

Dustin Abbotに、ViltroxのEマウント用の広角単焦点レンズ「AF 24mm F1.8 STM FE」のレビューが掲載されています。

Viltrox AF 24mm F1.8 STM FE Review

  • Viltroxの新しい24mm F1.8は2年前の登場した同社の広角レンズから大幅な進化を遂げており、重さは775gから340gになり、絞りリングや電子接点が付き、優秀なAFも搭載されている。高品質レンズのような感触だが、唯一気になるのは防塵防滴ではないことだ。
  • 搭載されているUSBポートはMicro-USBからUSB-Cにアップグレードされており、ファームウエアの更新が簡単にできる。これはViltroxの利点だ。
  • このレンズはシグマ24mm F3.5 DG DNほど小型軽量ではないが、2段分明るいのは大きい。

  • フォーカスリングは十分な重さがあり、開発者は実に良い仕事をしている。バイワイヤとしては、このフォーカスリングは非プレミアムレンズでは屈指の出来だ。
  • AFモーターはわずかにノイズがあるが、静かな場所でもほとんど聞こえない程度だ。AFは正確で滑らかに動き、瞳AFも正常に動作する。AFに関してはは否定的な部分は特に無く、Viltroxがこれほど早く優れたAFを実現できたのは素晴らしいことだ。
  • フォーカスブリージングは少なく問題はない。

  • フードは、APS-CのF1.4のレンズシリーズの金属製フードとは異なり、プラスチック製でかなり安っぽい。
  • 絞りは9枚羽根の円形絞りだ。Viltroxの絞り羽根は少し偏ってると良く言われるが、残念ながらこのレンズにもそれは当てはまり、F5.6まで絞ると開口部分の形状がやや偏っていることが分かる。
  • 玉ボケは絞ると完全な円形にはならない。24mmレンズでは玉ボケはそれほど問題ではないが、これは引き続きViltroxが改善する必要のある課題だ。

  • 最大撮影倍率は0.10倍で、シグマ24mm F3.5の0.5倍やソニーFE24mm F1.4の0.17倍に遠く及ばない。しかし、近接撮影では倍率は高くないが、開放からコントラストが高くディテールも豊富だ。
  • 歪曲はそれほど強くはないが、複雑な陣笠状で、補正プロファイルなしで手動で修正するのは困難だが、幸いACRの補正プロファイルの準備は既にできていて良好に機能した。
  • Viltroxはカメラ内の自動補正には対応しておらず、RAWで撮影する人は問題ないが、JPEGを使う人はがっかりするだろう。

  • 周辺光量落ちは隅で約3.5EVとかなり激しく、後処理で補正が必要になる。
  • 解像力チャートからは中央は特に素晴らしいことが分かる。周辺部から隅は同程度だ。コントラストはそれほど際立っているわけではないが、F1.8の広角としてはしっかりしている。
  • 広角レンズでは弱点になることが多い倍率色収差はほとんど目立たず、これは素晴らしいニュースだ。

  • 絞った時の画質はF1.8とF2ではほとんど変わらないが、F2.8でコントラストが大幅に改善され、細部のディテールが少し増す。隅の画質もかなり良くなる。F4まで絞ると全域で優れた画質になり、F5.6とF8では更にもう少し改善する。このレンズは風景でよく使う絞り値で実に優れている。
  • シグマ24mm F3.5 DG DNとの画質の比較では、シグマがほとんどケースでコントラストが少し優れ若干好ましい結果だった。しかし、同じ24mmでも画角は明らかにViltroxが広い。
  • 逆光では太陽の近くに小さなゴーストが見られ、コントラスも少し低下するが、他の場所にはゴーストは見られず、逆光耐性はかなり良好だ。絞り込んだ時の光芒はトップクラスではないがかなり優れている。

  • 天体撮影は開放では星にパーフリンジが見られ、隅にコマ収差も見られるが、F2.8ではどちらも大きく改善する。開放ではそれほど優れているわけではないが、天体用にも役立つレンズだ。
  • Viltroxのレンズは着実に改善されており、ソニーのFE24mm F1.4 GMにはどの分野でも及ばないものの、3分の一の価格でGMに近いことができるプアマンズGMのような存在だ。Viltroxにはいくつか妥協している点もあるが、非常に優れた結果が得られるレンズだ。

 

ViltroxはAFレンズの歴史は浅いにもかかわらず、このAFの完成度の高さは見事ですね。鏡筒の造りも良く、画質もレンズの価格を考えれば十分以上のもので、これで4万円台ならコストパフォーマンスは抜群という印象です。