LensTip に、シグマ I seriesのEマウント/Lマウント用の広角単焦点レンズ「24mm F3.5 DG DN Contemporary」のレビューが掲載されています。
・LENS REVIEW Sigma C 24 mm f/3.5 DG DN
- 鏡筒は総金属製で、このスペックのレンズとしては比較的重い。絞りリングはエルゴノミクスに優れている。フォーカスリングの回転角は200度を大きく超えており、非常に正確なピント合わせができる。
- 中央の解像力は開放で53lpmm(良像の基準値は39~41lpmm)の良好な結果で不満はない。24mm F2.8クラスのライバルとの比較では、シグマはサムヤンよりは優れているがタムロンやソニーには負けている。
- 隅の解像力は開放では良像の基準値の境界線上だが、絞ると完全に許容範囲内になるので心配はない。このレンズの解像力はライバルよりも若干劣っているが、これは主に開放が暗いことに起因している(絞るとすぐに回折の影響がでるため)。
- 軸上色収差は、開放でごくわずかにボケに色が付くが、絞るとすぐに解消するので問題はない。
- 倍率色収差は、開放時にAPS-Cの隅の付近で「低い」と「中程度」の境界線上に近付くが、大きな問題はなく、全体としてはサムヤンやソニーの24mm F2.8よりも優れている。ここではシグマよりも優れていたのはタムロンだけだ。
- 球面収差の補正には大きな問題は見られず、フォーカスシフトも目立たない。
- 歪曲は24mmのレンズではタル型のことが多いが、このレンズは驚いたことに+1.40%のはっきりとした糸巻き型だ。しかし、歪曲は強くはないので不満はない。タムロンとソニーの24mm F2.8は歪曲の光学補正を諦めていて、どちらも非常に大きなタル型の歪曲となっている。
- コマ収差はフルサイズの隅では点像の変形に気が付くが、それほど強くはなく、1段絞れば大幅に改善する。このカテゴリでは、ライバルも全て良好でそれほど差はない。
- 非点収差は2.6%の非常に低い値で、ライバル達よりも優れており全く不満はない。
- 玉ボケはまずまず良好に見えるが、それ以上のものではない。年輪ボケは見られるが、1段絞ると口径食が既に解消しているのが救いだ。
- 周辺光量落ちは、フルサイズの隅では70%(-3.46EV)の非常に大きな値で、ソニーとタムロンの24mm F2.8よりも劣るが、サムヤン24mm F2.8よりは良好だ。絞った時の周辺光量落ちの改善は、F5.6で61%(-2.76EV)、F8で57%(-2.47EV)、F11で53%(-2.19EV)と一貫して遅い。
- 逆光耐性は比較的優れているが、唯一煩わしいのは、光源の反対側に緑色の弧を描くようなゴーストが現れることだ。幸いゴーストはそれほど強いものではなく、そのような条件でもコントラストは適切に維持されている。シグマの逆光耐性はソニーよりも劣っているが、タムロンより若干優れており、サムヤンより顕著に優れている。
- AFは最短から無限遠まで0.3~0.5秒で、これは最短撮影距離がわずか0.108mであることを考えると非常に速い。シグマのAFは、瞳のトラッキングAFにも対応している。合焦ミスはスタジオでも屋外でも全く見られなかった。
- 結論:単焦点はズーム以上の明るさが欲しいので、24mmでは少なくともF2.5の明るさが欲しい。F2.8より暗い場合は、非常に小さいか安い必要があると思う。シグマのコンセプトは理解しているが、それでもこのレンズは少々暗すぎで、550ドルを払うなら、より安価なタムロンやサムヤンを検討する可能性が高いと思う。それでも、このレンズは失敗ではなく、隅の解像力や歪曲、非点収差などの多くのカテゴリでより高価なソニーを打ち負かしており、手に入れればその性能に満足できることを確信している。
- 良い点:頑丈で防塵防滴構造、中央の非常に優れた画質、隅のまずまずの画質、軸上色収差が非常によく補正されている、倍率色収差がわずか、球面収差の問題が見られない、ライバルより歪曲が良く補正されている、非点収差が非常に少ない、逆光耐性がまずまず良好、速く静かで正確なAF。
- 悪い点:フルサイズでは周辺光量落ちが極めて目立つ。
シグマの24mm F3.5は、解像力は際立って高いわけではないようですが、開放から隅まで十分な解像力で、絞りにかかわらず安定して高画質が得られるレンズという印象です。
また、色収差や歪曲、非点収差などの収差が良く抑えられていて、全体的にバランス良くまとまっていますね。周辺光量落ちに関しては、コンパクトなレンズなので仕方のないところでしょうか。あと、最大撮影倍率が1/2倍と非常に優れているのはポイントが高いですね。
Oort
個人的には暗いレンズなら、安い、暗い、薄いのパンケーキレンズが欲しいです。24,35,50mmが嬉しいです。ef40mmf2.8のようなパンケーキレンズはフルサイズミラーレスでは難しいでしょうか。
CR
この時代にF3.5の単焦点を発売することは、ある意味、挑戦だと思います。一眼レフ用に光学性能重視で重量級のARTを出していた2010年代はフルサイズ=高画質であり、重量級レンズが許容されましたが、2020年代はフルサイズミラーレスが普通になり(デジカメが20年かけてフィルム時代に戻った)、軽量コンパクトが求められるようになったわけで、F3.5の単焦点レンズはシグマからのメッセージとも受け止めることができます。
しゅう
Contemporaryラインなので性能はこんな物だと思いますが、結論に書かれているようにやはり少し高く感じます。
I seriesは「所有する喜びを追求する」と謳っていますが、「性能の割には高い」になりかねないチャレンジですね。
ゲンゾウ
ミラーレスになり何故かレンズは大きくなってしまいました。レンズを語る時にボケが重要視されるからだと思いますが、パンフォーカスでしか撮らない私にとっては正直あまり関心のないところでした。感度を自在に設定できるようになった今こそ暗くて小さくてよく写るレンズが評価されるべきであると思います。私にとって小型軽量は重要視するスペックのうちの上位に入ります。この流れが続いていくことを願います。
蓮
これはこれでいいと思います。
これ以上望むのは良くないでしょう。
値段も上がるでしょうし…
to
スペック優先なら画質に妥協してF2.8に、サイズに妥協してF1.8を作ることはできたでしょう。ただしスペックだけを追求すると各社似たようなレンズばかりになるので、シグマのように趣味性が高いレンズが選択肢として用意されるのはありがたいです。
しゅう
少し補足を。
金属外装の作りの価値もわかるんですが、性能よりもそちらを優先する層がどの程度潜在しているのか、シグマも手探りの中で製品化していると思うんですよね。
もちろん勝算があるから製品化したのでしょうが、個人的にはこの24mm F3.5 に限って言えば、「エンプラで軽量安価」や「もうちょっと高性能」の方が魅力を感じたかも?と思ってしまいました。
ガトー
3,5 確かに暗いとは思うけどハーフマクロだし24mmでそんなに開けるって事も無いので充分だと思っています まだ買ってないけど買います
えび天
「レンズの解像力はライバルより若干劣っている」
価格がそこまで高くないからというのもあるかとは思いますが
開放F値を抑えて無理のない設計にすれば高解像力のレンズになる
というのをネット上で度々見かけましたが、そうでもないという事でしょうか。
YKCN
fpLに付けっぱなしですが、めちゃいいですよ。
クロップズームと合わせて使いやすいです。
24mm単の肌感覚を鍛えたくなります。
甘党
こういうレンズもあって良いと思います。
高級感のあるオール金属製の鏡筒は所有欲を満たしてくれ、写真を撮りに行きたい気持ちも高めてくれますし。
優等生なレンズを作ると、結局みんな同じようなレンズばかりが出来上がってツマラナイですし、個性的なレンズは個人的に歓迎です。
BenBen
ネットの意見では「暗くても良いから良く映るレンズが欲しい」というコメントを良く見かけますが、シグマさんならやると思ってましたが、実際には売れないと思う。特に「F3.5」ならば最低でも「パンケーキ型」でないと、自分が購入する理由(説得力)に欠けると思うのです。僕も一般的な筒状のレンズ型で買うならば最低でも単焦点は「F2」が最低基準です。