ニコン「Z 9」はZマウントシステムのフラッグシップ機で動画とスチルをシームレスに撮影できる製品になる

GetNaviWebに、ニコンの映像事業部企画部長とニコンイメージングのマーケティング本部長のインタビューが掲載されています。

ニコンの見る「映像とカメラの未来」

  • (開発発表された「Z 9」は、どのような位置付けの製品なのか?)
    "9″は一桁で最大の数字となるが、これを冠したZ 9はZマウントシステムにおいてのフラッグシップ機、つまり最高機種の位置づけとなるモデルだ。プロやアマチュアの方を問わず、その映像表現というゴールに向けて静止画と動画を区別せず、シームレスに撮影できる製品となっている。

  • (Zマウントシステムでユーザーからの評価が高い点は?)
    多くの方に評価を頂いているのは光学性能の高さだ。実際に市場からも徐々に「Zレンズに外れなし」というコメントを得ている。

  • (「Z 7II」と「Z 6II」は、なぜ新機種でなく第2世代カメラにしたのか?)
    縦位置撮影に対応するバッテリーグリップやカードスロットの増設などハードウェア面について市場より多くの要望があり、これらに対応し、よりストレスフリーに撮影を楽しめるよう第2世代のZ 7II、Z 6IIを発売することに至った。

    全く新しい機種をイチから作るか、Z 7、 Z 6をベースとして機能強化を図ったモデルを作るかについては、社内でも相当議論を行った。Z 7、Z 6の基本性能について高評価だったため、これをベースとしてブラッシュアップを行い、より早く要望に応えることを優先してZ 7、Z 6をベースとしたZ 7IIとZ 6IIの発売を決めた。

  • (コロナ禍の影響は?)
    ニコンの製品は、"触ってもらえれば良さがわかる"と言われたりもするが、グリップ感などをなかなか試してもらえないというところが残念だ。現場の声を積極的に聞く機会が減ったのは事実で、これができなくなってしまったのは痛手と感じている。

  • (実際の販売への影響は?)
    昨年の春先は、売上の落ち込みは確かにあったが、そのような状況下でもSNSなどを通した自己表現のニーズはコロナ禍以前と変わらず、その結果としてカメラの販売は数か月のうちに盛り返し、直近では対前年比でほぼ同レベルにまで回復している。また、世界各地でマイクロレンズが大きく売り上げを伸ばしたのも特徴的な出来事だった。

  • (3月に「ニコンがカメラ事業から撤退」という情報が駆け巡ったが、どう感じたか?)
    記事の内容もさることながら、それを受けての市場の反応、リアクションの大きさに、改めてこれだけ多くのお客様にご心配をいただいているということを実感した。こういった声を発信いただいたみなさんの期待に、しっかりと応えていくことが我々の使命、という会話を社内でも多くのメンバーと交わした。

  • (ニコンのユーザーには、ニコンに変わってほしくない層と、大きく変わってほしいと思っている層に分かれていると感じたが、なぜそのような思いを生んでいると思うか?)
    触ってわかる信頼感や安心感のようなツールとしての完成度は、これまでニコンのカメラを使って頂いているお客様に向けても変えてはいけない部分と考えている。

    一方でニーズは時代とともに日々変わっていて、用途に応じて使いやすい機材が求められているのではないかと考えている。従来のような上位機種の機能を下位機種に展開していくモノ作りではカバーしきれないこれらのニーズに応えるために、各商品をどのような特徴を持たせ仕上げていくかが私たちの命題だ。

  • (ニコンユーザーとユーザーに成り得る方々に向けてのメッセージ)
    既にニコンファンであるお客様、そしてこれから映像表現を一眼カメラで楽しみたいと考えているお客様の双方に、感動と驚きを感じていただける商品を企画することに、我々は引き続き全力を注いでいく。ボディ、レンズをはじめ、Zマウントシステムとして皆様のニーズに応える商品をクラス問わず、これからもしっかりと出していく。

 

Z9は動画とスチルをシームレスに撮影できる製品ということなので、スチルだけでなく動画にも非常に力を入れた機種になりそうですね。Z9は8K動画対応なので、アスペクト比を考えると4000万画素以上になるのは確実で、高画素と高速連写、そして動画のいずれにも強いα1と同じような立ち位置の製品になるのでしょうか。

Z6IIとZ7IIに関しては、マイナーチェンジにするかどうか社内でも議論があったようですが、当時、キヤノンがEOS R5 / R6で攻勢をかけてきた後だったので、少しでも早い時期に新製品を投入したい気持ちもあったのかもしれませんね。