タムロン「11-20mm F/2.8 Di III-A RXD」はソニー「E10-18mm F4」を大きく上回る性能

SonyAlphaBlogに、タムロンの新しいAPS-C Eマウント機用の広角ズームレンズ「11-20mm F/2.8 Di III-A RXD(Model B060)」のレビューが掲載されています。

Tamron 11-20mm F2.8 Di III-A RXD

  • 鏡筒の品質は他のタムロンのFEズームと同程度で良好だ。価格を抑えるために操作部は省略されている。また、フィルター径はFEレンズで共通の67mmだ。
  • AFは素早く正確で静かだ。瞳AFと動体追尾AFは良好に機能する。
  • 解像力テストでは、中央はズーム全域で開放から素晴らしい結果だ。F8以上では回折の影響で解像力が低下し始める。隅は開放から良好な解像力で、絞ると「とても良好」~「素晴らしい」解像力になる。このレンズの解像力はAPS-C用でベストの単焦点レンズに近く、APS-C用ズームでは間違いなく最もシャープなレンズだ。

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  • クローズアップ撮影では、中央は遠距離と同じくらいシャープだが、(周辺部は)かなり像面の湾曲が見られる。
  • ポートレートの撮影では撮影距離によらずシャープで、肌と色再現が素晴らしい。
  • 歪曲は目に見えるが、11mmでは中程度の大きさで、20mmではわずかな糸巻き型だ。歪曲は実写では多くのケースで後処理による修正は必要ないだろう。

  • 周辺光量落ちは11mm開放時では目立つが、他の焦点距離では非常に少ない。
  • 色収差は非常に少ない。
  • 逆光耐性は平均的で、太陽が画面に入ると強いフレアが見られる。
  • 光芒はF16まで絞ると素敵な効果が得られる。

  • 天体写真の作例では、コマ収差がよく補正されていることが分かる。
  • 後ボケは広角レンズとしてはとても柔らかいが、木の葉のような背景では少しうるさくなる。玉ボケは絞っても円形を維持していて、絞りの形はほとんど見えない。
  • 色再現は抜群に優れている。
  • 動画は解像力や発色に優れ、AFもとても良好だが、フレアと絞りを変更するときのブレに注意が必要だ。サイズが小さいので、ジンバルに載せるのにも適している。

ライバルとの比較

  • 同じクラスのAPS-CのズームはソニーのE10-18mm F4 OSSのみだが、タムロン11-20mmはこのレンズよりも遙かにシャープで、中央はAPS-Cで最高レベルの単焦点(シグマ16mm F1.4など)と同じくらいシャープで素晴らしい性能だ。周辺部は最高レベルの単焦点の方が優れているが、F5.6に絞ると差は非常に小さくなる。

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  • ボケはタムロンがソニーE10-18mm F4よりも遙かに優れている。単焦点との比較でも、シグマ16mm F1.4やサムヤン21mm F1.4よりも優れており、サムヤン12mm F2と同等だ。
  • 歪曲や周辺光量落ち、色収差はライバルと大きな差はないが、逆光耐性はタムロンが最も低い。
  • タムロンの優れた性能や妥協のない品質、そして多くの単焦点を1本で置き換えられることを考えると、ここではタムロン11-20mm F2.8が勝者だ。

結論

  • タムロン11-20mm F2.8 Di III-A RXD は、ソニーE10-18mm F4 OSSを大きく上回る性能で、ズーム全域で優れた性能を発揮するレンズだ。唯一の欠点は逆光耐性が弱いことだ。このレンズは風景や建築写真だけでなく、ブイログやジンバル使用にも最適だ。

 

E10-18mm F4 OSS は2012年発売の少々古いレンズなので、最新のタムロン11-20mm F2.8がこのレンズの性能を上回っていても不思議はありませんが、解像力ではかなりの差がついているようです。

タムロン11-20mm F2.8は、解像力でもボケでもサードパーティーの単焦点レンズに匹敵する性能のようなので、F2.8で明るさが十分なら、広角レンズをこのレンズ1本で置き換えてしまうのもありかもしれませんね。