DUSTIN ABBOTに、タムロンのEマウント用のAPS-C広角ズーム「11-20mm F/2.8 Di III-A RXD(B060)」のレビューが掲載されています。
・Tamron 11-20mm F2.8 RXD (B060) Review
- 11-20mm F/2.8は、E10-18mm F4よりも大きいが、口径の割りに非常にコンパクトなレンズで、多くの点でよりハイグレードなレンズだ。
- ズームリングとフォーカスリングの位置が17-70mm F/2.8と逆になっているのは、この2つを併用する場合には残念だ。ズームは11mmで鏡筒が2cm伸び、20mmの位置で最も短くなる。内部の鏡筒は伸ばしてもグラつきは無い。
- フォーカスリングは電子式で、17-70mm F/2.8よりも滑らかに動き、まずまず優れている。フォーカスリングの動きはリニアではない。
- 最短撮影距離は広角端0.15m、望遠端で0.24mと非常に短いが、広角端ではワーキングディスタンスが3cm(フードを付けると5mm)しかなく、被写体に影を落とさないように照明するのは難しい。
- 広角端の0.25倍の最大撮影倍率は、(中央だけがシャープで周辺が流れてしまうので)マーケティングのための数字だと思う。望遠端の最短では像面がフラットになり素晴らしくシャープだが、倍率は0.13倍に低下する。
- このような広角ではボケより光芒が重要なので、タムロンは絞り羽根を9枚から7枚に減らしており、より美しい光芒が得られる。
- AFモーターはRXDで、AFは速く静かで正確だ。AFは前後の動きや迷いなしでしっかりと安定して合焦する。瞳AFも良好に機能し、追従性もとても良好だ。AFは無音でフォーカスブリージングも最小限に抑えられているので動画に最適だ。AF性能は、競合するレンズの中では最高だ。
- 歪曲は未補正の状態では広角端で穏やかなタル型で直線的なので、プロファイルなしの手動補正でも容易に補正できる。望遠端では糸巻き型になるが、この歪曲は更に容易に修正できる。周辺光量落ちも少なく、歪曲と周辺光量落ちはこのクラスのレンズとしては非常に良い結果だ。
- 色収差は軸上色収差(ボケの色付き)はほとんど見られなかった。倍率色収差はチャートでわずかに見られたが、実写では問題はない。
- 解像力は11mmでは開放から全域で非常に良好だが、隅はコントラストが若干低下する。F5.6やF8に絞ると解像力とコントラストが少し改善するが、大きくは変わらない。しかし、このレンズが本領を発揮するのはズームの中間域で、14mm、16mmでは全域で素晴らしいディテールで、18mmでは開放でも全域で完璧な解像力だ。20mmは18mmにはわずかに劣るが、開放でも全域でディテールに富んでいる。
- 広角ズームではボケは重視されないが、このレンズのボケはかなり良好な品質で、正直言って、17-70mm F2.8よりも優れている。
- このレンズの弱点は逆光耐性で、絞り込むとフレアやゴーストが目立つ。このレンズには第2世代のBBARコーティングが採用されていることを知って驚いた。タムロンは逆光耐性の高さを強調しているが、私の目には逆光耐性はこのレンズの最大の弱点に見える。
- コマ収差の補正は間違いなく優れており、隅でわずかに星が伸びることを除けば非常に見栄えのする写りだ。
- タムロン11-20mm F/2.8は、完璧な耐候性と優れたAF性能を備え、ズーム全域で非常に優れた画質だ。このレンズは、富士フイルムのXF8-16mm F2.8とほとんど同じ性能だが、タムロンは重さが3分の1強で価格は半分以下と遥かに実用的だ。不満は少ないが、逆光耐性はもう少し改善して欲しい。また、鏡筒にAF/MFの切り替えスイッチが欲しい。
- 良い点:F2.8一定、比較的軽量コンパクト、防塵防滴で優れた造り、速く静かで正確なAF、他のEマウント用タムロンレンズと同じ67mmのフィルター径、卓越した光学性能、コマフレアの補正が良好、各収差が非常によく補正されている。
- 悪い点:逆光耐性、鏡筒にスイッチが無い。
タムロンの11-20mm F2.8は収差の補正の難しい大口径の広角ズームにもかかわらず、歪曲や色収差、周辺光量落ちなどの各収差が非常によく抑えられていて、とてもシャープで良く写るレンズという印象です。ボケもレビューで述べられているように、広角レンズとしては綺麗ですね。
欠点として逆光耐性があげられていますが、サンプルでは太陽を画面に直接入れるとフレアと派手なゴーストが出るので、確かに逆光にはあまり強くなさそうに見えます。
てつぞう
サジコマ少なそうだし、星景に使えるなら買ってもいいかな。