ハイエンドAPS-Cミラーレス4機種の比較レビュー

DPReviewTVが、「ソニーα6600」「富士フイルムX-T4」「キヤノンEOS M6 Mark II」「ニコンZ 50」の4機種のAPS-Cミラーレスカメラで、カテゴリごとに1位~4位の順位付けを行っています。

DPReview TV: High-end APS-C mirrorless camera comparison

ハンドリング

  • 1位 X-4:グリップは良好で、ダイヤルの実装も素晴らしい。前後のダイヤルで一眼レフのような操作も可能で汎用性に富んでいる。
  • 2位 Z50:グリップは窮屈ではなく快適だ。2つのダイヤルも素晴らしく、全ての操作部が理に適っている。
  • 3位 EOS M6 II:操作部が小さすぎて操作しにくい。グリップは窮屈。
  • 4位 α6600:グリップは窮屈。ダイヤル操作がしにくい。メニューは多くの改善すべき点がある。

モニタ

  • 1位 X-T4:162万ドット、バリアングル、タッチパネル採用の最もハイスペックなモニタだ。
  • 2位 Z50:モニタの性能はEOSと同等だが、自撮り対応のチルトモニタが気に入っているのでこちらを上にした。しかし、三脚に付けるとモニタが前を向かない。
  • 3位 EOS M6 II:ソニーよりもタッチ操作は優れている。
  • 4位 α6600:モニタの画素数が少ない。タッチパネルからメニュー操作も露出の設定もできない。

AF

  • 1位 α6600:クラスをリードするAFで、動体追尾も瞳・顔認識も実に素晴らしい。
  • 2位 EOS M6 II:動体追尾にはとても感心した。瞳と顔認識の動作も良好で、どのような用途でも快適だ。
  • 3位 X-T4:大幅に進化していて特に瞳AFと顔認識は進化しているが、動体追尾は少し一貫性がなく、食いつきが悪い。
  • 4位 Z50:AFは良好で動体も上手く追尾するが、暗くなるとAFに一貫性がなくなるので4位だ。

画質

  • 1位 X-T4:高画質でローリングシャッターの歪みが少なく、電子シャッターが実用になる。JPEGとフィルムシミュレーションは素晴らしい。
  • 2位 EOS M6 II:IBISは搭載していないが、センサーのアドバンテージがある。
  • 3位 α6600:IBISの画質への貢献は大きいが、センサーが古くなっていることとローリングシャッターの性能が非常に悪い(動体の歪みが大きい)ので3位だ。
  • 4位 Z50:センサーが古くなっている。IBISを搭載していないのは問題。

バッテリーライフ

  • 1位 α6600:枚数は800枚で、大容量のZバッテリーの採用により、他のどのカメラよりも優れている。
  • 2位 X-T4:枚数は500枚で、ZやEOSより大きく上回る。USB-C充電はクイックで素晴らしい。
  • 3位 Z50:枚数は320枚とEOSより若干上なだけだが、USB充電は問題なく動作する。
  • 4位 EOS M6 II:枚数は305枚しかない。USB充電が酷く気難しく、環境によって、しばしば充電できないことがあるのはストレスを感じる。

動画

  • 1位 X-T4:内部10bit収録や4K60pに対応した唯一の機種で、動画性能は群を抜いている。
  • 2位 α6600:マイク端子とヘッドホン端子があり、Logにも対応しており、動画は高性能だ。
  • 3位 Z50:クロップなしの4Kは素晴らしい。自撮りにも対応しているが、ヘッドホン端子がない。
  • 4位 EOS M6 II:4K動画が非常にソフトな画質だ。また、外付けEVFを使うとホットシューにマイクやモニタが付けられない。ヘッドホン端子がない。

最終評価

  • 1位 X-T4:最もハイスペックなプロフェッショナル仕様のカメラで、レンズも揃っている。デザインも優れている。
  • 2位 α6600:サードパーティーを含め非常に豊富なレンズが使用できる。高性能なカメラで動画にも強いが、ボディデザインはエントリー機のもので、エルゴノミクスを改善して欲しい。
  • 3位 EOS M6 II:高速AFの高速連写機で、Z50よりレンズも豊富でシグマの単焦点レンズも使えるが、ニコン同様フルサイズほど力が入っていないように感じる。
  • 4位 Z50:使って楽しめるカメラだがAPS-C専用レンズが少なく、フルサイズのレンズを使うなら廉価なZ5がある。

 

富士フイルムはAPS-C機に関してはは、他のメーカーよりも明らかに力が入っているので、総合評価の1位は納得のいくところですね。X-T4は画質やハンドリングは優秀なようですが、AFに関してはまだトップクラスのカメラと少し差があるようです。

α6600は全体的に優秀ですが、ハンドリングだけは改善の余地がありそうですね。EOS M6 II はR5 / R6の影に隠れてあまり話題になりませんが、AFが予想以上に優秀で、これなら動体もかなり撮れそうです。

Z50はカメラの性能云々よりも、APS-C用レンズが少ないというところで低評価になってしまった感じがします。