キヤノン「RF-S15-45mm F4-6.3」(?)の特許

Canon News で、キヤノンのRFマウント用と思われるAPS-C用標準ズームの特許が紹介されています。

Canon Patent Application: RF APS-C Mirrorless kit lens

  • この特許出願(特開2021-086024)の性質から、いつもよりも大胆にこれらのAPS-Cミラーレス用レンズを分類していこうと思う。これらのレンズが、RFマウント用だと考えられる理由は次の3つだ。

    • どのレンズもEF-Mマウントのフランジバック18mmよりもずっと余裕のあるバックフォーカスになっている。
    • バックフォーカスは長いが、EF-Sマウントに使えるほど長くはない。また、一眼レフ用のAFレンズとしては、F値が大きすぎる。
    • この特許は2019年に出願されたもので、RFマウントがミラーレス用のプレミアムマウントになり、EF-Mマウントのキットレンズが既に十分に開発されてから提出されている。また、これらの特許のキットレンズは全く特徴の無いレンズだ。

  • キヤノンがこの時期にEF-Mマウント用の基本的なキットレンズの研究をする理由はなく、研究をする必要があるのはRFマウント用だけだろう。キヤノンがRFマウントのAPS-Cに関する研究を行うのは、将来APS-Cカメラを造り、EFマウントのようなシステムを造ることになったときのためだ。
  • 不思議なことに、ここ数週間でAPS-Cのキットレンズの中核となるレンズや、通常のズーム、望遠レンズの特許出願が発見され、いずれもRFマウントで使用できることが判明している。今回の特許のキットレンズはいずれも非常に廉価なレンズで、像高が小さくワイド端では補正に頼っている。

  • RF-S15-45mm F4-6.3
    焦点距離:15.46 24.00 43.65
    F値: 4.16 4.92 6.50
    半画角: 38.73 29.65 17.38
    像高: 12.40 13.66 13.66
    全長(前玉からセンサーまで): 96.84 85.69 84.27
    バックフォーカス: 26.19 34.03 49.18

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キヤノンのAPS-Cミラーレス用レンズの特許出願が次々に公開されていますが、確かに、このタイミングでキヤノンがEF-Mレンズの開発を積極的に行うとは思えないので、これらの光学設計がRFレンズ用である可能性は十分にありそうです。

以前の噂では、キヤノンはRFマウントのAPS-C機を発売してもAPS-C専用レンズは発売しないと述べられていましたが、特許のようなAPS-C専用のRF-Sレンズを出して、EF-Sのようなシステムをラインナップするのかどうか気になるところですね。