コシナ 「APO-LANTHAR 50mm F2」は称賛に値する優れた解像力

LensTipに、コシナのEマウント用の標準単焦点レンズ「フォクトレンダー APO-LANTHAR 50mm F2」のレビューが掲載されています。

LENS REVIEW Voigtlander Apo Lanthar 50 mm f/2 E

  • フォーカスリングは適度な重さがあり、動きは均一だ。最短から無限遠までの回転角は150度で、これは快適にピント合わせるのに十分すぎるほどの大きさだ。
  • フォーカシングは全群繰り出し式で、フォーカスブリージングがかなり抑えられているので、動画ユーザーも満足するだろう。
  • 解像力は、グラフからひと目で称賛に値するものであることが分かるだろう。中央の解像力は開放で70lpmmのセンセーショナルな値(良像の基準値は39~41lpmm)で、F2.8に絞るとほぼ80lpmmに達し、F4では81lpmmで解像力の最高記録だ。画面の隅でも解像力は70lpmmを超えており、これは非常に優れたレンズだけが達成できる値だ。

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  • 軸上色収差は「APO」という文字に期待した通りで、非常に良く補正されている。
  • 倍率色収差は、開放では0.02%で絞り込むと0.04%を若干超えるが、それでも「非常に低い」範囲に収まっており、実写では色収差にはまったく気付かないはずだ。
  • 球面収差の補正に関しては大きな問題はなく、フォーカスシフトは見られない。

  • 歪曲はダブルガウスの標準レンズでは-2%の値も珍しくなかったが、このレンズは現代の基準に合う設計で、歪曲は0.38%と、テストチャートを見ても気付かないレベルだ。この歪曲の小ささは称賛に値する。
  • コマ収差は画面の隅でも非常に良く補正されており、様々な条件で撮影したテスト画像をシャッフルして並べ変えても誰も気付かないだろう(どの条件の画像でもコマ収差が全く見られず区別がつかないという意味)。拍手!
  • 非点収差は2.0%の非常に小さい値で、これも称賛に値する。

  • 玉ボケは、内部に強い年輪ボケは見られないが細かい模様が見られる。口径食は開放では強いが、F4で完全に解消する。絞りの形状が一般的なものではなく、F4以上に絞ると、突起のある星のようなとても面白い形状になる。絞りの形状は好みの問題だが、個人的には他とは異なるオリジナリティのあるものを提供しようとする姿勢は歓迎だ。
  • 周辺光量落ちは、開放で59%(-2.61EV)で、コンパクトなレンズなので予想通り高い値だった。F2.8でも40%(-1.46EV)と依然として大きな値だが、F4では26%(-0.85EV)の穏やかな値になる。
  • 逆光では、開放付近ではゴーストやフレアは見られない。絞るとゴーストやフレアが現れるが、ゴーストの数は少なく、フレアも弱いものだ。また、逆光でも高いレベルのコントラストが維持されており、ここでの評価は肯定的なものだ。

  • 以前にテストしたAPO-LANTHAR 35mm F2は優秀で、当時、これ以上の性能のレンズは想像できなかったが、APO-LANTHAR 50mm F2は更なる性能の改善が可能であることを明確に示した。このレンズは、周辺光量落ちを除く全てのカテゴリで優れた結果を出している。価格は1050ドルにもなるが、それでもこのレンズの肯定的な評価は変わらず、それだけの金額を払う価値がある性能だと感じている。
  • 良い点:とても丈夫な金属製の鏡筒、中央の驚くべき画質、隅の非常に良い画質、軸上色収差が無視できる、倍率色収差がわずか、球面収差の問題が見られない、歪曲がほとんどゼロ、コマ収差の補正が優れている、非点収差が非常に少ない、玉ボケの描写。
  • 悪い点:フルサイズでの周辺光量落ちが大きすぎる。

 

解像力は開放から驚くほど高く、各収差とも良く抑えられていて見事な性能のレンズですね。特に色収差はこのクラスの他のレンズと比べて非常に少なく、とてもクリアな描写という印象です。これだけ高解像力のレンズにもかかわらずボケが綺麗なのもポイントが高いですね。