ソニー「α7R IV」とニコン「Z 7II」の風景写真対決

DPReviewTVで、ソニーα7R IVとニコンZ7II の風景写真における比較レビューが掲載されてます。

DPReview TV: Nikon Z7 II versus Sony a7R IV for landscapes

  • (ディスプレイの比較)液晶モニタはニコンの方が高解像度だ。モニタの輝度を上げると直射日光下でどちらの機種もよく見えるが、ニコンの方が彩度もコントラストも少し良好だ。α7RIVにはモニタを高解像度のものに換装した新型(α7R IVa)があるが、これはまだテストできていない。ディスプレイのカテゴリではニコンが若干優っている。

  • (両機の主な違い)重さはソニーが655グラム、ニコンが705グラムで、それほど変わらない。メディアはソニーはSD x2、ニコンはCFexpress+SDだが、これは風景写真ではどちらでも大きな違いはない。バッテリーライフはCIPA規格でソニー670枚、ニコン420枚でかなり大きな違いがあるが、幸いどちらもUSB充電に対応している。価格はソニーの方が500ドル高い。

  • (ダイナミックレンジの比較)ダイナミックレンジはソニーも非常に良好だが、ニコンはISO64を使うとソニーよりも情報量が多く、シャドーを持ち上げてもノイズが抑えられている。ニコンZ7IIのダイナミックレンジは中判に匹敵する。ここでは明らかにニコンの勝ちだ。

  • (解像力)ニコンの45MPセンサーも優れた解像力だが、ディテールでは60MPセンサーのソニーにかなりのアドバンテージがある。ソニーにはピクセルシフトマルチショット機能もあり、240MPの画像も生成できる。ソニーのマルチショット機能はカメラ内で画像を1枚に合成できず、動体補正機能も無いので理想的なものではないが、それでもソニーにアドバンテージがある。ニコンにマルチショット機能が無いのは残念だ。ここではα7R IVが容易に勝っている。

  • (高感度)高解像度センサーが不利なカテゴリだが、RAWでの比較ではほとんど互角だ。JPEGではソニーのノイズリダクションの方が優れている。

  • (レンズラインナップ)風景に向いた広角レンズは、ニコンには20mm F1.8や14-24mm F2.8、14-30mm F4などの非常に優れたレンズがあるが、レンズ数が少なく、サードパーティー製レンズも少ない。ソニーは素晴らしい16-35mm F2.8や12-24mm F2.8、14mm F1.8など選択肢が沢山あり、サードパーティーのレンズも非常に多い。ここではソニーの勝ちだ。

  • (深度合成)風景でパンフォーカスにしたくても絞りすぎると回折の影響で解像力が落ちるので、深度合成が有用だが、手作業で撮影して処理するのでは大変だ。ニコンZ7IIにはカメラで深度合成が可能だ。

  • (タイムラプス機能)ソニーα7R IVのタイムラプス機能は非常に基本的なものだが、ニコンZ7IIにはタイムラプス写真家のための完全な機能が揃っており、私のお気に入りのタイムラプスカメラだ。ここではニコンの勝利だ。

  • (結論)ソニーα7R IVは驚くほどの解像度でバッテリーライフに優れ、多くの交換レンズがある。一方、ニコンZ7IIは風景にとって重要なダイナミックレンジに優れ、高機能なタイムラプス機能や深度合成などの機能が搭載されている。2つのカメラは風景写真ではわずかにZ7IIに軍配が上がるように見える。唯一気になるのは45MPよりも高画素が必要かどうかだが、大部分の人には45MPで問題ないだろう。

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風景写真対決では、ダイナミックレンジの広さや深度合成機能などが評価されてZ7IIの辛勝という結論になっていますが、解像力重視なら明らかにα7RIVが有利ですし、どちらがベストの風景カメラかは、人によってまちまちになりそうですね。