ニコン「Z 50」はとにかく撮りやすいカメラ、「Z fc」は趣味性が高く所有している喜びがあるカメラ

THE MAP TIMESに、ニコンのZ fcの企画担当者とデザイン担当者のインタビューが掲載されています。

『Z fc』開発者インタビュー

  • (Z fcがFM2をイメージしたコンセプトで作られた経緯は?)
    ニコンが抱えている課題として、いかに若い層のお客様を取り込んでいくかというのがあり、まずはコンパクトで求めやすいモデルを作ろうと考えたのがきっかけだ。次に重要になるのがデザインで、若い世代は一般的な外観の黒いカメラは持ちたく無いという方も多い。そこで昔の「FM2」のイメージを借用し、ライフスタイルに融合できるようなものを出したいということからこのスタイルになった。

  • (Z fcがシルバーカラーのみの展開になった理由は?)
    黒いカメラを持ちたく無いというユーザーを意識したこともあるが、ライフスタイルへの融合を考えるとシルバーの方がアピールしやすいと考えた。

  • (Z fcの設計上苦労した箇所は?)
    グリップ部がなくなったことで、バッテリーの向きを見直す必要があった。結果カメラ右側にスペースが無くなったため、シャッターの駆動部を他の機種と逆向きに配置するなどの工夫を施している。ボディの右肩にあるダイヤル部が骨格に収まるまで多くのパターンを検討し、何とか「FM2」に見えるシルエットに収めていった。

  • (手ブレ補正が付いていないのはスペース的な問題?)
    「NIKKOR Z DX 16-50mm F3.5-6.3 VR」との組み合わせなら4.5段分の補正ができるし、また高感度耐性にも優れているので、手振れ補正がなくても困ることはないと考えている。実際、Z 50ユーザーから不便の声を聞いていないので、小型軽量化を優先した。

  • (Z50との棲み分けをどのように考えているのか?)
    「Z 50」はよりクリエイティブな映像作品を創作するために初めてレンズ交換式ミラーレスカメラを購入しようとしている若年層向け。「Z 50」には大きめのグリップがあり、とにかく撮りやすいモデル、「Z fc」はより趣味性が高く所有している喜びがあるカメラに仕上がっている。

  • (専用のグリップ作成にあたって、「MD-12」のようなバッテリーグリップ一体型のようなものは検討しなかった?)
    このカメラは復刻モデルではなく、「FM2」からインスパイアされたものなので、このカメラのコンセプトの価値を高める事を考えた。そのため、気軽に持ち出せることを優先し、より小さく最小限の形でグリップが付けられるようにデザインした。

  • (「NIKKOR Z 40mm F2」のSpecial Editionは検討しなかったのか?)
    28mmと40mmでは結構悩んだ部分だ。最終的に、「Z fc」との組み合わせでスナップでより使いやすい42mm相当ということで28mmになった。他のSpecial Edition的なレンズは、現状予定はないが、個人的にはチャレンジしたいと思っている。

 

Z fcはスペック的にはZ 50とほぼ同じですが、バッテリー搭載位置の変更やダイヤル配置などの都合で中身は相当変わっていて、開発にはかなり手間がかかっているようですね。

「Z fc」のブラックボディの要望はかなり多いように感じますが、黒いカメラを持ちたく無いというユーザーを意識してシルバーのみにしたということなので、今後もブラックは出さないつもりなのでしょうか。

また、他のSpecial Edition的なレンズは現状は予定はないということですが、28mmのキットの人気が非常に高いので、他のレンズのSpecial Editionも出せば売れるような気がします。