キヤノン「EOS Kiss Mark II」はAFは大きく改良されているが4K動画は役に立たない

DPReviewに、キヤノンEOS M50 Mark II(EOS Kiss M Mark II)のレビューが掲載されています。

Canon EOS M50 Mark II Review

  • Mark II ではAFが改善されており、スチルと動画の両方で瞳トラッキングAFが搭載されている。また、縦位置の動画撮影や、YouTubeでのライブストリーミングも可能となっている。
  • 動画は4K24pに対応する(ストリーミングではフルHDまで)が、1.5倍と大きくクロップされ、デュアルピクセルAFも使用できない。
  • 非常に軽量コンパクトなボディながらグリップは十分な大きさで快適に撮影できる。操作性は旧型から変わっていない。

  • モニタは明るく、タッチパネルの反応はとても良好で、明るい場所でのメニュー操作も簡単にできる。EVFは明るくキリアで期待通りの性能だ。EVFを覗いたままタッチパネルでAF測距点が指定できるのは便利だ。
  • バッテリーはスチルなら1日を超える撮影でも十分なバッテリーライフがあるが、動画撮影が多い場合はバッテリーの消耗が速いので、予備のバッテリーを持っていくことを勧める。USB充電に対応していないことを忘れないで欲しい。

  • AFは大きく進化しており、基本的なシステムは従来と同じだが、顔・瞳のトラッキング機能が搭載されている。実際の撮影では、暗い環境でも動きの速い被写体に瞳トラッキングが非常によく機能する。
  • 瞳AFは人間にのみ対応で性能はいくつかのライバルの機種には及ばないが、タッチパネルを使って測距点を選択し直せるのは便利だ。鼻で誤入力しないように、液晶の特定のエリアだけがアクティブにできるのは有り難い機能だ。

  • 画質は基本的に旧型と同じで、鮮やかでコントラストが高く、最小限のエディットだけでSNSで使える。
  • 動画は4Kに対応しているが、4Kは大きくクロップされ、デュアルピクセルAFが使用できずコントラストAFのみなので、フルHDで使うのがベストだ。4KではAFの信頼性が低く、大きなクロップのために広い画角での撮影や、手持ちでの自撮りは難しい。
  • フルHDの撮影では瞳トラッキングAFが使用できる。明るい場所ならしっかり合焦し、暗い場所でもまずまずのAF性能だが、暗いと被写体の選択に迷うこともあった。

  • ストリーミングはスマホよりも高品質で非常に有望な機能だが、残念ながらYouTubeへの配信では1000人以上のチャンネル登録者がいなければならないという制限がある(この制限はこのカメラがWebカメラではなくモバイル機器に分類されているため)。しかし、これには回避策があり、PCにUSBで接続して、EOS Webcam Utilityを使えばWebカメラとして認識するので制限を回避できる。
  • EOS M50 Mark II(EOS Kiss M Mark II)は、一見変更点が少なく見えるが、AFには大きな改良が加えられており、AFは速く正確でこのカメラの輝いている部分だ。操作系が小さくてきつきつの部分もあるが、タッチパネルの反応が良く簡単に操作できる。4K動画は本格的なビデオグラファーやブイロガーにはあまり役に立たないないだろう。このカメラは4K動画機能を重視せず、スチルとちょっとした動画撮影用のコンパクトとして最適なカメラだ。

  • 気に入っている点:しっかりした性能の顔認識と瞳認識、好ましいJPEG出力、小さいが快適なホールディング、外部マイク端子、素晴らしいタッチパネルのインターフェース。
  • 気に入らない点:4Kの1.5倍のクロップ、4Kの芳しくないAF、フルHDがソフト、静音・電子シャッターが全自動モードでしか使えない、ヘッドホン端子が無い、ストリーミングの制限、背面の操作系が窮屈。

 

EOS Kiss M Mark II は、旧型からほとんど変わっていないマイナーチェンジモデルというイメージがありますが、AFに関しては結構進化しているようで、特に動く人物の撮影では初代よりもかなり有利になりそうです。ただ、4K動画に関しては現行のカメラとしてはかなり古めかしい仕様なので、4K重視の方は他のカメラを検討した方がいいかもしれませんね。