富士フイルム「XF18mmF1.4 R LM WR」は高価だが心から推奨できるレンズ

LensTip に、富士フイルムの大口径広角単焦点レンズ「XF18mmF1.4 R LM WR」のレビューが掲載されています。

Lens review Fujifilm Fujinon XF 18 mm f/1.4 R LM WR

  • フォーカスリングは電子式で非常に正確なピント合わせが可能だが、カメラの出来の悪いソフトのために、MFモードで撮影していてもプレビュー中にカメラが勝手にピント位置を変えてしまうことがあり、全く台無しになることがある。
  • フォーカスリングの回転角はリングを速く回すと約110度で、ゆっくり回すと180度を超え、快適なピント合わせが可能だ。
  • 付属のポーチはクリーニング用のクロスより少し厚い程度で、レンズを保護できない。個人的には、1000ドル近いレンズのこのようなものを付属するのは恥ずかしいことだと思う。

  • 解像力は中央は開放で78.2lpmmの見事な値(良像の基準値は44~45lpmm)で、F2.8では93.5lpmmに達する。これは余裕で最高記録を達成しており、とにかく素晴らしい。隅は開放では良像の基準値を少し下回っているが、幸いF1.6~F1.8に絞れば基準値のレベルに達し、F5.6では60lpmmの非常に良好なレベルになる。このレンズの解像力は全体的に良好だが、正直言って、中央を犠牲にしてでも周辺の解像力を4~5lpmm引き上げたいところだ。

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  • 色収差は1枚のEDレンズによって軸上色収差も倍率色収差も適切に補正されている。倍率色収差は0.03%未満と非常に低く、実写ではほとんど認識できない。拍手!
  • 球面収差の補正に関しては大きな問題はなく、フォーカスシフトも見られない。
  • ミラーレス用のレンズは歪曲の光学補正をあきらめて電子的に補正していることが多いが、このレンズは歪曲が光学的に補正されており、歪曲はJPEGでもRAWでも-0.27%の無視できるレベルだ。富士フイルムの設計者を称賛したい。拍手!

  • コマ収差は、画面の端ではダイオードが翼状になり、それほど良いとは言えない。
  • 非点収差は5.9%の「非常に低い」と「低い」の中間で良好な値だ。
  • 玉ボケは年輪ボケはほとんど見られず非常に良好に見える。口径食は開放でのみ見られ、F2ではほぼ解消する。

  • 周辺光量落ちは開放で48%(-1.87EV)の高い値だが、画角を考えると、それでもなお良くやっていると言えるだろう。周辺光量落ちはF4で25%(-0.85EV)になり、それより絞っても改善しない。
  • 逆光耐性は、開放付近ではほとんど問題はない。絞った時も良好だが、画面の隅のすぐ外側に太陽が来た場合は例外で、光線状の強いゴーストが出る。
  • AFは最短から無限遠まで0.2~0.3秒と優れているが、逆方向(無限遠から最短方向)だと遅くなる。それでも0.4秒は超えないので、全体として不満はない。スタジオでも屋外でも合焦ミスは見られなかった。

  • テスト結果は良い点が多く、悪い点が1つだけ(しかもこれは予想の範囲内)でXF18mmF1.4の評価は明らかだ。このレンズは解像力の最高記録を余裕を持って破っており、かなり高価ではあるが、心から勧められるレンズだ。
  • 良い点:大部分が金属製の頑丈で防塵防滴の鏡筒、中央の見事な画質、隅のきちんとした画質、軸上色収差がほとんど分からない、倍率色収差の良好な補正、球面収差の問題が見られない、歪曲がわずか、非点収差がわずか、心地よいボケ、良好な逆光耐性、静かで正確で速いAF。
  • 悪い点:周辺光量落ちが少し大きい。

 

XF18mmF1.4は中央は開放から驚きの高解像力ですが、隅の解像力は中央との乖離が少し大きいようですね。とは言え、中央の解像力が高すぎるだけで、隅だけを見れば十分に優れていると言ってよさそうです。

実写では色収差が少なくシャープで透明感のある描写で、加えて広角レンズとしてはボケも綺麗なので、とても魅力的なレンズに仕上がっているという印象です。あと、MFでピント位置が勝手に動いてしまう問題はどのような症状なのか少々気になるところですね。