ニコン「Z MC 105mm f/2.8 VR S」は際立った解像力と美しいボケを両立したレンズ

ePHOTOzineに、ニコンのZマウント用の望遠マイクロレンズ「Z MC 105mm f/2.8 VR S」のレビューが掲載されています。

Nikon Nikkor Z MC 105mm f/2.8 VR S Lens review

  • 重さは630gの大きなレンズだが、Z7IIとのバランスは良好だ。
  • 鏡筒の有機ELディスプレイには様々な情報が表示できる。被写界深度目盛りの表示は非常に小さく、通常はあまり意味が無いが、過焦点距離を設定する場合だけは例外で、バーの端を無限遠マークに合わせるだけで非常に簡単に設定できる。
  • 有機ELディスプレイの欠点は、10秒で消えてしまうことだ。ボタンを押してディプレイを再表示すると、高倍率の撮影ではレンズが動いて問題になることがあるので、この仕様は、ピント合わせや考慮に時間をかけたいマクロ撮影にはそぐわないと思う。

  • フォーカスリミッターが用意されていて、AF範囲を0.29~0.5mに制限できるが、接写でもピントが合わないことはめったにない。
  • 手ブレ補正の効果は人によって異なるが、レビュアーの場合はカタログスペック通り正確に4.5段分だった。

  • 解像力は中央はF2.8からF8まで際立った値(outstanding)で、F11とF16では素晴らしい値(excellent)だが、F32はソフトだ。隅はF2.8からF11まで素晴らしい値(excellent)で、F16とF22でとても良好な値(very good)だ。ここでもF32ではソフトになる。

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  • 倍率色収差は中央はほとんどゼロで、隅でも0.5ピクセルを大きく下回る。実写では倍率色収差はほとんど見られず、後処理での補正は必要ないだろう。
  • 歪曲は-0.68%のわずかなタル型で、とても妥当なものだ。歪曲は大部分の画像で、それほど目立たないだろう。
  • ボケは美しく滑らかで、高い解像力とこのような繊細な描写の両立はレンズ設計者の功績だ。

  • 逆光でフレアが問題になることはほとんどない。このレンズは、非常に明るい光源を画面に入れても霞んだりゴーストが発生することはない。
  • 周辺光量落ちはF2.8で-2.2EV、F4で-1.5EV、F5.6で-1.3EVと控えめで煩わしいものではない。
  • 価格は999ポンドで、コストパフォーマンスは非常に優れている。

  • ニコンはZシリーズで並外れた性能のレンズを提供し続けており、このレンズはその性能をリーズナブルな価格で提供している。このレンズは優れた性能とハンドリングを備えたバランスのとれたレンズで、大いに成功している。
  • 良い点:際立った解像力、色収差が非常に少ない、歪曲が小さい、フレアが出ない、美しいボケ、防塵防滴、高品質な造り、有機ELディスプレイ、カスタマイズ可能な操作系、優れたエルゴノミクス、速くほとんど無音のAF。
  • 悪い点:有機ELディスプレイが消えるのが早すぎる。

 

Z MC 105mm f/2.8は開放から周辺部まで極めて高い解像力で、色収差や歪曲も良く抑えられていて申し分の無い性能ですね。これだけ高解像力なマイクロレンズにもかかわらず、ボケが綺麗なのもポイントが高いですね。加えて、価格もそれほど高くないので、人気になるのもうなずけるところです。