ニコン「Z MC 50mm f/2.8」は光学性能とハンドリング、携帯性の全てを備えた優れたマイクロレンズ

ePHOTOzineに、ニコンの新しい標準マイクロレンズ「Z MC 50mm f/2.8」のレビューが掲載されています。

Nikon Nikkor Z MC 50mm f/2.8 Macro Review

  • 重さはわずか260gで、プラスチックが多用されているが、しっかりと組み立てられており全体的な仕上がりは素晴らしい。
  • フードは非常に小さな46mmのねじ込み式のものが用意されているが、これはフードと呼ぶにはあまりにも小さく、奇をてらったものとしか言いようがない。
  • 鏡筒は0.19m(倍率1/2倍)よりも近距離にピントを合わせると内部が繰り出す。

  • レンズには46mmのフィルター枠の他に62mmのネジ山もあるが、これはフラッシュユニット用で、フィルターを付けると繰り出した鏡筒とぶつかってしまうので、ここにフィルターは付けられない。
  • AFはステッピングモーターで、非常に正確で滑らかに動作し、確実に合焦する。作動音はほとんどしない。
  • デフォルトの設定では(時間をかけて)正確なフォーカシングをしていると時間切れでシャットダウンするのが煩わしいが、省エネ設定をオフにするとしっかりと時間をかけて撮影することができる。

  • 中央の解像力はf/2.8では素晴らしい値(excellent)で、f/4からf/8では際立った値(outstanding)、F11とF16では素晴らしい値(excellent)だ。隅はf/2.8でとても良好な値(very good)で、F4では素晴らしい値(excellent)、F5.6とF8では際立った値(outstanding)、F11では素晴らしい値(excellent)だ。

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  • 倍率色収差は中央も隅もゼロに近く問題はない。修正が必要になるような状況に遭遇することはないだろう。
  • 歪曲は+0.71%のわずかな糸巻き型で、多くの一般的な被写体では、後処理での修正は必要ない。
  • ボケは非常に滑らかで魅力的なものだ。これは高解像力のレンズではあまり見られないものだ。

  • 逆光時のフレアは適切にコントロールされている。画面の隅に非常に強い光源があると、わずかにゴーストが発生する場合があるが、ゴーストを出そうとするとかなり大変だ。
  • 周辺光量落ちはf/2.8で-2.2EV、f/4で-1.8EV、f/5.6以降は-1.5EVで、まずまずだ。
  • Z MC 50mm f/2.8 は優れた性能とハンドリング、軽さ小ささの全てを備えた優れたマイクロレンズだ。マイクロに悪いレンズは無いが、このレンズはその範疇を超えて優秀なレンズだ。また、このレンズはフルサイズ機では優れた標準レンズ、APS-C機ではポートレート用の優れた中望遠にもなる。

  • 良い点:抜群の解像力、色収差が非常に少ない、周辺光量落ちが穏やか、歪曲が小さい、フレアが出ない、美しいボケ、防塵防滴、ハイレベルな造り、(鏡筒の表示で)撮影倍率が明確、静かで速いAF。
  • 悪い点:距離目盛りがない、被写界深度目盛りがない、フードが小さすぎる。

 

Z MC 50mm f/2.8は開放から高解像力で、色収差や歪曲も少なく、加えて逆光耐性も優れていて、非常に優れた性能のレンズという印象です。Z MC105mm f/2.8 同様、高解像力のレンズにもかかわらずボケが綺麗なのは素晴らしいですね。遠景もシャープなので、標準レンズとしても活躍してくれそうです。