パナソニック「25-50mm F1.7」は開放からシャープで素晴らしい画質

DPReviewにパナソニックの大口径中望遠ズーム「LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm/F1.7 ASPH.」のフィールドレビューが掲載されています。

Panasonic Leica 25-50mm F1.7 ASPH field review

  • 鏡筒は焦点距離が異なるにもかかわらず、同社の10-25mm F1.7とリングのサイズと配置まで同じデザインで、動画撮影では、レンズを交換しても同じフォローフォーカスシステムを使用できる。重量やバランスも10-25mm F1.7と近いので、ジンバルは無調整でどちらのレンズも使える。
  • 10-25mm F1.7と最大の違いはAFモーターで、10-25mm F1.7はステッピングモーターだが、25-50mm F1.7はリニアモーターが採用されており、望遠レンズでより重要になるAF性能が高くなっている。
  • 鏡筒は総金属製で値段にふさわしい頑丈な造りだが、重さは654gとかなり軽く、GH5IIのような適切なサイズのグリップを備えたカメラとのバランスは良好だ。

  • ズームリングとフォーカスリングは、非常に滑らかに回転する。フォーカスリングにはクラッチ機構があり、前後にスライドさせることでAF/MFを素早く切り替えられる。フォーカスリングは電子式だが、機械式のフォーカスリングのように動作し、ピント位置の再現性に優れている。
  • このレンズでは明らかにMFが優先されているが、AFも軽んじてはおらず、無限遠から最短まで0.5秒未満で合焦するので、スナップなどでも自信を持って対応できる。
  • フォーカスブリージングは、ズーム域にかかわらず非常に良く抑えられている。動画での欠点は、レンズ内手ブレ補正が無いことと、パーフォカルではない(ズームでピント位置が変わる)ことだ。動画でズームイン/ズームアウトする場合はフォーカスの調整が必要になる。

  • 解像力は中央は素晴らしく、開放でもズーム全域で非常にシャープで、絞っても解像力は変わらない。隅は、特に望遠側ではF2.8まで絞ると若干解像力が改善する。
  • ボケは素晴らしく、特に近距離では被写体を浮き上がらせることができる。ボケの唯一の欠点は、玉ボケに年輪ボケが目立ち、少々うるさくなる場合があることだ。口径食も見られるが、それほど極端に目立つわけではない。
  • 逆光耐性はフレア耐性もゴースト耐性も素晴らしく問題は無いが、ゴーストを出そう努力すれば出すことはできる。光芒は最高とは言えないにしても高品質だ。
  • 軸上色収差(ボケの色付き)は若干見られるが、ごく平均的なもので扱いやすく、気になるものではない。倍率色収差の問題は見られない。

  • パナソニックは10-25mm F1.7と25-50mm F1.7に全く同じ鏡筒や操作系を採用しており、この2本を共用するためのこだわりは素晴らしい。これは動画撮影者にとって、この2本のレンズの運用に手間がかからないことを意味する。
  • 25-50mm F1.7はAFでもMFでも撮影を楽しむことができ、大部分の点で素晴らしい画質が得られる。価格はかなり高いが、ニッチ製品なのでこれは当然のことだろう。価格が正当化できるかは何を撮るかにもよるが、動画撮影者は満足することだろう。このレンズはポートレートやストリート写真などの様々なスチルの撮影にも適している。

  • 好きな点:頑丈で高品質な造り、防塵防滴、非常に明るいF1.7の口径、開放でも非常にシャープ、無段階の絞り、高速で静かなAF、便利なフォーカスクラッチとMF制御、10-25mm F1.7の優れた相方。
  • 悪い点:かなり高価、とてもかさばる、レンズ内手ブレ補正が非搭載、絞りリングのクリックを有効にできない、玉ボケの年輪ボケ。

 

25-50mm F1.7は動画重視のレンズのようですが、開放から高画質で後ボケも綺麗なので、スチルでもポートレート中心に活躍してくれそうなレンズですね。欠点として玉ボケのうるささが指摘されていますが、サンプルを見る限りでは、年輪ボケもそれほど極端ではなく、玉ボケもレビューの評価ほど悪くないという印象です。