ePHOTOZineに、ソニーの大口径超広角単焦点レンズ「FE 14mm F1.8 GM」のレビューが掲載されています。
・Sony FE 14mm F/1.8 G Master Lens Review
- 重さは460グラムと昔の超広角レンズに比べると信じられないほど軽く、α7R IIIとのバランスもとても優れている。
- フォーカスリングは電子式で動きは極めて滑らかだ。AFは2つのリニアモーターで駆動され、高速で静かで正確だ。
- 中央の解像力はF1.8からF11に至るまで素晴らしい値(excellent)で、F16でも依然としてとても良好な値(very good)だ。隅の解像力も中央と同様で、F1.8からF11まで素晴らしい値(excellent)で、F16でもとても良好な値(very good)だ。
- 色収差は、把握している限りのカメラ内補正を無効にして測定しているが、とても良く抑えられており、超広角レンズとしては並外れて優れている。
- 歪曲は-1.88%のタル型で、このような広角レンズとしては優れた結果だ。
- ボケは開放付近ではとても奇妙な汚れた感じになることがあり、被写体にもよるが、焦点距離の長いレンズのような滑らかで心地よいものではない。
- 逆光耐性は最近のソニーのレンズはほぼ完璧だが、前玉が突出した複雑な構成のレンズにもかかわらず、それはこのレンズにも当てはまる。逆光でもコントラスト低下の兆候は見られず、ゴーストも見られない。
- 周辺光量落ちは見られ、特に開放では大きい(-2.1EV)が極端に大きくはない。
- このレンズは、これまでに取り上げた超広角レンズを遥かに凌ぐ優れた光学性能で、超広角が好きな人には申し分のないレンズだろう。価格は高いが、他のレンズよりも明るく競争力のある価格だ。超広角では構図に工夫が必要で、被写体に寄ることが多いが、このレンズは十分に寄れる。素晴らしいレンズで、強く推奨する。
- 良い点:中央と隅の見事な解像力、色収差が適切に抑えられている、周辺光量落ちが穏やか、歪曲が小さい、速く静かで正確なAF、絞りリングのクリックが解除可能、優れた逆光耐性、防塵防滴、優れたエルゴノミクス、ダイナミックでドラマティックなパースペクティブ。
- 悪い点:ボケが少々汚い、値段が高い。
F1.8の大口径超広角レンズで、開放からこの高解像力はすごいですね。やはり、超広角レンズではミラーレスのショートフランジバックの恩恵は極めて大きいようです。この性能にもかかわらず、鏡筒もコンパクトで使い勝手もとても良さそうです。
ボケに関しては汚いと言われていますが、サンプルを見る限りでは、広角レンズとしては悪くないという印象です。
ken2
小型軽量と描写のよさ、なんと言っても明るいと言う利点が生かせるのが、星景です。ソニーEには12-24/2.8という垂涎のレンズもあるので、大いに興味がありますが、この14/1.8は周囲のコマ収差が開放では少し目立ちます。通常はソフトフィルタを付けて撮る事が多いので、若干緩和されると思いますが、唯一惜しいなぁと思う点です。これがもう少し穏やかであれば、星景分野だけに絞ってでもソニー機導入と言うのもありだなぁと思っています。
Robin
そもそもこれくらいの超広角単焦点レンズが中華系とか除くとあまりありませんね。キヤノン、ニコンには現行レンズは多分一本もない。ズームはいくらかありますが。それだけSonyのラインナップが充実していると言うことで、すごいですね。
標高1000m
このレンズの作例でコマ収差が目立つ天体写真は、像面湾曲を考慮せず中央でジャストにピントを合わせた写真なのではないかと思います。
このレンズに限らず、広範囲を写す天体写真を撮り慣れている人であれば、周辺像やハロの出方を見ながら、写真全体が一番よく見えるように、中央でピントを合わせる場合はあえてほんのわずかにピントをずらしたり、中央と周辺の間くらいの星でピントを合わせたりすることがあります。
像面湾曲を補正しきれていないレンズと言われればそれまでですが、撮る人の調整によって、天体写真の作例はだいぶ印象が変わると思います。
カタスマー
標高1000m さん画面全体の印象を上げられる、そういうテクニックがあるんですね。
レビューサイトの作例なら、あえて像面歪曲を明示するための作例かもしれませんが、普通の作品撮りなら必ずしもガチピンが正義ではないんですね。
普段星景は一切撮らないので勉強になります。ありがとうございます。
タスク
星撮ってる人は絶賛してますねこのレンズ
ショートフランジバックの為せる技で
ミラーレスのキラーレンズと言えそう
ken2
星を撮る人に好評な第一の理由は、この手のレンズとしては驚異的に小型軽量である点です。特に簡易赤道儀を使う人には積載重量の軽量化は大きな意味があります。
で、コマ収差と像面湾曲ですが、これらは異なる収差です。像面湾曲は、平面にピントが合わない収差ですが、コマ収差はピントが合っているのにサジタル面に結像が崩れる収差です。クリオネ(鳥・十字架)が飛んでいるかのように見えるのは非点収差で、これは像面湾曲と密接な関係があります。この辺を理解して、最良の画像を得るように工夫して撮るのが醍醐味でもありますが、ミラーレスの大口径ショートフランジバックを活かして、より良い補正の効いたレンズが出てくることを期待しています。この手の収差は、無いに越したことはないので。