OMDS「ED 8-25mm F4.0 PRO」は開放からシャープで非常に汎用性の高いレンズ

DPReviewに、OMデジタルソリューションズの広角・標準ズーム「ED 8-25mm F4.0 PRO」のフィールドレビューが掲載されています。

Olympus M.Zuiko 8-25mm F4.0 Pro field review

  • 8-25mm F4.0はズーム域を考えると、非常にコンパクトだ。鏡筒は頑丈な総金属製にも関わらず重さはわずか411gしかない。
  • このレンズは沈胴式ズームだが、ロック機構なしでズームリングを回すだけで繰り出して使用可能になるので、多くの沈胴式ズームのような不便さはない。フォーカスリングは適切な重さがあり、最短から無限遠までの回転角は1/4周強だ。どちらのリングも金属製で質感が高く、動きは高精度だ。
  • フォーカスリングにはフーカスクラッチ機構が付いており、AF/MFの切り替えを素早く行うことができる。MFに切り替えてもフォーカスリングは電子式のままだが、機械式のフォーカスリングに非常に良く似た動きをする。

  • 手ブレ補正は搭載されていないが、E-M1 Mark IIIのIBISだけで、歩きながらの動画撮影でも非常に安定した映像が得られる。
  • AFはリニアモーターで非常に速く、被写体の急な動きにも容易に対応することができる。このレンズはフォーカスブリージング(フォーカシングによる画角の変化)が全くなく、これは動画撮影者には素晴らしいニュースだ。8-25mmのズーム域も動画にはほぼパーフェクトだ。
  • 最大撮影倍率は望遠端で0.21倍(換算0.42倍)と、驚くほど優れている。

  • 解像力は8mmでは開放から隅まで非常に良好で、像面の湾曲は最小限に抑えられており、絞っても回折の影響で解像力は落ちるだけだ。25mmでも開放からシャープで隅も悪くないが、わずかに像面の湾曲がみられるので、少し絞った方が隅の解像力は向上する。
  • ボケは玉ボケがバブル状(輪郭が強い)で内部にも模様が付き、かなりうるさいが、大きくボケている場合にはそれほど問題はない。滑らかなボケ味を求めているなら、このレンズは対象外だが、F4の超広角レンズなのでボケにはそもそも期待していないだろう。
  • 逆光ではフレアは上手く抑えられているが、画面に太陽を直接入れるとコントラストは若干低下する。ゴーストの発生はごくわずかだ。
  • m4/3機は絞り込むと回折の影響でソフトになってしまうので、光芒はあまり得意ではない。
  • 色収差は、補正の難しい軸上色収差はほとんど目立たない。倍率色収差は未補正の画像では少し目に見えるが、非常に色収差が目立ちやすい被写体でもごく軽微なものだ。

  • 8-25mm F4 PROと比べると、パナソニックの10-25mm F1.7は明るいが携帯性が低くずっと高価だ。また、パナソニックの8-18mm F2.8-4は価格は同程度だが、望遠側が短く寄れないので汎用性に欠ける。8-25mm F4 PROには明確なライバルは不在だ。
  • 8-25mm F4 PROは非常に軽量コンパクトで、開放からシャープなレンズだ。ボケは状況によって少しうるさくなることを許容できれば、全体としては満足のいくものだ。収差もよく抑えられている。このレンズは期待以上の近接性能の高さと広いズーム域の組み合わせで、風景やストリート写真、旅行用などあらゆる用途に使えるレンズで、フーカスブリージングが見られないので、動画用としても優れた選択肢になる。

  • 良い点:開放から優れた解像力、色収差が最小限、フレアとゴーストが抑えられている、絞っても玉ボケが円形を維持、非常に速いAF、ブリージングが見られない、驚くほどの近接性能、軽量コンパクトで多用途、頑丈で防塵防滴の造り、素晴らしい操作性、ロックの無い沈胴機構。
  • 悪い点:それほど明るくない、若干バブルボケ傾向のうるさいボケ、手ブレ補正非搭載、光芒がソフトになる。

 

ED8-25mm F4は、換算16-50mmというかなり尖ったスペックの広角ズームにもかかわらず、ズーム全域で開放から満足の行く画質が得られているのは素晴らしいですね。超広角は太陽が画面に入りやすいので、逆光に強いのもポイントが高いです。このレンズは他にはないスペックのレンズで、m4/3システムの訴求力アップに大いに貢献しそうですね。