キヤノン「EOS R3」の視線入力を体験するとジョイスティックを使いたくなくなってしまう

DPReviewに、キヤノンEOS R3の視線入力のスポート撮影でのテスト記事が掲載されています。

Is the Canon EOS R3's Eye Control AF good enough for sports shooting?

  • 視線入力は単なるギミックに過ぎないと思っていたが、全くそのようなことはなかった。視線入力はあらゆる撮影に使えるとは言えないが、サッカーの撮影には最適だった。EOS R3の視線入力は、初期のiPhoneのように実に直感的に操作できる。

  • 視線入力ではAF測距点の選択したり、動体追尾を開始するために被写体を画面中心に置いたりする必要はなく、好みの構図を維持したまま画面内で被写体を見て、シャッターを切ればよい。AF測距点は自分が見ている点に行ってピントを合わせ選手の追尾を開始(多くの場合選手の瞳を認識し対部する)し、何枚でもシャッターを切ることができる。

  • EOS R3には容易に設定可能なカスタムゾーン機能が追加され、この機能と視線入力AFとの連携が素晴らしいものになっている。サッカー選手の身長と横幅に合わせてカスタムゾーンを設定し、ボールを持っている選手上からフォーカスを開始すると、カメラは被写体が人であると認識し、顔や瞳の追尾を瞬時に開始する。

  • 視線入力はかなり厳しい状況でも、私の場合は非常に上手く機能したが、キヤノンはいくつかの欠点があると述べており、人によっては(瞳の色や目の状態、メガネの使用など)視線入力のパフォーマンスが安定しないこともある。

  • 視線入力を行う前には、何度もキャリブレーションを行い、カメラに自分の目の状態を把握して貰う必要がある。カメラには6つのキャリブレーションバンクがあり、1つのバンク内でキャリブレーションを何度も積み重ねることで、より良い結果を得ることができる。つまり、照明条件に応じて、あるいはカメラを使う人ごとに、異なるキャリブレーションを設定できる。キヤノンは最適な結果を得るために、バンクごとに複数回のキャリブレーションを行うことを推奨している。

  • 屋外でサッカーを撮影した私の場合は、太陽に向かってキャリブレーションを行い、次に反対方向を向いてキャリブレーションを行った。また、日陰で壁を背にしてキャリブレーションしたり、縦向きでキャリブレーションを行った。キャリブレーションを行うたびに視線入力の精度が上がり、サッカーの撮影の間システムに問題は起きなかった。

  • 視線有力は全ての被写体に適しているわけではなく、風景や建築物などのフレーミングでは視線があちこちに移動し、かえって邪魔になるので、視線入力は不要だ。視線入力が不要な場合や誤動作した場合には、ボタンを押すだけでこの機能を無効化することができる。

  • 視線入力を使わないユーザーもいるだろうが、我々は視線入力システムを試してみて、とても気に入った。非常にシンプルだが様々な撮影に対応できる強力な機能であり、この技術がより多くのコンシューマーレベルの製品に浸透していくのを心待ちにしている。視線入力は、初心者からプロまで誰もが恩恵を受けられる機能だ。

  • 今回の視線入力の体験の後、率直に言って二度とジョイスティックを使いたくなくなった。視線だけでカメラのコントロールができるようになった後では、タッチパネルの使用も不便に感じてしまう。この機能がEOS R3の購入を決定付ける目玉機能になるかどうかは分からないが、いくつかのジャンルの撮影には絶対的な効果があり、使い始めればすぐ自然に使えるようになるだろう。

 

EOS R3の視線入力は実際のスポーツの撮影でも使える実用的な機能に仕上がっているようで、ここでは「二度とジョイスティックを使いたくなくなる」と述べられているので、DPReviewのレビュアーは相当この機能を気に入ったようですね。

この機能がユーザーに幅広く受け入れられて、今後登場するR1やR5/R6後継機などにも採用されることになるのか注目したいところです。