ニコン「Z 28mm f/2.8 SE」は価格を超えた高性能レンズ

ePHOTOzineに、ニコンの広角単焦点レンズ「Z 28mm f/2.8 Special Edition」のレビューが掲載されています。

Nikkor Z 28mm F/2.8 SE Lens Review

  • このレンズはFマウント用のクラシカルなMFレンズの外観を再現しているが、実際はAFレンズで、APS-C機のキットレンズにもかかわらずフルサイズに対応している。
  • 鏡筒はマウントを含めてプラスチックが多用されており、重量は160gと軽い。残念ながらフードは付属していない。フィルター径はニコンの伝統的な52mmだ。防塵防滴仕様なのは歓迎だ。

  • コントロールリング(フォーカスリング)の感触は、古いFマウントレンズと良く似ており、絹のように滑らかだ。鏡筒には他の操作部はなく、AF/MFの切り替えスイッチも搭載されていない。
  • AFは2つのステッピングモーターを使用しており、非常に速く静かで信頼性が高い。最大撮影倍率0.2倍、最短撮影距離0.19mと寄れるが、伝統的な多くの28mmレンズよりも寄れるわけではない。AFはインナーフォーカスでレンズの全長は変わらない。

  • DXの解像力は、中央はF2.8からF11まで際立った値(outstanding)で、F16で素晴らしい値(excellent)だ。隅はF2.8からF8まで際立った値(outstanding)、F11で素晴らしい値(excellent)、F16でとても良好な値(very good)だ。

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  • FXの解像力は、中央はF2.8では素晴らしい値(excellent)、F4からF8では際立った値(outstanding)でF11とF16では素晴らしい値(excellent)だ。隅の解像力はF2.8からF8まで素晴らしい値(excellent)で、F11でとても良好な値(very good)、F16で良好な値(good)だ。

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  • 倍率色収差は、把握している限りの自動補正を全てOFFにして計測したが、DXでは中央も隅もほぼゼロだ。FXでは隅でいくらか色収差が見られるが、深刻なものではなく目立つものではない。
  • 逆光ではフレアはほとんど出ない。ゴーストを出すことは非常に難しく、コントラストの低下も見られなかった。
  • 歪曲は見事なほど少なく、DXで+0.10%、FXで+0.01%でほとんどまっすぐだ。
  • ボケは非常に滑らかで心地よく、後ボケは素晴らしい均一なグラデーションが得られるレンズだ。
  • 周辺光量落ちは開放でDXで-1.3EV、FXで-2.6EVと非常に穏やかだ。

  • このレンズの魅力は優れた性能と価格、レトロなスタイルで、それのどれを取っても成功しており、ニコンユーザーにとって価値のあるレンズだ。このレンズのデザインはZfcやその他ZシリーズのAPS-C機(Z50)にとても良く合っている。また、フルサイズのZシリーズの広角レンズとしても違和感なく使え、フルサイズでも最高レベルの性能だ。どの価格帯においても、全体的に見てこれ以上の性能は望めないだろう。文句なしにエディターズ賞にふさわしいレンズだ。

  • 良い点:際立った解像力、歪曲がほぼゼロ、軽量コンパクト、速く正確なAF、色収差が非常に少ない、周辺光量落ちが穏やか、心地よい滑らかなボケ、素晴らしいコストパフォーマンス、最高のハンドリング、防塵防滴。
  • 悪い点:AF/MF切り替えスイッチが無い、フードが付属しない、Z fcとの組み合わせでは手ブレ補正なし。

 

Z 28mm f/2.8 は安価な非Sのレンズにもかかわらず解像力はFX機でも抜群で、収差も良く補正されており、驚くほど高性能なレンズですね。高解像力なレンズにもかかわらずボケも綺麗で、実写でも申し分ない性能という印象です。Z fcのキットレンズに設定されているレンズですが、FX機のユーザーでも大いに楽しめそうなレンズですね。