ニコン「Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」は低価格だが単焦点レンズ並みの性能

ePHOTOzineに、ニコンのAPS-C用のコンパクトな標準ズーム「Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」のレビューが掲載されています。

Nikkor Z DX 16-50mm F/3.5-6.3 VR Lens Review

  • このレンズは沈胴式で、使用前に16mmの位置まで繰り出す必要がある。鏡筒はプラスチックが多用され、135gという軽さを実現している。フードはオプションなのは非常に残念だ。フィルター径は46mmと非常に小さく、入手しにくいフィルターもあるだろう。
  • ズームリングは絹のように滑らかではないが、スムーズに動く。フォーカスリングは電子式で、非常に滑らかな操作ができる。
  • 最短撮影距離0.2m、最大撮影倍率0.25倍で、この近接性能は使い勝手を大幅に向上させるものだ。
  • AFはステッピングモーターで、とても静かで非常に速く正確だ。
  • VRは公称4段分で、実際にこの効果があることが確認された。
  • 防塵防滴仕様でないのは残念だが、操作性は抜群によく、レンズの使い勝手はとても素晴らしいものだ。

  • 16mmの解像力は、中央はF3.5からF11に至るまで際立った値(outstanding)で、F16では素晴らしい値(excellent)だ。隅はF3.5からF8まで素晴らしい値(excellent)で、F11でとても良好な値(very good)だ。

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  • 24mmの解像力は、中央はF4.2で素晴らしい値(excellent)で、F5.6とF8では際立った値(outstanding)、F11では素晴らしい値(excellent)だ。隅の解像力はF4.2からF11で素晴らしい値(excellent)だ。

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  • 35mmの解像力は、中央はF5.3からF11で素晴らしい値(excellent)で、隅はF5.3とF5.6でとても良好な値(very good)、F8とF11で素晴らしい値(excellent)だ。

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  • 50mmの解像力は、中央はF6.3でとても良好な値(very good)、F8とF11で素晴らしい値(excellent)だ。隅の値はF6.3ではとても良好な値(very good)、F8とF11では素晴らしい値(excellent)だ。

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  • 倍率色収差は、既知の自動補正を全て無効にして測定した。中央の色収差はほとんどゼロだが、隅は若干の色収差が見られる。しかし、これは非常に低い値なのでそれほど目立たないだろう。
  • 歪曲は16mmでは-0.32%のタル型、50mmで+0.04%の糸巻き型で極めて良く補正されている。
  • ボケは美しく滑らかで、うるささを感じさせない。

  • 逆光ではフードを装着していないにもかかわらず、フレアを出すのは非常に難しかった。厳しい逆光でもコントラストの低下は見られず、クリアな画像が得られる。意図的に出そうと思えばわずかなフレアは出るが、それを除けばフレアとは無縁のレンズだ。
  • 周辺光量落ちは、16mm開放で-2EV、50mm開放で-0.6EVと、このようなコンパクトなレンズにもかかわらず非常に少なく、多くのより高価なズームレンズよりも優れている。
  • 価格は329ポンドで、このような優れたレンズとしては驚くほど低価格だ。

  • Z DX 16-50mm f/3.5-6.3は小さく安価で高性能なレンズで、廉価な標準ズームの基準を非常に高いレベルに引き上げている。このレンズは多くの単焦点レンズに匹敵する性能でありながら、価格も抑えられている。明るさは犠牲になっているが、現在のカメラは高感度に強いことを考えると、このトレードオフは妥当なものかもしれない。
  • 良い点:際立った解像力、歪曲がゼロに近い、小型軽量、速く正確なAF、非常に色収差が少ない、周辺光量落ちが穏やか、滑らかで心地よいボケ、コストパフォーマンスが抜群、素晴らしいハンドリング、VR内蔵。
  • 悪い点:AF/MF切り替えスイッチが無い、フードが付属しない、防塵防滴ではない。

 

Z DX 16-50mm f/3.5-6.3は、安価なキット用のレンズにもかかわらずズーム全域で高性能で、特に広角端は驚くほど解像力が高いですね。実写でも周辺部までシャープでボケ味も良く、このクラスのレンズとしては非常によく写るレンズという印象です。

各収差も非常に良く補正されていますが、歪曲に関しては、この種のコンパクトなズームとしては測定値が小さすぎるので、自動補正OFFと述べられていますが実際には無効になっていないような気がします。