ソニー「α7 IV」は極めて高性能なカメラだが設定が複雑で使いこなしが難しい

DigutalCameraWorldに、ソニー「α7 IV」のハンズオンが掲載されています。

Hands on: Sony A7 IV review

  • これまでα7シリーズは「無印」がエントリーモデルだったが、α7 IVはこれまでの無印モデル的なカメラではなく、よりハイレベルなユーザーをターゲットにしたカメラだ。α7 IVは短時間しか使っていないが、その性能や複雑さは、エントリーレベルのカメラとは程遠いものだ。
  • 33MPセンサーの採用は特筆すべきことではないが、α7 III の24MPからは大きなステップアップだ。動画も4K60p(Super35クロップ)が追加されα7 IVから大きく進化している。しかし、最も大きな進化は、地味かもしれないが、実質的に無限とも言えるRAW+JPEGで828枚の驚異的なバッファ容量だ。

  • AFはリフォーカスが高速化され、「静止している被写体にもかかわらず迷う」ということが無くなった。また、動画にもAFアシスト機能と、フォーカスマップ機能が追加されている。また、動画用にソニー初の人物・動物・鳥に対応する瞳AFが採用されている。
  • α7 IVは無印シリーズでありながら、α7S IIIと同じような大型グリップを備えている。ボタンやダイヤルは全てが上手く配置されており、操作しやすい。コントロールダイヤルは合計4つあり、カスタムボタンと併せて自由自在な設定な可能だ。
  • バリアングルモニタの採用は、チルト式のα7 IIIからの大きな進歩だが、解像度はわずか104万ドットとライバル機の半分しかない。

  • このカメラは高性能な分、複雑だ。コーデック、フレームレート、解像度、クロップのマトリクスは、動画の設定を非常に複雑なものにしている。特にSDカードを使用している場合は設定に制限がある。いつも動画を使っていれば、すぐに使いこなせるようになるだろうが、たまにしか動画撮影をしない人は、機能が何なのか、どこで設定するのか時間をかけて学ぶ必要があるだろう。
  • AFも同様で、瞳AFやリアルタイムトラッキングは非常に優れているが、設定がどこにあるのか、どのフォーカスモードを選択する必要があるのか把握しておかないと使えない。このカメラを使って感じたのは、複数の設定の間に共依存関係があるということで、ある設定をするためには、まず別の場所で別の設定をする必要がある。

  • 画質についてはラボテストで後ほど結論を出したいと思うが、短時間使った印象としては、スチルは見事な色再現で素晴らしい画質だと感じた。α7 IVのJEPGの画質は非常に良好に見える。4K動画は、4Kモニタでフルスクリーンで再生するととても見事な画質だった。
  • 手ブレ補正は、あまり感心しなかった。スチルでは申し分ない効果だったが、歩きながらの撮影ではかなり劣っているように感じた。映像のプロならもっと上手く撮影できるだろうが、それでもジンバルはまだ手元に置いておくことを勧める。
  • AFに関しては瞳AFは驚くほど優れていて、特に不満はない。

  • α7 IVは最新のAFと膨大なバッファ、非常に優れた動画を備えたパワフルで極めて高度なカメラだ。しかし、設定や使いこなしは非常に複雑で、α7 IVは並外れたことを可能にするが、それは必ずしも簡単にできるわけではない。初めてフルサイズミラーレスや本格的な動画カメラを買う人は、予想以上に学習が大変かもしれない。
  • α7 IVはあまりにも高性能、複雑、高価なカメラでエントリーレベルのカメラと考えない方がよい。価格が半分のミニα1のようなカメラで、α7 IIIを遥かにしのぐカメラだ。

  • 良い点:前代未聞のバッファの大きさ、10bit 4:2:2と4K60pの動画、極めてレスポンスに優れたAF、広範囲に渡る設定が可能。
  • 悪い点:価格がセミプロ向けでビギナー向けではない、設定が複雑。

 

α7 IVはAFや動画を中心にα7 IIIから大きく進化していますが、その分、従来の「無印」の枠を大きく超えるカメラになってしまったようで、ここでは設定が複雑で使いこなしが難しいという評価になっています。

とは言え、α7 IVのような30万円クラスのカメラを買う人なら、撮影に必要な機能は使っているうちにマスターできるでしょうし、設定の複雑さはそれほど問題はないかもしれませんね。