タムロン「11-20mm F/2.8 Di III-A RXD」は並外れた性能のレンズ

ePHOTOzineに、タムロンのAPS-Cミラーレス用の大口径広角ズーム「11-20mm F/2.8 Di III-A RXD(Model B060)」のレビューが掲載されています。

Tamron 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD Lens Review

  • このレンズは、F2.8の広角ズームとしては335gと驚くほど軽量だ。鏡筒にはプラスチックが多用されているが、これは否定的なものではなく良くできている。
  • フォーカスリングは電子式で、申し分のない滑らかな操作ができる。
  • AFモーターはステッピングモーターで、作動音はほとんどしない。AFは高速で正確だ。

  • 最大撮影倍率は広角端の方が高くなるが、これは理想とは正反対で、望遠端で寄れた方がワーキングディスタンスが長く取れる。また、広角端の近接撮影では像面湾曲がかなり大きく、周辺部がピント面から外れてしまうので、解像力チャートのような平面的な被写体よりも立体的な被写体の方が得意だ。
  • ズームリングの動きは緩すぎず固すぎずでちょうどよい。

  • 11mmの解像力は中央はF2.8からF11まで素晴らしい値(excellent)だ。隅はF2.8で良好な値(good)、F4でとても良好な値(very good)、F5.6で素晴らしい値(excellent)、F8からF11でとても良好な値だ。

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  • 14mmの解像力は中央はF2.8とF4で際立った値(outstanding)で、F5.6からF11では素晴らしい値だ。隅はF2.8からF8で素晴らしい値、F11でとても良好な値だ。

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  • 16mmの解像力は中央はF2.8とF4で際立った値で、F5.6からF11では素晴らしい値だ。隅はF2.8からF8で素晴らしい値、F11でとても良好な値だ。

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  • 20mmの解像力はF2.8では素晴らしい値、F4では際立った値、F5.6からF11で素晴らしい値だ。隅はF2.8からF11で素晴らしい値だ。

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  • 倍率色収差は、できる限り全ての自動補正をオフにして計測した。中央の色収差は良く補正されていて全く問題ない。隅はいくらか色収差が見られるが、過剰なものではなく、大部分の被写体では目立たないだろう。
  • 歪曲も自動補正をオフにして測定した。11mmでは-3.47%の極めて大きいタル型で、後処理で補正が必要だ。14mmでは-0.28%とほぼまっすぐになり、16mmでは+0.75%の控えめな糸巻き型、20mmでは+1.53%の糸巻き型になる。

  • ボケは広角レンズは必ずしも得意ではないが、それにもかかわらずこのレンズのボケはかなり滑らかで心地よい。
  • 逆光では通常はフレアは目立たないが、非常に厳しい条件では、いくらか穏やかなフレアが出ることがある。しかし、その場合でもコントラスト低下は見られない。
  • 周辺光量落ちは広角端の開放では-2.1EVで目立つが、それ以外の条件では目立たない。

  • このレンズは他にはない並外れて優れたレンズだ。その性能は見事で、予想を遥かに超える軽さで防塵防滴で価格も現実的だ。F2.8という明るさで、旅のお供として理想的だ。手ブレ補正は搭載されていないが、広角では許容できるだろう。タムロンの17-70mmと組み合わせれば、旅のライトフォトグラファー向けが必要する全てをカバーする強力なコンビになるだろう。
  • 良い点:際立った解像力、中間域の歪曲が小さい、フレアが少ない、色収差の良好な補正、ほとんど無音で速いAF、軽量、防塵防滴、17-70mmと良いコンビ、穏やかな周辺光量落ち。
  • 悪い点:11mmの非常に強い歪曲、手ブレ補正非搭載、広角端の最短撮影距離。

 

11-20mm F/2.8は、広角端の開放時では隅の解像力はわずかに低くなるものの、ズーム全域で極めて高い解像力を維持していて、広角ズームが苦手とすることが多い望遠端でも全く解像力の落ち込みが見られないのは素晴らしいですね。このレンズは、スペックの割に軽量で価格も抑えられているので、かなり訴求力は高いという印象です。