DUSTIN ABBOTTに、タムロンのEマウント用の大口径標準ズーム「35-150mm F/2-2.8 Di III VXD(A058)」のレビューが掲載されています。
・Tamron 35-150mm F2-2.8 VXD (A058) Review
- タムロンは35-150mm F/2-2.8では、軽量コンパクト化よりも性能を優先しているのは明らかだ。このレンズは70-180mm F/2.8よりも大きく重いものの、劇的に大きいわけではない。このレンズは旅行用と言うよりは、イベントやポートレート用の汎用性の高いレンズだと思う。ウェディングの撮影で、レンズを装着した2台のボディを持ち歩くよりはずっと軽量になる。
- ズームリングとフォーカスリングの位置が、28-75mm G2や18-300mmと逆になっているので、間違えて操作してしまうことがあった。良い点としては、ズームリングがギクシャクせずにしっとりとした感触(ただし軽くはない)なことだ。ズームで鏡筒は内側が4.5mm伸びるが、ガタつきや遊びは見られない。鏡筒にはズームロックスイッチがあるが、撮影中にズームの自重落下は見られなかった。
- フォーカスリングは驚いたことにズームリングよりも太く、これも2つのリングを間違えて操作してしまう理由の一つだ。フォーカスリングは電子式で、動きは良好だ。フォーカスリングの動きは、リニアとノンリニアを選択することができる。
- 鏡筒はエンジニアリングプラスチックだが、アルマイト加工された金属のようにみえる。特筆すべきは、レンズを手にした時の感触が良いことで、重いがどっしりしていて安心感がある。このレンズを何時間も持ち歩いたが、重くて不快に感じることはなかった。
- 接写はワイド端でもテレ端でもかなり良好だ。ワイド端の方が若干コントラストが高いが、テレ端の方が像面がフラットで、クリーミーなボケが得られる。
- 絞りは9枚羽根で、開放から2段分までは円形を保っているが、1段絞った時が最も綺麗な円形だ。F5.6からは絞りの形が見えてくるが、これは小絞りでの光芒を得るために必要なことだ。光芒は少しうるさいが、とても見栄えがする。
- 三脚座がないので、三脚に固定してズーミングすればするほどフロントヘビィになるのが気になった。マウントの強度は心配いらないだろう。
- VXDによるAFシステムは非常に優秀で、瞳AFは瞳がカメラに向いていないときでも良好に機能する。動物の瞳AFも同様に良好で、暗所でも正確に合焦する。動体は本格的なテストはしていないが、ラグビーの試合を撮影した際のAFは終始速く正確で、少なくともカジュアルなスポーツの撮影なら問題はないだろう。
- 動画でもAFは瞳を上手く追跡できており、フォーカスは信頼できる。フォーカスブリージングは平均的だ。
- 画質は芸術的な面と数値的な面の両方で満足の行くもので、実に素晴らしい写真が撮れた。
- 歪曲は35mmでは軽い糸巻き型で、周辺光量落ちは中程度で問題はない。70mmでは歪曲は糸巻き型大きくなるが、周辺光量落ちは減少する。150mmでは歪曲は70mmと同じだが、周辺光量落ちは大きくなり35mmと同程度だ。ポートレート用レンズなので、歪曲が糸巻き型なのはタル型よりも遥かに好ましい。
- 軸上色収差はほとんど見られず、色収差の補正は高く評価したい。倍率色収差はチャートでも実写でも見られなかった。このため画面の隅でもクリアでシャキっとした画像が得られる。
- 35mmでは中央の解像力は開放から素晴らしく、F2.8に絞ると更にシャープになる。中間部はF2.8では中央同様にパーフェクトだ。四隅は解像力が低くなるがそれでもまずまずで、F5.6に絞れば非常に良好に見える。風景写真で画面全域でシャープにしたい場合は絞った方がいいだろう。
- 70mmでは中央の解像力は若干弱く見えるが、隅は逆に強いように見える。85mmでは開放から画面全域で非常に優れた信じられないほどシャープな画質で、F4に絞るとコントラストもかなり高くなる。100mmは隅は少し甘くなるが、非常に良好な画質だ。文句のつけようがない。
- 135mmの解像力も引き続き開放から素晴らしいものだ。150mmでも解像力は低下せず、70-180mm F/2.8の180mmよりも少し良好な結果が得られた。実写のポートレートでも開放から非常に鮮明だ。
- このレンズには逆光耐性が低いという大きな欠点がある。前玉に太陽光が当たると、特に望遠端ではゴーストフレアが出てしまう(広角側は望遠側よりも良好だ)。これは逆光で撮影することが多いポートレート写真家には、撮影スタイルにもよるが、致命的な問題になるかもしれない。
- このレンズのボケは、非常に柔らかく芸術的でとても美しい。
- コマ収差は概ね良好で星空の描写は鮮明だが、隅をピクセル等倍で見ると若干のコマ収差が見られる。しかし、全体的には全く問題ないので、天体用途でも使うつもりだ。
- このレンズは大きく重いが、これまでにないズーム域と明るさで、ウェディングやイベント、ポートレートの撮影に全く新しい可能性をもたらすレンズだ。画質はとても美しく、ポップでディテールに飛んでいる。逆光耐性という弱点はあるが、AFや鏡筒の造り、機能の豊富さも申し分ない。多くの単焦点を1本で置き換えたい写真家には本当に役立つレンズで、大変に惹かれるレンズだ。
- 良い点:革新的で実用的なズーム域、ライバルより大口径、高性能な防塵防滴のシーリング、フッ素コーティング、新しい魅力的な鏡筒の仕上げ、パワフルなVXDモーター、カスタムボタンやUSB-C端子のような実用的な新機能、リングの良好な造りと動き、ズーム全域で高い光学性能、並外れたコントラストとポップな画質、色収差の見事な補正、素敵なボケ。
- 悪い点:非常に大きく重い、他のタムロンのレンズとズームリングとフォーカスリングの位置が逆、三脚座が無い、手ブレ補正が無い、逆光耐性が芳しくない。
35-150mm F/2-2.8は他のレビューでも高評価でしたが、ここでもテスト結果は優秀で、レビューアーは非常に気に入ってるようです。広角から望遠域までのこれだけ明るいズームにもかかわらず、ズーム全域で高性能なのは見事としか言いようがありませんね。
逆光に弱いのが唯一の欠点のようですが、広角側はあまり問題なく、望遠側もサンプルを見ると状況によっては逆光でフレアの無い画像も得られているので、使いこなしである程度はカバーできそうな感じです。
Kin
家族の記録だったら、これと明るい広角側のレンズ2本で素晴らしい画質で思い出を残せますね。
kip
最近イベントで実働しましたが楽しいですね
とくに望遠側で75,90とライカ画角を手軽に使えるのは夢のようです
通常も40mmF2という使いやすい画角明るさで撮れますし
まさに無敵ですね
セツナ
すでに予約して入荷待ちですが、他のレビューでも「むき出しのUSB-C端子」にあまり触れてないですね。
タムロンは実験の結果問題ないとコメントしてましたが、雨、ホコリ、砂、ときには泥水など、気分的には不安感が拭えないです。
砂浜で撮ることもあるので潮風と浜砂の影響とか、やはり気になります。
ヤマ
弱点は逆光なんですねぇ。
ゴーストフレアは僕にとっては長所になりうるので余計にほしくなりますが、あのむき出しなUSB-C端子のせいで躊躇してます…
田中太郎
むき出しのUSBが気になるならキャップ買って使えばいいだけだと思います
アマゾンで数百円とかで購入出来ますし
レンズのUSBなんて調整のときくらいしか使わないので確かに最初からキャップ付けておいてよ。とは思いますが
どりゃー
ポートレートズームと強く打ち出しているほど
中望遠域での表現力と利便性を備えた上級者向けレンズで
価格・大きさ・重さはかなりですが
コマーシャルフォトでも活躍するぐらい重宝な存在でしょう
この製品を欲しいフォトグラファーの中に
35-150mm F/2.8-4 Di VC OSD A043ユーザーが沢山いると思います
タムロンにRF,Zマウントへの参入を熱望する声も高まりそう
ASA
新35-150mmを試用した限りでは、言われてるほど逆光に弱い印象はなかったです。前モデルのような、コントラストが急速に落ち込む派手なハロとか起きませんし。逆光耐性への要求水準がハイアマ以上の環境でずいぶんと上昇してしまい、以前だったら普通くらいと評されるレベルだった性能でも、弱点扱いされる時代になっているのかもしれません。ちょっと前にもソニーの新G70-200mmが逆光に弱いと言われてましたし、アマチュアレベルの撮影ではほぼ問題ないと思います。
asa
フォーカスリングがリニアとノンリニアが切り替えられるのすごーく良い
シグマ85mmDGDNがノンリニアだけで、ゆっくり回すと途端に移動量が極小になって
まったく山が掴めなくなってしまう仕様で、リニアに設定できないものかとずっと思ってた。
最近のタムロンは調整できるレンズが増えてるのかな・・
28-75mmのG2も調整可能らしい
この傾向いいな、シグマも真似してほしいわ
BAKU
むき出しUSBキャップにはマウント指標の近くなので白いキャップを早々に付けました。防水コネクタとは言え埃などが詰まるのはまずいですから。