コシナ「MACRO APO-LANTHAR 110mm F2.5」は見事な性能で風格のあるレンズ

ePHOTOzineに、コシナのEマウント用の中望遠単焦点マクロレンズ「フォクトレンダーMACRO APO-LANTHAR 110mm F2.5」のレビューが掲載されています。

Voigtlander 110mm F/2.5 Macro APO Lanthar Lens Review

  • このレンズはかなり大きく、771gととても重い。
  • フォーカスリングを回すと、鏡筒が繰り出し撮影倍率が表示される。等倍では鏡筒が大きく繰り出すが、まったくガタつきはない。フォーカスリングは十分な重さがあり、素晴らしく滑らかに動く。被写界深度目盛りもあるが、距離表示の間隔が広いので使い勝手はよくない。
  • 絞りリングは軽いクリックがあり滑らかに動くが、クリックを解除することはできない。

  • マウントには電子接点があり、EXIFの記録やMFのフォーカスピーキングも使用できる。ピーキングは非常に優れており、ピントリングに触れるとすぐに拡大表示になり、細かなピント合わせができる。ポートレートで瞳にピントを正確に合わせるのも簡単にできる。
  • 解像力は、中心も隅も全ての絞り値でほとんど同じだ。F2.5からF4の解像力は中央も隅も際立った値(outstanding)で、その後は回折の影響で絞ると徐々に解像力が落ちる。F5.6では素晴らしい値(excellent)で、F8からF16ではとても良好な値(very good)、F22でも良好な値(good)を維持している。これはテストチャートの距離の解像力だが、このレンズはマクロ域でも非常に高い解像力を維持しており、F22に絞り込んでもディテール豊富な画像が得られる。

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  • 色収差は非常に良く抑えられているが、APOと言っていないレンズでも同程度に優れたレンズは数多くある。しかし、この色収差の値は、このレンズの素晴らしい性能を損なうものではなく、ほとんど問題にはならないだろう。
  • 歪曲はわずか+0.73%の糸巻き型で、大部分の被写体で目立たない。
  • ボケは非常に滑らかで、背景が非常に細々していてうるさい場合でも快適だ。絞ってもボケの滑らかさは維持されている。

  • 逆光耐性は非常に優れており、通常の使用ではフレアは目立たない。非常に厳しい状況ではわずかなフレア・ゴーストが出ることがあるが、意図的に出すのは大変だ。
  • 周辺光量落ちはF2.5とF2.8では若干見られる(-1.5EV)が、少し絞ると気にならないレベルになる。
  • 価格は879ポンドと高価な部類に入るが、最高水準の金属鏡筒のレンズなので、この価格は正当なものだろう。

  • MACRO APO-LANTHAR 110mm F2.5は優れたマクロレンズだ。かなり重くかさばるので、APS-C機では少し無理があるかもしれないが、フルサイズ機なら全く問題はない。電子接点があるので、(ピーキングを使って)ピント合わせも非常に簡単にできる。三脚を使った近接撮影でも、非の打ち所のない性能で、AFも必ずしも必要ではない。このレンズは使って楽しむことができ、見事な結果の得られる実に風格のあるレンズで、エディターズ・チョイスに相応しい。
  • 良い点:均一で際立った解像力、見事な鏡筒の造り、マクロ域で画質が維持されている、フレアが少ない、色収差が少ない、周辺光量落ちが穏やか、滑らかなボケ、歪曲が小さい、電子接点がある、最高のMFアシスト。
  • 悪い点:防塵防滴ではない、マニュアルフォーカスは万人向けではない。

 

MACRO APO-LANTHAR 110mm F2.5は開放から画面の隅までシャープで、ボケも柔らかく、とても立体感のある描写をするレンズという印象です。APO-LANTHERシリーズでは、50mm F2も非常に高評価でしたが、この110mm F2.5も全く負けていませんね。

MFレンズですが電子接点があるので、5軸手ブレ補正やフォーカスピーキングなどが使用可能で、オールドレンズに比べれば格段に使い勝手は良さそうです。