ニコン「Z 40mm F2」は素晴らしい性能だが近接域の解像力低下が小さな欠点

ePHOTOzineに、ニコンの小型軽量の準広角単焦点レンズ「Z 40mm F2」のレビューが掲載されています。

Nikon Nikkor Z 40mm F/2 Lens Review

  • 鏡筒はマウントを含めてプラスチックが多用されているため、170gという軽さを実現している。造りの品質は優れており、防塵防滴の対策がなされている。
  • 操作部は滑らかに動く電子式のフォーカスリングしかないが、これは絞りの調整や露出補正、ISOの設定などの機能に変更することができる。
  • AFモーターは作動音の小さいステッピングモーターで、滑らかな動きで素早く高い精度で合焦する。

  • 中央の解像力はF2とF2.8で素晴らしい値(excellent)で、F4からF8では際立った値(outstanding)、F11とF16では素晴らしい値だ。隅はF2とF2.8でとても良好な値(very good)、F4からF11では素晴らしい値、F16ではとても良好な値だ。これは通常の撮影距離での解像力で、近接域では平面的な被写体を撮影すると周辺部と隅の解像力が低下する。近接域でシャープな画像を得るには、可能な限り絞り込む必要がある。

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  • 倍率色収差は、自動補正をオフにして測定したが、実に低い値だった。色ズレの兆候は見られず、後処理が必要になる可能性は非常に低いだろう。
  • 歪曲は-0.63%のタル型で、これは素晴らしい結果だ。
  • ボケは、非常に滑らかで心地よいものだ。Z7II使用時はレンズが実絞りになり、絞りの変化によるボケの変化をファインダーやモニタで確認することができる。

  • フレアはレンズ枚数が少ないので抑えられていると予想していたが、実際に良く抑えられている。コントラストも良好に維持されており、厳しい条件では全く不可能ではないものの、フレアやゴーストを発生させるのは難しい。
  • 周辺光量落ちはいくらか見られ、特に開放時は-2.2EVで目立つが、それほど極端に大きくはない。

  • このレンズが素晴らしい(excellent)~際立った(outstanding)の性能を持ち、非常に魅力的な価格なのは間違いない。加えて小型軽量なので、旅行のお供として理想的だ。唯一の小さな欠点は、最短撮影距離で平面的な被写体を撮影しようとすると、周辺部や隅をシャープに写すために絞り込まなければならないことだ。これはおそらく像面湾曲のためで、立体的な被写体ではより良好に見える。とは言え、全体的には素晴らしいレンズで、エディターズ・チョイスに選んだ。

  • 良い点:素晴らしい~際立った解像力、色収差が非常に少ない、穏やかな周辺光量落ち、歪曲が小さい、フレアがほとんど出ない、心地よいボケ、軽量コンパクト、防塵防滴のシーリング。
  • 悪い点:近接域で隅の解像力が低い、手ブレ補正非搭載。

 

Z 40mm F2は軽量コンパクトで安価なレンズですが、光学性能はなかなか優秀で、実写でも非常によく写るレンズですね。ウィークポイントとして、近接域の周辺部の甘さが指摘されていますが、寄るとふわっと柔らかくなり、ボケが綺麗でよい雰囲気の写真が撮れるという印象なので、花の撮影等ではむしろ効果的に使えるかもしれませんね。