シグマ「100-400mm F5-6.3 DG DN Contemporary」はコストパフォーマンス抜群のレンズ

OpticalLimitsに、シグマのフルサイズミラーレス用の超望遠ズーム「100-400mm F5-6.3 DG DN Contemporary」のレビューが掲載されています。

Sigma 100-400mm f/5-6.3 DG DN OS Contemporary - Review / Test

  • このレンズは一眼レフ用で高い人気を誇る100-400mm F5.6-6.3 DG OS HSMのミラーレス対応バージョンで、形状は非常によく似ているが、光学系の変更などいくつかの小規模な違いがある。
  • 旧レンズと異なり三脚座の着脱ができるようになっており、またAFモーターはミラーレスカメラに適したステッピングモーターに変更されている。良いニュースは、価格が旧型からわずかしか上がっていないことだ。
  • 鏡筒は一眼レフ用よりも少し長く、プラスチック製だった鏡筒後部が金属製に変わるなど若干の品質向上が図られている。
  • AFは作動音はせず、かなり速い。

  • 歪曲は未補正のRAWでは比較大きい。100mmでは歪曲は小さい(1%の糸巻き型)が、ズーム中間域から大きくなる(200mmで1.66%、300mmで2.08%、400mmで2.02%の糸巻き型)。自動補正を有効にすると歪曲は完璧に補正される。
  • 周辺光量落ちはピークの400mm開放で1.75EVでかなり目立つ。これはこのクラスの平均よりも高い値で、おそらく前玉がかなり小さいためだろう。自動補正を有効にすると周辺光量落ちは0.9EVを下回る値になり、まだ目に見えるものの許容範囲内になる。

  • 解像力はまずまずで、ピーク時の性能はトップレベルではないが、それでも立派な値だ。100mmでは中央は開放で「非常に良い」~「素晴らしい」値で、周辺部も余裕で「良い」のレベルにある。絞っても中央は改善しないが、周辺部は若干の改善が見られる。解像力が最も高いのはズーム中間域で、F6.3とF8では画面全域で非常に良い値になる。400mmでは解像力が下がるが、中央は開放から高い性能を維持しており、周辺もまだ良好な値だが、四隅は落ち込む。このレンズは像面の湾曲は小さい。

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  • 倍率色収差は広角端からズーム中間域では非常に少ない。400mmでは若干大きくなるが、それでも控えめな値だ。
  • 玉ボケは内部もかなりクリーンで比較的良好だが、輪郭は少し強く、絞るほど強くなる。玉ボケの形はF8でも維持されているがF11では絞りの形が若干見える。口径食は少ない。後ボケはとても滑らかだが、前ボケは少しうるさい。

  • 100-400mm F5-6.3 DG DN OSは一眼レフ用の旧型から小幅に改善されており、画質は主に広角端での周辺部の解像力が大きく向上している。ズーム中間域でも高い画質が維持されるが、望遠端では隅の解像力が低下する。ボケはズームとしてはまずまずだ。鏡筒の造りは、コンシューマーグレードのレンズとしてはとても素晴らしい。高価なレンズでないが、光学性能とメカが共にきちんとしていて、明らかにバリューキング(コストパフォーマンスの王者)だ。

 

シグマ100-400mm F5-6.3 DG DN Contemporaryは、ズバ抜けた性能ではないものの十分以上の性能で、実売で9万円のレンズでこの性能なら全く文句はないですね。望遠端の解像力の落ち込みが指摘されていますが、サンプルを見る限りでは解像力チャートの印象以上によく写るレンズという印象で、確かにコストパフォーマンスはかなり高そうです。