DPReviewTVのクリス氏とジョーダン氏が、2021年のベストとワーストのカメラ製品を部門別に発表しています。
・DPReview TV's Best and Worst Gear Of 2021
ベストのマイクロフォーサーズ用レンズ
- ベスト オリンパスED8-25mm F4 PRO:標準域までカバーする超広角ズームを最近は愛用している。このレンズは非常に小型軽量にもかかわらず、防塵防滴でAFが速く、私のお気に入りのフォーカスクラッチ機構を搭載している。画質は非常に安定していて、収差は最小限に抑えられ画面全域でシャープだが、玉ボケが唯一の不満点だ。このレンズはオリンパスブランド最後のレンズとして記憶されるだろう。
- 次点 パナソニック LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm F1.7:素晴らしいエルゴノミクスと機能を備えており、ポートレートやインタビューの収録に理想的だ。10-25mm F1.7との組み合わせでほとんど全ての仕事に対応できる。
ベストのAPS-C用レンズ
- ベスト シグマ18-50mm F2.8 DC DN:シグマは、ほとんど完璧な標準ズームを提供してくれた。このレンズは非常にコンパクトで、ズーム全域で開放から素晴らしくシャープだ。また、ブリージングがほとんどなくAFが滑らかなので、動画にも最適だ。
- 次点 富士フイルムXF33mmF1.4 R LM WR:旧型より大きく重くなったが、旧型の素晴らしいキャラクターを維持しながら、防塵防滴、AFの高速化、ボケ味の向上が実現されている。
ベストのフルサイズ用レンズ
- ベスト タムロン35-150mm F/2-2.8 Di III VXD:他にはない焦点距離だが非常に汎用性が高く、これに広角ズームを組み合わせれば通常3本のレンズが必要なところ2本でカバーできる。ブリージングの少なさとボケ味が気に入っているが、フレアはかなり酷い。
- 次点 ソニー FE 14mm F1.8 GM:ソニーは非常に明るい超広角において、コンパクトでありながら最高のクオリティが実現できることを証明した。開放から優れた解像力と非常に少ないコマ収差で、素晴らしい星空を撮影できた。
ベストの動画用カメラ
- ベスト DJI Ronin 4D:マニュアルフォーカスホイールやフォーカスウェーブフォームなどの多くの革新的技術が盛り込まれたフルサイズのジンバルカメラで、カメラの使い方を研究しているときに、こんなに笑顔になったのは久しぶりだ。
- 次点 ニコンZ9:ニコンのカメラは「いざとなったら動画も撮れるカメラ」だと思っていたが、Z9はクラスをリードする動画性能で、8K動画、オーバーサンプリングの4K、ProRes内蔵など、全てに驚かされた。唯一の不満は、バリアングルモニタを採用して欲しかったということだ。
ベストの一眼レフカメラ
- ベスト ペンタックスK-3 Mark III:一眼レフが最先端をいくことはもうないだろうが、K-3 Mark III は最新のセンサー、改良されたAF、より高性能なIBISを搭載し、一眼レフはまだ使える道具であることを証明している。
ベストのスチルカメラ
- ベスト ニコンZ9:数千枚もの画像を整理していて、多くの撮影が難しい被写体でも完璧にピントが合っているのに驚かされた。3Dトラッキングと機械学習ベースのトラッキングアルゴリズムの組み合わせは実に見事だ。これまでニコンのZシリーズを勧める理由を考えるのに苦労してきたが、Z9の登場で全てが変わった。Z9は最も優れたフルサイズミラーレスだと思う。
- 次点 富士フイルムGFX 100S:大きくエルゴノミクスに劣るGFX100の画質が、より小さく快適で安価なボディに詰め込まれている。中判カメラで撮影をこれほどまでに楽しんだのは645Z以来だ。画質は今年テストしたカメラで最も綺麗で、エルゴノミクスや操作性の改善で写真を撮ることがこんなに楽しくなるとは思わなかった。
ワーストの動画カメラ
- ワースト シグマfp L:6100万画素の読み出しの遅いセンサーの採用が最大の問題で、ローリングシャッター効果が大きく、記録モードにも深刻な制限がある。Logが使えないので、ダイナミックレンジが非常に狭い。終わることのない動画の妥協とトレードオフの経験を読者にして欲しくないので、ワーストの動画カメラに選んだ。
ワーストのレンズ
- ワースト LAOWA Argus 35mm F0.95:最大の魅力はF0.95という明るさだが、残念ながらF0.95で撮影した写真は、シャープな領域がなく、絞り込んでもシャープネスはわずかしか改善しない。ボケはソフトで滑らかだが、絞り込んでも口径食が目立ち、逆光では奇妙なフレアが出て、軸上色収差も深刻だ。
ワーストのスチルカメラ
- ワースト シグマfp L:シンプルなデザインと操作系は、ドローンやジンバル向きでスチル機に適したものではない。手に持ったときの操作性が悪く、また、ローリングシャッター効果の問題が常に表出してくる。このカメラが上手く機能すると思われる唯一の状況は三脚を使った風景撮影で、その場合ならIBISの欠如やエルゴノミクスの悪さも緩和され、メカシャッターがないことで6100万画素の性能が発揮される。残念ながら写真家向けの遥かに高い汎用性を持つカメラが他にいくらでもあるので、シグマfp Lをワーストフォトカメラに決定した。
ベストに選ばれている製品はどれも魅力的な製品ばかりで、いずれも納得のいくところですね。Z9はdpreview本誌でもdpreview Award 2021に選ばれていましたが、ここでも非常に高い評価で、特にAFのトラッキング性能は大いに期待できそうです。
ワーストカメラに関しては、動画機もスチル機もシグマfp Lというシグマファンにとっては残念な結果となってしまいました。fp Lなんでも撮れる万能タイプのカメラではありませんが、出てくる絵は非常に綺麗で、ボディもコンパクトで取り回しがいいので、じっくりと風景を撮るなど、用途によっては活躍してくれそうだと思うのですが。
カタスマー
ベストレンズ、ベストカメラを見ても汎用性を重要視しているのがわかりますね(例えばGFX100Sは画質という意味ではほぼ改善無しですから)。
画質とサイズや取り回しのバランスを評価したランキングのようですね。
そういう意味ではfpLのワースト評価も妥当(というより一貫性がある)と思います。
まるさい
うーん、ワーストはfp Lですか。あのサイズに6000万画素を詰め込んで来たときにそうなるんじゃないかと危惧しましたが。
サイズ的に持ち出しやすい大きさなので残念ですが、やはりfpの仕様ががあのサイズにマッチしているんでしょうね。
極楽とんぼ
シグマのカメラは、わかっている人しか買わないので心配無用と思いますが。
わさびみそ
いちニコンファンとしては、Z 9が「最も優れたフルサイズミラーレス」と断言されているのが、嬉しい限りです。
じゃぶろー
ベストのスチルカメラ「ニコン Z 9」と、ワーストのスチルカメラ「シグマ fp L」は「メカシャッターレス」という共通点があるのが面白い。
かたやメカシャッター不要な高速センサー搭載機と、コスト都合でメカシャッター非搭載となったであろう低速センサー搭載機と、思想は真逆ですが。。
電卓
fp Lは仕方ないでしょうね。
SIGMAのカメラを使ってきましたが、この系統には手が出ません。
ローリングシャッター歪みの対策がされているカメラ向きのコンセプトだと思いました。
しかし、今年は無難な感じですね~。毎年、首をかしげるような評価もあったりするのですが。
ジェラ
fp Lは普通のカメラとして評価するなら撮れるものが限られたカメラ。
画素数上げてよりその傾向が高まった。
ただサイズや形状はメリットとして捉えることも出来るし、わかってて買う人がほとんどだろうからそこは問題ないのでは。
ただ想像以上に遅いセンサーなのは購入後にがっかりした人も多かったので完全にデメリットかな。
それとあの外付けEVFも無しだと思う。
店員
foveonならこの性能でなんの不満もないけど、
ベイヤーだったら汎用性の高いα7RⅣ選んでしまいますね。
タロウカジャ
ニコンZ9に拍手
2022年は、下位の機種開発に期待する。
akira
m3/4の広角zoomをどれにしようか迷っていましたがリンパスED8-25mm F4 PROに決めて予約しました。
Robin
ワーストってのは出さなくていいんじゃないかな、あるいは気にしなくていいんじゃないかな、と思います。fp Lは癖の強いカメラで、大きさだけ考えて使おうとすると困っちゃうだろうから、要注意カメラだとは思いますが・・・。
Z9は動画静止画でともにとりあげて凄いですが、R3も視線入力とかAFとか凄いので、Z9がいなかったらランクインしてたんじゃないでしょうか。