キヤノン「RF100mm F2.8 L MACRO IS USM」は高い価格を正当化するだけの価値のあるレンズ

ePHOTOzineに、キヤノンの球面収差コントロール機能付きの望遠マクロ「RF100mm F2.8 L MACRO IS USM」のレビューが掲載されています。

Canon RF 100mm f/2.8L MACRO IS USM Lens Review

  • RF100mm F2.8マクロは、1.4倍という驚きの高倍率に加えて球面収差を調整するSAコントロール機能を搭載している。このレンズは非常に高価なので、競合製品と異なる何か特別なものが必要だ。
  • 鏡筒は100mm F2.8のマクロレンズとしてはかなり大きく見えるが、重さは684gと妥当なものだ。鏡筒の造りは非常に高品質だ。
  • フォーカスリングは電子式で、いつものキヤノンのレンズのように素晴らしく滑らかに動く。
  • AFはナノUSMモーターが採用され、ほとんど無音で素早く正確に合焦する。

  • 球面収差を調整するSAコントロールは、シャープさとボケ味に大きな影響を与える機能で、マイナス方向に調整すると前ボケがソフトに、後ボケは硬くなり、プラス方向に調整すると前ボケが硬く、後ボケがソフトになる。SAコントロールの効果は絞り値や被写体との距離によって変化するので、使いこなすには時間がかかる。
  • SAコントロール機能は他にはない独自のもので、このような非常に面白いアイデアを出して大きな可能性を提供してくれたキヤノンを高く評価したいと思う。
  • 手ブレ補正は公称5.5段分の効果(IBIS搭載ボディでは8段分の効果)で、これは人によって結果が異なるかもしれないが、テストではまさに正確に5.5段分の効果であることが確認された。しかし、近接撮影になればなるほど手ブレ補正の効果は小さくなる。

  • 解像力は中央はF2.8からF8まで素晴らしい値(excellent)で、F11とF16ではとても良好な値(very good)、F22では良好な値(good)だ。隅はF2.8からF5.6で素晴らしい値(excellent)、F8からF16ではとても良好な値(very good)だ。解像力は近接域でも非常によく維持されている。

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  • 倍率色収差は、自動補正なしでも中央も隅も非常に良く補正されており、大部分のケースでは後処理での補正は必要ないかもしれない。
  • 歪曲は+0.44%の糸巻き型で、これは見事だ。

  • ボケはSAコントロールを使用しない状態でも滑らかで素晴らしいもので、SAコントロールを使って多彩な表現が可能だ。
  • フレアも素晴らしく良く抑えられており、フレアを出すことはできるが、かなり厳しい条件でなければフレアは出ない。
  • 周辺光量落ちは開放では見られる(-1.7EV)が、絞ると徐々に改善する(F4で-1.5EV、F5.6で-1.4EV)。

  • RF100mm F2.8は素晴らしいマクロレンズだ。このレンズは高価だが、可能性を秘めた非常に有用な機能(SAコントロール)を搭載している。この機能と価格をどう見るかは人それぞれだろう。最大撮影倍率の向上は歓迎すべきことだ。このレンズは価格を正当化するだけの価値があり、エディターズチョイスの栄誉に輝いた。
  • 良い点:素晴らしい解像力、色収差の良好な補正、歪曲が小さい、周辺光量落ちが穏やか、独自のSAコントロール、1.4倍の最大撮影倍率、フレアが極めて少ない、高速でほとんど無音のAF、防塵防滴、5.5段の効果(IBISとの協調で8段)のIS。
  • 悪い点:価格が高い。

 

RF100mm F2.8L は開放からピークに近い解像力が出ていて各種収差もよく抑えられており、ラボテストの結果では申し分のない性能と言ってよさそうです。価格はこのクラスのマクロレンズとしてはかなり高価ですが、SAコントロールと1.4倍の最大撮影倍率は非常に魅力的なので、一概に高いとは言えないかもしれませんね。