ニコン「Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S」はAF駆動の遅さが3Dトラッキングに影響することがある

DPReviewに、ニコンの新しい超望遠ズーム「Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S」のハンズオンが掲載されています。

Hands-on with Nikon Nikkor Z 100-400mm F4.5-5.6 VR S

  • Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR Sは「S」ラインのレンズなので、ハイレベルな造りで、防塵防滴のための広範囲なシーリングが施されている。
  • 外観は遠目にはZ 70-200mm f/2.8 Sと似ていて、全長やカメラバック内で占めるスペースもほぼ同じだ。径はZ 100-400mmの方がZ 70-200mmより太いが、重さは若干軽い。
  • 三脚座はZ 70-200mm f/2.8 Sと全く同じで、共用できる。サードパーティー製のZ 70-200mm f/2.8用の三脚座の足もそのまま使える。

  • 鏡筒にはカスタマイズ可能なコントロールリングと2つのFnボタン、AF/MF切り替えスイッチ、フォーカスリミッターが装備されているが、VRの制御用のスイッチはなくVRはメニューから設定する。手ブレ補正は公称5.5段分の効果だが、Z9との組み合わせでは6段分になる。
  • 最近の他のニコンの望遠ズームのように、ズームリングはレンズの一番先にあり、これを好む人もいるが、嫌っている人もいる(フードを逆付けの状態で素早く撮影する必要がある人は後者だ)が、多くの人は気にならないだろう。ズーミングでレンズは繰り出し、400mmでは大幅に長くなるが、バランスは変わらない。ニコンはジンバル搭載を念頭に置いて、重心がズーム域に大きく影響されないように設計している。
  • ズームリングの回転角は90度未満で、適切な重さがあり、滑らかに動く。ズームリングの重さを変える機能は無いが、ニコンは持ち運ぶ際にズームが自重落下しないようにする必要があると主張している(このレンズは自重落下は全く見られない)。

  • 光学系は20群25枚で、ED6枚とスーパーED2枚が使用されている。また、ゴーストやフレアを抑えるナノクリスタルコートとARNEOコートが採用されている。このレンズで撮影し始めたばかりだが、最初の印象は非常にポジティブなものだ。
  • 1.4倍と2倍のテレコンを使用可能で、どちらのテレコンを使った場合でもAF性能は維持されている。1.4倍のテレコンでは全体的なAF速度と画質はほとんど影響を受けないように見えるが、2倍のテレコンでは影響が大きくなる可能性はあるかもしれない。
  • このレンズの見落としがちな優れた点は、最短撮影距離が望遠端で1メートルと短いことだ。最大撮影倍率は0.38倍になり、マクロには及ばないが、これは昆虫や小動物などの寄れない被写体の撮影用として極めて有用だ。

  • AFは他のZマウント同様に2機のステッピングモーターで、AFは静かでまずまずの速さだが、AF-S 500mm f/5.6 PFと比較すると、リング型モーターを採用している旧型レンズの方がAF速度で優っていることが分かる。
  • Z 100-400mmはフォーカスの駆動が遅いために、被写体を捉えるのが遅く、3DトラッキングAFに影響がでることがある。ラグビーのような動きの速いスポーツの撮影では、リング型モーターのレンズに交換すると、Z9は瞬時に被写体にロックするため、新たに追尾する被写体を素早く選択することができる。
  • Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR SはZマウントの非常にパワフルなレンズで、かなり大きいレンズだが、Z6 / Z7 とZ9のいずれのボディでも非常に良くバランスが取れている。

 

ニコンは、Zマウントレンズではステッピングモーターを積極的に採用していますが、このAFモーターは、Fマウント用レンズで採用されていたリング型モーターに比べるとAF速度は遅いようですね。ニコンは動画を重視してステッピングモーターを採用しているのかもしれませんが、AF速度の面ではリング型モーターやリニアモーターの方が有利のようです。