「EOS R5C」はNDフィルターとIBISがあれば完璧なカメラ

CineDに、キヤノンEOS R5Cのレビューが掲載されています。

･キヤノンEOS R5 Cレビュー

  • 私としては、（EOS R5Cは）これほど適正な価格でこれだけの機能を備えたカメラは過去になかったと自信を持って断言できる。EOS R5 Cは、最新のEOS Cinemaラインの安価な選択肢となり、しかもキヤノンは品質と機能の面で手を抜いていない。もし、私が現在の高性能ミラーレスカメラで、C70、あるいは同レンジの競合他社のカメラのいずれかを選ぶとしたら、断然EOS R5 Cを選んでいただろう。

  • EOS R5 C vs EOS C70：EOS C70にはNDフィルターが内蔵されており、XLRオーディオ接続も可能だが、このカメラにはEVFがないため、私はこのカメラに愛着を持てなかった。EOS R5 Cは、より小さなボディ、より大きなフルサイズセンサー、より高い解像度、そして自由度の高さがあり、ある意味C70を凌駕している。

  • EOS R5 C vs EOS R5：映像制作が本業であれば、単純にEOS R5 Cの方が適していると思われる。動画に関しては、EOS R5ではできなかった様々なレベルの演出を可能にする柔軟性が、EOS R5Cにはある。EOS R5は、IBISを内蔵しているため、（物理的な）手ぶれ補正で優位だ。EOS R5 Cのデジタル手ぶれ補正がどの程度のものなのかは、もう少しテストする必要があるが、少し使った限りでは、むしろ納得のいく結果だった。

  • EOS R5 C vs EOS R3：EOS R5 Cが登場した今、新しいハイブリッドカメラを購入する場合、もうEOS R3を検討することはないだろう。EOS R3は忘れて、EOS R5 Cを検討すべきだ。一言で言えば、より安く、より小さく、より動画に特化した撮影ツールだからだ。

  • EOS R5 C vs Sony FX3：圧倒的にEOS R5 Cの方が進化している。 8K、様々なセンサークロップモード、アナモフィックデスクイーズオプション、真の24p、シャッターアングル、内部RAW記録、その他が搭載されている。更に、FX3は約1000ドルも高い。

  • このカメラの弱点のひとつは電源だ。まだ古いキヤノンCanon LP-E6を使うことができるが（これは素晴らしい！）、20分程度の稼働時間となる。なので、まずは新しいモデルのCanon LP-E6NH（約40分の駆動時間）を使っていただきたい。代替品として、USB-Cパワーバンクのバッテリーでも良い。

  • キヤノンは素晴らしいカメラを開発した。このカメラは間違いなく成功するだろう。2022年はまだ始まったばかりだが、すでに今年の最優秀カメラの可能性がありそうだ。カメラの価格も全く適正だと思う。次のバージョンでは、NDフィルター内蔵とIBISの復活をお願いしたい。それで完璧なカメラとなる。

  • EOS R5Cの良い点

    - 内部アクティブ冷却システム
    - 解像度やフレームレートに応じた豊富な内蔵RAW記録機能
    - アナモフィックデスクイーズオプション
    - きれいな動画像を実現する2種類のベースISO設定
    - 超小型･軽量
    - 専用のタイムコード入出力端子を用意
    - HDMIポートにケーブルを接続した際、液晶の動きが制限されない
    - Atomos Ninja V+でProRes RAW外部収録可能
    - 電子IS機能は非常によく機能する
    - 選択した記録解像度に応じて、CFexpressとSDに同時記録またはプロキシ記録が可能
    - 4k/120で撮影した際の音声の再録が可能

  • EOS R5Cの改善すべき点

    - キヤノンC-Log 2ガンマカーブ記録の選択枝が無い
    - フルサイズで最高RAW記録画質のオプションが利用不可
    - IBIS非搭載
    - HDMI端子がタイプAでない
    - 撮影準備に約9～10秒かかる。これは改善されることを期待する
    - ビデオカメラのメニューはもっとシンプルであるべき
    - 内蔵バッテリー使用時の録画時間制限

　

CineDのレビュワーは、EOS R5Cが「今年の最優秀カメラの可能性がある」とまで述べているので、相当このカメラが気に入ったようですね。HDMI端子がフルサイズではないことや、NDフィルターの非搭載など、本格的な動画機としては足りない部分もあるようですが、ボディの小ささやこのクラスでは充実した動画機能、コストパフォーマンスの高さなどが高評価につながったようです。

IBISに関しては動画メインのCineDだと「なくてもいい」という評価になるかと思っていましたが、この評価は少し意外な気もします。