ニコン「Z 24-120mm f/4 S」はFマウント版からズーム全域で画質が向上

DigitalCameraWorldに、ニコンのF4通しの新しい標準ズーム「Z 24-120mm f/4 S」のレビューが掲載されています。

Nikon Z 24-120mm f/4 S review

  • Fマウントの24-120mmと異なりVRが搭載されていないのは、Z50やZ fcで使いたい人にとっては残念なことだ。
  • ハンドリングは洗練されている。フォーカスリングとズームリングは、どちらも滑らかで正確に動く。
  • 鏡筒はそれほど重くは感じないが、しっかりとした造りだ。Fマウントの24-120mm f/4に比べると少し長いが少し軽い。
  • AFはほとんど無音で速く一貫して正確だ。フォーカスブリージングはごくわずかで、動画の撮影に最適だ。

  • 実写の解像力はズーム全域で画面の四隅まで非常に素晴らしく、歪曲や色収差も自動補正使用時はほとんど無視できるレベルだ。全体として、このレンズの性能には全く不満はない。
  • ラボテスト(解像力):85~120mmの間で隅の解像力が若干低下するが、ズーム全域で画面全体の解像力は素晴らしいものだ。全体として、Z24-70mm f/4 Sと解像力でほとんど差がみられず、5倍のズーム倍率を考えるとこれは大したものだ。

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  • ラボテスト(色収差):色ズレは画面の一番隅でも完全に無視できるレベルだ。数値上では望遠側で色収差は若干悪化するが、それでも実写では色収差はほとんど目に付かない。
  • ラボテスト(歪曲):高倍率の標準ズームは広角端でタル型、望遠端で糸巻き型の歪曲が目立つことが知られているが、このレンズは広角端でタル型がほとんど見られず、望遠端でも糸巻き型が見られない。

  • Z 24-120mm f/4 Sは、Fマウントの12-120mmのミラーレスバージョンで、マウント径が大きく、フランジバックの短いZシステムの光学的な強みを最大限に活かしており、結果、ズーム全域で解像力と全体的な画質が向上し、そこそこの小型軽量化も実現している。しかし、このレンズはVRが搭載されていないので、Z50やZ fcのようなDX機には向いていない。
  • 広いズーム域と明るさが欲しいならZ 24-120mm f/4 Sがベストだが、そうでないなら、沈胴式で小型軽量のZ 24-70mm f/4 Sや、更にズーム域の広いZ 24-200mm f/4-6.3の方がより安価で入手できるだろう。

  • 良い点:素晴らしい画質、汎用性の高い5倍ズーム、カスタマイズ可能なL-fnボタンとコントロールリング。
  • 悪い点:Z 24-70mm f/4 Sよりも大きく重い、Z24-70mm f/2.8 Sよりも暗い。

 

一眼レフ用のこのクラスのレンズは設計が難しいようで、望遠端が落ち込むなど何らかの欠点を抱えているのが普通でしたが、このレンズはズーム全域で隅までシャープで便利ズームとしては申し分の無い性能と言ってよさそうです。指摘されている「悪い点」は少々無理やりという感じもします。

このレンズはAPS-Cでも36-180mmと面白いズーム域になりますが、記事で指摘されているように、VRが搭載されていないので使い勝手はあまりよくないかもしれませんね。