ニコン「Z 9」は競合機種よりも圧倒的に使い勝手に優れている

DPReviewに、スポーツ写真家のマーク・ペイン氏のニコンZ9の使用感に関するインタビューが掲載されています。

Interview: Sports photographer Mark Pain on the new Nikon Z9

  • Z9を使用しているスポーツ写真家のマーク・ペイン氏に意見を聞くためにインタビューを行った。

  • (Z9に期待していたことは?)
    使用していたシステムに99%満足していて、プロ用のカメラに急激な変化は好まないので、期待していたことは特になかった。しかし、新しいAFモードには興奮したし、ソニーに匹敵する性能かどうかを確かめたかった。私にはまだ使いにくいソニーのカメラをニコンが「ニコン化」できているのかどうかを確認したかった。

  • (Z9は性能面で一眼レフと比較してどうか?)
    顔認識の3Dトラッキングの点では革命的で、D5やD6と比べると驚くほどの進化を遂げている。スポーツの撮影では向き不向きはあり、画面内に2~3人ならいいが、ラグビーやネットボールの撮影では必ずしも頼りにはならないことが分かった。一眼レフよりも多くのピントが合っている写真が撮影できているとは思えない。しかし、技術的には素晴らしいもので、経験の少ない人には間違いなく助けになるだろう。

  • (Z9の画面全域をカバーするAFは便利か?)
    そうでもない。私は被写体をできるだけ中心に置くようにしているからだ。スポーツ写真では適切な焦点距離の選択と、被写体をフレームの中央2/3に収めることが重要だ。私の場合、被写体が画面の隅にあることはほとんどない。

  • (Z9の習熟しやすさは?どの程度で慣れたと感じたか?)
    信じられないほど早く、思っていたよりもずっと短かった。D5やD6からの移行も最小限の期間で済んで、驚くほど簡単に使えるようになった。EVFも問題なくすぐに慣れた。私のしごとではEVFがOVFよりも優れているとは思えないが、Z9のEVFはこれまで使ったものの中で最高であることは間違いなく、あらゆる状況で使い勝手はとても良かった。EVFがこれほど優れていて、煩わしさがないのかと驚いた。Z9は絶対的にニコンのカメラだ。高感度は少なくともD6と同程度の性能はある。

  • (Z9は電子シャッターを採用しているがバンディングの問題は?)
    10回ほどプロフェッショナルな仕事で撮影したが、約半数の場所でバンディングは見られた(大きな問題とは言わない)。LEDボードのバンディングは99%の人には影響のない問題だが、私はスポンサーからお金を貰う撮影でLEDボードがあることが分かっていれば、Z9と一緒に一眼レフを持っていく。(LEDボードの)スポンサーのロゴが完璧に見えるような画像にしたいからだ。バンディングに何らかの修正がされることに期待したい。

  • (Z9でバンディング以外で改善して欲しい部分は?)
    Z9は実に素晴らしく、これまで使用した競合機種よりも圧倒的に使い勝手がいいが、プロの視点からはファイルサイズが大きすぎる。スポーツ写真家としては、この画素数は必要ない。RAWをPhotoshopで開くと圧縮モードに関係なく130MBにもなり、これはD6の2倍のサイズで処理が苦痛だ。他の点では信じられないほど素晴らしく、欠点はあまりない。2台目のZ9を購入し、それらが壊れるまで他のカメラを買う必要ないと確信している。

 

インタビューではZ9にいくつかダメ出ししていますが、最後に2台のZ9を使い潰すと言っているので、マーク・ペイン氏はZ9を相当気に入ったようですね。

現時点ではZ9はD5・D6を全ての面で超えているとは言えないようですが、発売されたばかりのカメラなので、今後ファームウェアアップデートでの進化を期待したいところです。