キヤノンの1.4倍のテレコン内蔵の「400mm F4 DO」と「600mm F4」の特許

キヤノンが、テレコン内蔵の超望遠単焦点レンズのいくつかの実施例を含む特許を出願しています。

特開2022-22771(IP Force)

  • 撮像に用いられる光学系の焦点距離を変化させる方法として、光路中に倍率変換光学群(※ここではテレコンのことです)を挿入する方法がある。しかしながら、倍率変換光学群を挿入するためのスペースを設けると、元々の光学系の全長が長くなる。本発明は、倍率変換光学群を挿抜可能な光学系でありながらも、全長が短く、良好な光学性能が得られる光学系を提供する。
  • 実施例1、2では、回折光学素子Ldoeとして、密着2層構成の回折光学素子1を用いている。

  • 実施例1: 400mm F4 DO(内蔵テレコン不使用時)
    焦点距離 392.58
    F値 4.12
    半画角(°) 3.15
    像高 21.64
    レンズ全長 280.33
    バックフォーカス 36.01

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  • 実施例1: 400mm F4 DO +1.4倍の内蔵テレコン
    焦点距離 549.72
    Fナンバー 5.77
    半画角(°) 2.25
    像高 21.64
    レンズ全長 280.33
    バックフォーカス 36.00

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  • 実施例2: 400mm F4 DO(内蔵テレコン不使用時)
    焦点距離 392.20
    Fナンバー 4.12
    半画角(°) 3.16
    像高 21.64
    レンズ全長 280.36
    バックフォーカス 36.11

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  • 実施例2: 400mm F4 DO +1.4倍の内蔵テレコン
    焦点距離 549.18
    F値 5.77
    半画角(°) 2.26
    像高 21.64
    レンズ全長 280.36
    バックフォーカス 36.11

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  • 実施例3:600mm F4(内蔵テレコン不使用時)
    焦点距離 585.00
    F値 4.12
    半画角(°) 2.12
    像高 21.64
    レンズ全長 467.45
    バックフォーカス 55.50

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  • 実施例3:600mm F4+1.4倍の内蔵テレコン
    焦点距離 819.18
    F値 5.77
    半画角(°) 1.51
    像高 21.64
    レンズ全長 467.45
    バックフォーカス 55.50

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キヤノンが、1.4倍のテレコンを内蔵しながら大きさを抑えた超望遠単焦点レンズを検討しているようですね。実施例1と実施例2の400mm F4 はDOを採用しいるレンズで、RFマウントのフランジバック分を引くと全長約26cmとEF400mm F4 DOと比べて27mm程度しか大きくなっておらず、とてもコンパクトにまとまっています。

また、600mm F4はフランジバック分を引くと全長45cm弱と、テレコンを内蔵しているにもかかわらずRF600mm F4の約47cmよりも短くなっていて、スペックの割りに扱いやすそうです。いずれも高価なレンズになりそうですが、製品化されたら鳥やスポーツなどを撮るプロやハイアマには歓迎されそうなレンズですね。